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【株】銘柄を探す・相場を見る際の心構え【投資本のまとめ】

ピーター・リンチ、ジョン・テンプルトンの言葉を参考に、書籍の言葉と多少の自分の考えを交えてまとめる。

自分で金言と感じた言葉を集めたので、今後振り返るときに役に立つだろう。

 

 

 

・多くの投資家は、株式市場で大量の投げ売りが起きるのを待って割安株を買いたいと言う。しかし日経平均が一日に900円も下がる日が続く相場を見ると、事実はそうはなっていないようだ。

 

・ましてや、その後5日で日経平均が3000円も上昇するのを見ると、「一時的な理由」で相場が急落したときに売るというのは愚かの極みであることがわかる。

 

・合理的な判断というのは、市場に参加する人間はほとんどできていない。だからこそチャンスがある。他人があわてたときに犯す判断ミスを生かさなければならない。そしてなにより、判断ミスを犯す側にいてはならない。

 

・買い場で買う資金がある、なんて状況はそうそうない。なぜなら十分に下げており、持株も大体下げているためだ。買い場で買うには、利益が出ている銘柄から狙いの値下げ銘柄に乗り換えるか、現金比率を高めている必要がある。または現金をそこで口座に追加する必要がある。これは実行するのがかなり難しい。

 

・信用買いをしていると、追証というものに迫られる。その結果、売るか、現金を口座に追加するかを迫られる。強烈な下げが続くと現金を追加するにもキリがなく、いつまで下げるんだもう無理だ、と思って売らざるを得なくなった途端に相場は元気を取り戻し、ただただ最大の損失を計上して終わる羽目になる。(信用売買には期限があるのも最高にマイナスポイント)

 

・信用を使うなら、短期勝負。現物と異なり、明確な損切りラインを決めないといけない。追証と期限があるため、時間が武器ではなく弱点になってしまう。

 

・そんな相場の大変動は、あくまで「株価」が変動しているだけであって「企業価値」が変動しているわけではない。そのギャップを狙う。相場に釣られて下げたら狙い目というのはこの「株価と企業価値」にギャップが生じるためである。

 

・ほとんどの買い手や売り手は、企業とは関係のない要因に基づいて売買をしている。「売られているから売る」は最高のチャンスであり、逆に値上がりが値上がりの原因となっている場合はその先には天井からの暴落しかない。

 

・「天井を狙う」というのは「次の愚か者探しの原則」となり、投資ではなく投機ゲームとなる。勝ち目はない。精神的にもかなり疲弊する。「早めの売却」は、この投機ゲームを避けることができる有効な手段である。

 

・「割安の株で利益をある程度得られたから早めに売る」は、上記の理由で損ではない。天井は当てられないし、当てにいってはいけない。早めに売って、「次の割安株を買う」という行動をとるのが良い。

 

・割安株が吹くには時間がかかる。数年待つつもりの忍耐が必要。価値よりも安い値段で買ったからそこからは下がらずにすぐに値上がりする、わけではないので、とにかく忍耐。下がることも普通にある。

 

・割安で買うのは大事だが、株価が下落したという理由だけで買いに走るのは賢明ではない。それは軽率であり、損する可能性が高い。

 

・私たちは手を切ると反射的に出血を止めようとする。それと同じで、人は損が出始めると本能的にそれを売って「出血を止めようとする」。しかし株式投資ではその反射行動は大抵の場合、誤っている。

 

・重要なのは、その出血が一時的で修復可能なものかどうかということだ。紙で指を切って病院に駆け込むのか、銃弾で撃ち抜かれたのに放置して死に至るのか、事態の深刻さは見極めなければならない。

 

・市場の歴史を知っていることは、投資に大いにプラスになる。人間の心理的反応は規則的で、予測可能だからだ。これはこれまでずっとそうだったし、今後もそれは変わらない。

 

・基本的なことだが、株を買う前にその企業について、事業内容や売上の促進要因、利益維持にあたって直面する下方圧力の種類、過去の業績推移、競争状況などについて完璧に理解しておくことは欠かせない。これらの情報を得ることで、しっかりした意思決定を下すための、最上の心理的基礎が築かれる。

