DaiGo「飲むとガンになるサプリをご紹介します」
DaiGo「結論から言うと、ビタミンBサプリを飲むことによって肺がんのリスクが上がる、という研究がありました」
DaiGo「このオハイオ大学の研究は、50-76歳までの男女77000人で、普段からどれくらいのビタミンBを摂っているか。その後十年追って、ガンがどうなっているか調べてます」
DaiGo「ビタミンB6、B12を飲むと、肺がんになるリスクが1.3-1.4倍上がりました。ただし、男性だけです。不思議ですが女性は上がらないです」
DaiGo「ビタミンBサプリを10年くらい飲み続けると、肺がんリスクが上がるということになります。けっこうあぶないですよね」
DaiGo「タバコを吸っているともっとやばいです。タバコを吸うと、肺がんリスクが3倍になります。タバコとビタミンBをやめたほうがいいです」
メンタリストDaiGoはいつもの早口でこのようにYoutubeで説明していました。
まじか、と思ってそのオハイオ大学の論文読んでみました。私の中でビタミンBが今めちゃくちゃ熱いので、調べました。
さて、結論からいいます。
DaiGo「ビタミンBサプリを10年くらい飲み続けると、肺がんリスクが上がるということになります」←
嘘です。
この研究の対象は「高齢の喫煙歴がある人」です。
この研究結果をみてビタミンBサプリ摂取について考えないといけないのは、高齢の喫煙歴のある人です。
20代、30代でおそらくタバコも吸っていない人がDaiGoのこのyoutubeをみて「ビタミンBサプリ飲むのやめようかな~」とtwitterで呟いている様はまさにマジックに騙される観衆そのもの。
DaiGoも、サプリメントという視聴者の関心の高そうなジャンルで恐怖心煽って視聴数稼ごうとするのはいいけど、良いものを駄目だと嘘つくのは良くない。
インフルエンサーは、ちゃんとしないと駄目です。
DaiGoが言うから私も気になって調べたわけですが。
繰り返しますが、肺がんになった人となっていない人(ただし喫煙者、または喫煙歴のある者)を調べたら、ビタミンBをたくさん摂っている人は、少量摂っている人や飲まない人よりも肺がんになる確率が高かったよ、という研究結果です。
しつこいですが「やや高齢の喫煙者」の話なんです、このオハイオ大学の研究。
非喫煙者であり、かつ年齢も若いあなたがビタミンBサプリを飲んだ結果肺がんになりやすくなる、ということではありません。(50歳以上で喫煙歴のある人だったらすみません。)
統計の解釈難しかったですが、非喫煙者は数が少なすぎて統計かけれなかったから除外しているようです。さらっと書いてました。いや喫煙者の話かーい!って。
abstractにも結語にも書いてないですからね、ただし喫煙者に限る、なんて。なので原文の結語に「ビタミンBサプリが有害である可能性を示した」と書いてあるのがなにか意図的だなって感じたりしました。
例のあれか?製薬会社のビタミン攻撃か?(藤川信者特有の目線)
ただ、この研究からはこの対象(50-76歳、喫煙歴あり)ではこうでした、ということしか言えないわけですが、ビタミンBの仕組みや喫煙と肺がんの仕組み等を理論で組み合わせることで、今回の研究の対象外になった若い人や非喫煙者にはどうなのかという「想像」や「仮定」は立てられるわけです。もしかしたら若くて喫煙してない人でも、同じ結果になる、かもしれない。私はならないと思いますが。
なので
DaiGo「ビタミンBサプリを10年くらい飲み続けると、肺がんリスクが上がるということになります」←嘘ではないが、対象が隠されているので言い過ぎ
ということになります。「自転車に乗ると転んで骨折しやすい」というようなことと同じです。これをみて「そうなんだじゃあ自転車に乗るのやめよ」とはならないですよね。「高齢者は自転車に乗ると転んで骨折しやすい」と言われたら、まあそうだよねってなりますが。対象を隠すのはズルいということ。嘘ではないあたり、やっぱりうまいですね、DaiGo。
でもなんでDaiGoがビタミンBやめさせようとするんだ?やっぱり煽るとアクセス数増えるから?確かに「高齢の喫煙者がビタミンBサプリとると肺がんリスクが高まる」より「ビタミンBサプリとるとガンになる」の方が圧倒的にインパクトある。こちらの方が自分に関係のある話のように感じて思わずクリックしちゃう。私みたいに。
DaiGoのように「ビタミンBサプリ飲んだらガンになるよ」と言うには、若くて喫煙していない人もビタミンB摂取量が多かったら癌になりやすい、という文献が必要です。
そもそも若い人は癌になるリスクが低いので(この文献でもそれが原因で除外された)調べるのが非常に難しい。
私はビタミンBについてはエネルギー代謝の酵素であるということくらいしか知らないので、喫煙、肺ガンとの関連についての考察は全くできないのですが、原文の考察にあった「メチオニンシンターゼ還元酵素と喫煙、肺がんリスクの相乗的増加」という引用文献とかを読むと、なにか見えてくるのかもしれません。
もしかしたら、喫煙とビタミンBは相性が悪いのかもしれないですね。私は関係ないので調べませんが。
ちなみに、藤川先生の症例集に、肺がん(腺癌)の報告が書かれていました。
治療に使われたビタミンBはビタミンB50×2と書いてあったので、ビタミンB6 100mg/day、ビタミンB12 100μg/dayを摂取してもらい、1年間癌の進行は変化がなく、なにより海外旅行に行くくらい元気を保っているという報告でした。
今回のオハイオ大学の研究は肺がんの罹患率であり、すでに肺がん罹患後の、しかも喫煙と関係のない腺癌のこの症例は参考にならないかもしれませんが、癌が成長するのには糖質が使われること、癌になるとATP不足になること等を考えると、糖を摂らずにATPを作るのに重要なビタミンBは積極的に摂ったほうが良さそうだなと思うわけです。
最後に、Daigoのこの癌になりやすい発言を聴いた瞬間に私『ビタミンBサプリを飲んで1.4倍くらいの癌リスクを背負う』のと『ビタミンBサプリをやめて疲労に悩む毎日に戻る』、で天秤にかけたんですよね。
それで、私は1.4倍癌になりやすくても、ビタミンB飲むわ。という結論になりました。QOL上げるのにこれ以上のシロモノはないよ。
でも癌リスク増大というのもこうして調べたら杞憂だったので、安心してビタミンBサプリ続けます。