『疲れない』ようになるブログ

やってみて、どうだったかの記録

【卓球】フォアハンドは腰の回転で打つ。腕は振らなくていい

6年ぶりに卓球の大会に参加してみた。

安定して打てるようになるためのヒントをたくさん得られたため自分用にまとめる。

 

大会に参加したきっかけは、2年くらい前に気軽に卓球ができる場所をみつけて(相手がいなくてもそこにくる人と練習できる)週1くらいで通うようになったこと。

 

全盛期は小さな大会で優勝するくらいに強かった私だが、ブランクを重ね続けているその間に卓球の用具ルールが改正され、それに対応できないことでドヘタになってしまった。完全に過去の栄光だ。

現状の下手さがひどすぎて「そんなに上手かったのに今ひどいですね笑」と思われるのが恥ずかしくて人には言えない。

昔のうまかった自分の動画を保存していないのでもう見返して思い出すことができないのが非常に悔しい。

自分、どうやって卓球していたっけ?

 

本当に上手い人はブランクがあっても強いのだが、私はそうではなかったためギリギリの実力だったのだろう。

 

さて、本題だ。

昔はあれだけ得意としていたフォアハンドが、どうしてうまくいかないのだろう?

毎日練習していた昔と比べて今は週に1回できるかできないかで、練習不足はあるとはいえ、素振りはプロの動画をみて真似するように毎日やっているし、そのイメージも悪くないのだが、実際に打つと、空振るのだ。オーバーミスするのだ。

現役時代のイメージと比べてできていないわけではなく、実際にできてない。

 

今回、大会に出て上手い人のプレーをたくさんみて、学んだことがたくさんあった。

うまくなるヒントだらけだった。最近は自分のプレーを動画で録画して分析しているので、それも含めてまとめてみる。

 

 

うまくいかないとき(空振る、オーバーミスする、安定しない)の特徴

 

フォアハンド

ラケットの構えが低い

・手打ちになっている(腰で打っていない

・スタンスが狭い 

・姿勢が高い(重心が高い)

・腋が閉じてしまっている

・肘が体よりも後ろにある

・台に近すぎる

 

大会に出て気づいたこととして、上手い人はスイングがコンパクトであるということ。

上手い人と比べると、自分は大振りだ。

スイングはプロの動画をみてそれをイメージしていたが、真似ようとするあまり、”手打ち”になっていた。

盲点だった。

 

 

腰で打つことの重要性について

(これができていないとフォアハンドは何をどうあがいてもダメな最重要要素)

 

現役時代も、調子いいときの動きと悪いときの動きは分析していた。

「腰で打つ」の重要さなんて嫌というくらい意識していたのに、素振りばかりしていたせいもあってか、すっかり忘れてしまっていた。

 

むしろフォアハンドは「腰の回転だけで打つ、スイングは”しない”ほうが調子がいい」というのが私の現役時代の認識だった。スイングなんてしないでもラケットを前に構えて腰を回せば勝手にバックスイングされて腰を戻せば前にスイングされるから球は入るし、なによりも「安定」していた。

それもそうだ。ラケットを前に構えて、腰を90度フォア側へ回すとラケットは球が向かってくる方向にすでにある状態になる。そこから腰を戻すだけで進行方向へ打てる。

大きく動く関節が腰だけなので、スイングの軌道がとにかく安定する。

 

それに比べると、腰で打たないスイング(手打ち)になると、動く関節が多い。

肩甲帯、肩関節、肘関節、手関節、4つもある。それが打球のたびに変わる(同じスイングを意識しても大きくブレる)ので軌道も安定しなければ、ラケットの面の角度すら安定しない。

 

そうなると、空振る。

 

しかも大振りなのに、なぜか球も遅い。

これがかなりヒントであり、物理的にエネルギーが生まれていない証拠である。

 

腰をメインで打たないと、毎回スイングの軌道が腕次第になるので全く安定せず、ラケットの真ん中にも当たらず、回転も安定せず、結果ラリーにならずにミスして終了する。卓球にならない。

そして、現役時代には腰で打っていたこともあり、今は腰の回転がない分スイングが前に行かず、当たると予想して振っても前方向への軌道が生まれず「下から上に」振ってしまい、空振る。オーバーミスする。

 