 

・バリュー投資では、見通しが明るくない状況で買うことが多い。下落途中で買うため、成功の代価は前払いであり、不屈の精神が必要だ。だからこそ、信用取引をすると期限に資金と精神を殺される。

 

・戦争が起きると景気の後退を危惧して株価は一時的に大きく下落する。ここで大事なことは、将来起きる公算の高い事態に集中することだ。業績が落ちると考えられる企業は大きく落ちるが、その後復活すると考えられるならば、その下げは買い場となる。(ウクライナ危機ではコロナのダメージも含め、航空業がそのうちのひとつにあたるか)

 

・上記の理由で航空業に目をつけた場合、その中で企業を「比較」し、上振れ余地が大きい企業や、業績改善が大きい企業を買うのが良い。同業種のPER、PBRの比較も。

 

地政学的な変動から「特需」がある場合、その特需がなくなれば高い業績改善がなくなってしまう公算が大きいならば、それなりに値上がりした時点で売るのが賢明である。

 

・基本的には、利益を上げるために市場が上昇する必要があるかと言われれば、それはNOである。最も割安な銘柄を買うという戦略を実行するならば、市場のパフォーマンスを追いかける必要はない。

 

・ただし、その銘柄がたまたま総合指数の採用銘柄と一致した場合、話が別だ。企業価値が下がっているわけではない中での市場の下げはチャンスであり、PERが長期平均の半分以下になるようなことがあれば、たっぷり買い付けるのが良い。

 

・テンプルトンの平均保有期間は4年。

 

・割安株を探していると、弱気相場でも好調な銘柄があったり、強気相場の中でも低調な銘柄があったり、そのような銘柄をたくさん見つけることができる。

 

・割安株を持っていると、持株の成績が日経平均やダウ平均などの総合指数の動きからかけ離れることがある。平均株価が下げた時に持株が上がっていればそれは素晴らしいが、反面、持株の成績が市場平均に及ばないこともあり、心理的な消化不良を感じることも多々ある。これは、成功するためにはどうしても乗り越える必要がある。

 

・だからこそ、買う企業の分析は絶対的に必要だ。意思決定が断固たるものでないと、相場の振るい落としのような動きに気持ちは容易に揺らいで、上がる前に手放してしまうだろう。

 

・人よりも少し余分に努力する気になれば、正しい答えが得られる場合が少なくない。その銘柄を買うにあたり、どの程度調べたのか?年次報告書は読んだか?競争企業とのシェア率の違いは?強みは?間違いなく人よりも調べている、と言えるくらい時間と労力をかけない限り、株式市場では愚かな群衆の一人となってしまうだろう。

 

・単純すぎるかもしれないが、PERは重要だ。例えば5倍以下の銘柄を探すとすると、そんな価格は価値が危機に瀕した極端な状況しか現れない。だが、そんな「極端」なミスプライシングこそ、求めるものだ。四季報で探せ。

 

・その企業がその先復活できるのかを考えるとき、企業の中心的な問題へと自分の思考や疑問や検討を集中させるという視点が必然的に身に付く。たとえばその企業にはどのような競争的優位性があるのかを考えるようになるし、生産コストが他企業よりも低いかどうかを問うようになる。優れたブランドによって販売価格を高く設定できるかを問題にするようになる。それらの問いの結論として、その企業が将来にわたって利益率を維持、改善できるという予想ができれば、それは「安全域」と言える。(さまざまな視点から『洋服の青山』は復活できるのか考えてみよう)

 

・何度も言うが、株価が割安になった理由が一時的なものであれば、それは積極的に買いに向かう理由となる。

 

・繰り返しになるが、売りのタイミングとしては、天井よりもずっと前に回収する、という手段で良い。天井を当てに行くのは「次の愚か者探しの原則」となり、その方法で成功する見込みは高くない。

 

・高い収益力、というのは魅力が大きい。このような企業が一時的に企業価値を下げることなく株価を大きく下げたならば、成長見通しに比べて価格が割安となったならば、大いに魅力的である。

 

・一方、すでにその成長力を見込まれて大きく株価が上昇していたなら、それは見送るのが賢明だ。

 

