私は、感動映画を見るのが下手だと思う。いや、上手なのかもしれない。
感動小説もそうだ。共感しすぎる。
ヒロインの桜良を失ったのは主人公の春樹だが、春樹に共感して私も桜良を失った。
つらくてむねが締め付けられる…くるしい……。最後は爽やかで文句のない終わり方だったけど、桜良の死を受け入れられたのは作中で時間経過した春樹だけであって、私にとってはあんなに明るくてかわいい子が突然この世からいなくなったばかりなのだ。
喪失感がすごい。すごすぎて、明日私仕事なの?という感じだ。心が完全に喪に服している。すみません、明日お通夜なので休みます。
一緒に見た奥さんが見終わってすぐに茶碗洗いを始めるのをみて、理解ができなかった。なんでそんな平然と日常に戻っていけるんだ…?
感想としては、ヒロインがめちゃ可愛かった。
あんな子が一緒のクラスにいたら、絶対好きになっちゃう。明朗快活というのだろうか。なんかあんな感じの子が昔同じクラスにいたような気がしてきた。いたような気がする。もうわからない。共感しすぎると仮想も現実になるのだ。脳にはもう区別がついていない。もう私には何が本当かわからないが、桜良がもういないということだけは本当なのだ。むねがくるしい。くるしくて、つらくて、この感情の起伏が楽しい。この映画をみてよかった。なんだか、初めて感動系の映画をみた人みたいになっている。
劇中で一番泣いたのは、彼女が死んだあとに春樹が初めて彼女の自宅へ行って、開封されたメールを見つけて耐え切れずに号泣するシーンだが、あそこの演技は良かった。喋ってる途中に泣きそうで声が変になる演技がリアルすぎて、完全にもらい泣きした。
死というテーマと青春を合体させてはいけない。こんな青春あったらいいなという切なさと死別のつらさを一緒にやられると、私にてきめんに効く。青春こわい。
今、もう一度見返して泣きながらこの感想を書いているが、桜良がベッドに押し倒されて抵抗するけど逃げられずに「いやぁ…っ」って潤んだ瞳で声震わせて泣いちゃうシーン…いいな…。
https://www.youtube.com/watch?v=E0yNIC69KhI