腰の回転は、必ず前方向への力の成分がある。

体幹を軸に水平に回転するので上下の動きは少なく、純粋な「前」へのスイングになる。これが大きいのだろう。ラケットは前に振らないと当たらない。ループドライブで空振りやすいのはそういう理由もある。

下手なカット打ちなんてのはその代表例だ。

 

今回の大会で、カットマン相手に空振り、ラケット角にあたってミスを繰り返してイライラ全開だった選手をみた。私と同じだ・・・と思って見ていたが、やはり下から上に振っていた。

腰は動いてはいるが、手打ちであり、スイングがその場で流れてしまっていた。腕は大きく振っている”ように”見える。

 

腰で打つと軸が腰になるため、軸からラケットまでの距離も大きい。腰を支点として、レバーアームが長くなるため先端のラケットで生じるエネルギーは物理的に大きくなる。

肩や肘を支点にするとレバーアームが小さく、振っている”つもり”でもスイングスピードが出ない。全力で腕を振っても、実はスピードは出ていない。そのため回転がかからず球がオーバーミスする。

そして回転をかけるためには腕を速く振る必要があるためスイングの軌道が安定せず、ミスが多くなる。

 

おそらくだが、スピードガンとかの測定器でラケットの速度を測ったら、腰だけのスイングのほうが、手を思い切り振ったときのスイングよりも速いと思う。

腕は速く振れているが、実際の球にインパクトしたときのラケットの速度は、腰の回転時と比べると圧倒的に出ていないだろう。

 

これはバッティングセンターで打つときのことをイメージするとわかりやすい。

バットを肘と手首をこねる動きだけで振っても、速いスイングはできない。そこに肩の動きを入れたとしても、体幹が回っていなければ球に負けるイメージしかできない。

しかし、腕は棒にしてでも腰を回して振れば、球に負けない速さで振れるのがイメージできるだろう。

 

物理的にそうなっているのだ。卓球も同じだ。スポーツ全部そうだろう。

運動神経がいい人、センスがいい人は無意識に腰が使えている人、なのかもしれない。

 

 

さて、腰を使うのが絶対というのはわかったが、スイングをすべきかしないかは議論の余地がある。レベルによっては腕のスイングも必要になるからだ。

 

 

初級者、中級者(初心者~県大会レベル) → 腰をメインで使い、腕は振らない

上級者、プロ(全国大会~世界大会) → 腰をメインで使いつつ、腕も振る

 

 

中級者レベルで上手い人というのは、肩から先のスイングがコンパクトに見えて、実は腰を中心とした動きは大きい。腰の回転だけで、回転のかかった速い球を打つには十分だからだ。

しかし、さらに上のレベル、全国大会くらいのレベルになると、それでは足りずに腕の振りも重要になってくる。腰を使う暇もないカウンター時や、単純にドライブの威力が求められるので、腰の安定性+αが求められる。

 

だが、それは上級者の話。

ドライブが入らず空振りを連発するような自分はまず、そのレベルにいないことを自覚しなければならない。

 

3球目ドライブで打ち抜く、ドライブの引き合いをする、というスピードを求められる技術ですら、中級レベル(安定してドライブの引き合いができる~県大会出場くらい)なら腰だけで十分だ。

むしろ、中級者ならスイングすると安定性が落ちるため、腰+スイングよりも腰だけのほうがスピードは落ちるが安定して点に繋がってよかったりするかもしれない。

 

繰り返しになるが、ドライブは、腰だけでも、十分速い。(中級者なら本当に十分)

 

そのくらい、腰の回転というのは物理的なエネルギーと安定感がある。

 

腰で打つことの重要性を考えてみたがなるほど、安定する理由を文字で起こすとこんな感じになるのか。

 

プロのスイングを真似するというのは、実は悪影響なのかもしれない。

プロは「腰の回転+腕の振り(さらに下半身も加わる)」だからだ。そして往々にして腕の振り(スイング)にばかり目を取られてしまう。

 

 

ティモボルから学ぶフォアハンドの仕組み

 

私はティモボル選手の、コンパクトなスイングと安定感、かっこよさ(靴下は長いが)、あと真摯さ、人間性の素晴らしさに憧れて、スイングをマネをしている。

使用しているラケットも、もちろんティモボルACLだ!(アウターカーボンというプロ仕様ラケットのレベルが自分に合っていないことにやっと気づき、今回の大会後に5枚合板へ変更。アコースティック気持ちいいよお)

 

素振りはできるが(素振りでの真似すら実際はできていなかったことに今回気づいた)、実際に打つとまったく違うスイングになる。なぜだろう。

 

ティモボル選手のスイングを知っている人はわかると思うが、フォアハンドは独特で、非常にコンパクトだ。肩甲骨の前後への動きと手首だけで打っているようにすら見える。バックスイングは、ないに等しい。

なのに、球が速い。どんな仕組みだ?