・売り時の判断として最も使える手法の一つが、「比較購入」だ。「保有銘柄よりもずっと良い銘柄を見つけたら乗り換えろ」という手法であり、これは企業を単独で考察するときよりも意思決定がずっと容易になるため、非常に生産的なやり方である。

 

・株価が本質的価値の推定値に近づいてきたら、入れ替えの候補銘柄を探すべき時期だ。

 

・日常的に銘柄探索を行なっていると、株価が企業に関する自分の評価よりもずっと低い銘柄に出会うことがある。そんなときは、保有銘柄との入れ替えを実行するとよい。

 

・この方法、つまり現時点の保有銘柄よりも有望な割安銘柄を継続的に探す、ならば保有株の株価を押し上げる熱狂に巻き込まれないようにする手順と心構えを備えることができる。

 

・買いに向かうべき「悲観の極み」を見つけるには、「100人のうち、99人が降参するまで待てばいい」。その時点に至れば、残った買い手はあなただけであり、売り手がいなくなっているので市場はあとは上昇するしかない。その判断は容易ではないが、経済誌やニュースで経済的な絶望や悲観が大きく流れている時、市場は悲観の極みにいると判断しやすい。

 

・PBRが1倍以下、というのは、その企業に対する市場の期待の低さが株価に反映されていると心得ておくこと。

 

・ただし、インフレ率が高いと(二桁台など)PBRを見ただけではそれほど割安かは判断できない。

 

・大暴落やその後の不況でもジッと持ち続けたなら、得をできる。難しいが。(信用買いはするな。資金が足りない時、欲しすぎる銘柄を見つけたら、小遣いから出せ!)

 

・品切れは収益暴騰のサイン

 

・知っているものに投資すべき。医者が航空機の銘柄を買うようなもの。精通している、薬や医療機器会社に投資すべきだ。

 

・年次報告書をとにかく読め、読んでいろいろ考えろ。

 

・その製品が良くて会社に投資しようと考えているなら、その製品の成功が会社の収益にどの程度寄与するかを調べる。

 

・急成長こそが株価を押し上げる要因だ。

 

・6つの分類、低成長株、優良株、急成長株、市況関連株、業績回復株、資産株、どれに当てはまるか。

 

・急成長株は遅かれ早かれ成長率が鈍化して低成長株となる。

 

・2-4%程度しか成長しない株はピーターすら買わない。株価の成長も期待できないから。

 

・優良株(成長率10%前後)が1-2年で50%も上がったら最高だ。売り時。優良株はかなりの利益が期待できる。

 

・不況でも強い銘柄か?生活必需品、値上がりで売り上げが落ちない、安く代替できるなど

 

・いつ成長が止まるかを見極めろ。

 

・優良株か、市況関連株か、混同しがち。市況関連株はタイミングがすべてで、いつ落ち込むか、たて直るのかは知らなければならない。そこで働いていれば最高に有利である。

 

・何倍になったら売れ、一割下がったら損切り、というような格言は馬鹿げている。一般公式などあり得ない。

 

・若い急成長株で1000パーセント上がるものを50パーセントで利食ってしまいかねないし、ファンダは変わらないのに株価が倍になったものに大きな期待を持ってしがみつくのは馬鹿げている。

 

・第一歩として、株がどのカテゴリーに属するか調べるべきだ。少なくともどういうストーリーになるかがわかる。次にそのストーリーの結末を知るべく、細部を詰めていくのである。

 

○投資対象の選別にもっとも重要な13項目(ピーター・リンチ)