 

このティモボル選手のフォアハンドには、ヒントが満載だ。

 

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上回転に対するフォアハンドのバックスイング

まずわかることとして、バックスイングをしなくても十分に速い球が打てるということ。

ティモボルのフォアハンドドライブは、バックスイング時にラケットが体幹よりも後ろにいかない。腕を後ろに引いて、前に出す、ということをしていない。

そんなこと可能か?と思ったが、なるほどラケットを後ろに引くというのは、腰を回せばそれだけで可能だからだ。

しかも、大きく回す必要はない。

 

このとき、見ての通り、ラケットは体の前~または横にある。

 

そしてスイング

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インパクト時

 

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フォロースルー

 

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流れるようにバックフォアどちらも対応できるニュートラルへ

 

極端に言うと、ラケットは体の前に構えておき、バックに来たらそのままスイング、フォアにきたらその構えのまま腰を回せばいい。

 

ティモボル選手(プロ選手は全員そう)は、腰の回転が速い。ギュンッ、とメリハリをつけて回している。腕も腰も大きく動かしているわけではなく、回転が速いため、スイングがコンパクトに見える。

 

 

これらを真似してフォアハンドを上達させようと考えるとき、私の場合は極端な方がイメージしやすいので、「腰だけで打つ」というのがしっくりくる。

 

腰だけで打とうと意識して打っても実際は肩甲帯も手関節も動いてはいる(もちろんティモボル選手も腰だけで打っているわけではない)が、そこはひとまず無視していい。球に合わせて調整程度に勝手に振れるのはいいことだ。

 

調子いいときは本当に腰の回転だけで打ち、ラケットは体幹と一緒に動いている感覚がある。

 

 

うまくまとまった気がする。

 

フォアハンドを安定させるための重要な要素である「スタンスを広くする」、「膝を曲げる」、というのも、腰を回すための土台として必要であり、結局は「腰の回転」につなげるためのものかもしれない。

 

これは、丹羽選手のフォアハンドを見るとわかりやすい。

彼の場合、スタンスは比較的狭く、膝もあまり曲げない。私が重要だと思っていることをせずに安定して速い球が打てるのはなぜだろう、センスか、と思っていたが、よくみると腰はギュンギュン回っている。

 

やっぱり、腰なのだ。

 

スタンスを広くしただけで調子が戻ってフォアハンドが安定した!と実感する日も多かったが、現象としては「スタンスを広くする→腰が回る→安定」という構造になっている可能性が高いなと、今回書いていて思った。

 

姿勢を低くする、というのも個人的には非常に重要なのだが、これも「スタンスを広くする→視線が落ちる→球の軌道が見えるため空振りしにくい」という構造かもしれない。

しかし膝を曲げて視線を低くするだけでは、うまく打てない。

腰なのだ。腰を回すために、スタンスを広くする。スタンスが広くなることで、腰が回る。しかも視線も低くなり球の軌道が見え、安定するのだ。

スタンス、膝の曲がり、視線の低さ、腰の回転、どれが欠けてもうまくいかないような気がしていたが、おそらく最も重要なのは腰の回転だろう。

姿勢が高くてもいい球が打てる選手も多いのは、このためだ。

 

丹羽選手はスタンスを広くしなくても腰が使えている。そう考えるとしっくりきた。

 

この記事、「卓球 フォアハンド 腰を使う」とかで検索して出てくる記事と比べて、なんてわかりやすいんだろう!

 

Youtubeでもある程度わかりやすく説明してくれてはいるが、自分のこの記事が一番わかりやすい。自分が自分のために書いているので当たり前だが。

「TT-college」というサイトが、卓球の技術的にうまくいくコツ、を書いているサイトの中では割と頭ひとつ抜けて使える。

 

球が安定して入ると死ぬほど楽しい卓球だが、安定して入らないとイライラしかしないのも卓球だ。

 

ドライブ1発で打ち抜く、安定して入れる、どちらも「腰を回す」がキーワードだ。

 

腰を使って、楽しく卓球をしよう。