・面白みのない、まやは馬鹿げている社名

  コルク・アンド・シール、など。日本だとモノタロウなどはシンプルでよい

・変わり映えしない業務内容

・しょうもない業種

  油で汚れた部品の洗浄、プラスチックストローの製造など

・親会社から分離独立した会社

  大企業は、独立させた部門が失敗することで評判に傷がつくことを恐れる

  だから分離独立する会社は通常、良好な財務内容で、十分な備えがある

機関投資家保有せず、アナリストがフォローしない会社

  一度は人気があったがその後見限られてしまったような会社もよい

・悪い噂の出ている会社

  カジノ、マフィア関連、など

・気の滅入る会社

  便利な葬儀屋

・無成長産業であること

  プラスチックのストローを作る、ドラム缶を回収する、油汚れを洗浄するなど。

  競争の心配がないというのが強み。シェアを独占できる。

  急成長株はすぐに安く真似をする連中が出てきて、競争が激しくなる。

・ニッチ産業であること

  その価値は独占性にある。独占的な商売の価値はどれほど大きいかわからない。

  独占的であることを探せ。新聞、ケーブルテレビ。

  医薬品、化学製品(殺虫剤など)などは認可が降りれば他社はほぼ真似できない。

  できても数年かかる。

  ユーグレナミドリムシで燃料を作る。脱ロシア、脱炭素)

・買い続けなければならない商品

  医薬品、ソフトドリンク、髭剃り、タバコ、酒

・テクノロジーを”使う”側であること

  値札の自動読み取り機を作る会社ではなく、その装置を導入してコストを下げるスーパーマーケットなどが良い

・インサイダーたちが買う株

  その会社の職員が自社株を買っているのは、会社がうまくいっているなによりの証拠だ。

・自社株買い戻し

  EDINET : https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/E01EW/BLMainController.jsp?uji.bean=ee.bean.W1E63030.EEW1E63030Bean&uji.verb=W1E63030InitDisplay&TID=W1E63030&PID=W0EZ0001&SESSIONKEY=&lgKbn=2&dflg=0&iflg=0 で見れる

 

○逆に避けたい株(ピーターリンチ)

・超人気産業の超人気会社

  人気化すると急騰するが、急落する。

  すぐに売るだけ利口でないならやめておくべきだ

 (ただしテスラ、アマゾン、アップル、例外が結構ある。難しいところだが、触れなければプラスもマイナスもないので他を探すのが利口だ。それで勝てれば苦労はない)

・競合相手が増えてくる時期の急成長産業

  その産業が年に50%成長し、それが長く続いたとしても、35社がひしめき合っていたのでは、利益は生じない。

  その一方、無成長産業には競争相手が大挙参入することはない。

・多悪化する会社(買収が下手)

・名前がかっこいい会社 

  ゼロックスが、例えばドライ・コピー社だったらよかったかもしれない

 

○収益、収益、収益

・長期的な株価は、収益にかかっている。とにかく収益、収益、最後に収益なのだ

 

・株価が高すぎるかどうかを判断する手っ取り早い方法は、株価のラインと収益のラインを比べてみることである。株価ラインが収益ラインを下回っているときに買い、株価が収益よりもずっと高くなったときに売れば、うまくいくはずである。この手の方法を推奨するつもりはないが、他にこれよりよい方法があるだろうか?

 

・収益を語るにはPERについて語る必要がある。PERは低いことが望ましいが、急成長株はPERが高く、低成長株は低い。

 

・自分の持株のPERが、平均と比べて高いか、低いか、ようは今が割安かどうかを調べよう。過去数年のPERを調べることで、株価水準もつかめる。例えばコカコーラを買う場合、自分の買値が過去において支払われた価格と比べて高いか低いかを知ることができる。

 

・異常に高いPERは、基本的には避けるべきだ。PERが高いというのはそれを正当化するだけの高い収益成長力を持っているはずである。過去のマクドナルドはPERが50倍だったが、そんな過大な期待に応えられるわけはなく、株価は66%下落し、PERは現実的な13倍に戻った。マクドナルドの業績が悪かったわけではない。PERが50倍だった時の株価が高すぎたのである。

 

・織り込み済みの会社は要注意だ。業績が伸びても、伸びても、株価が上がらない、それどころか高決算でも下がる。なぜなら、最高に割高だからだ。

 

 PERが50倍、ましては100倍の会社は、右肩上がりの時は強いが、一度大きく下げると底知らずに下げることがある。空売りするならこういう場面だ。(エムスリーなどは実際死ぬほど下げた)

 

・株式市場全体のPERにも注目するとメリットがある。基本的には無視してよいが、市場全体のPERが8倍から16倍にゆっくり上昇していたとき、それは過熱感と言ってよい。

 

・投資家は金利が低く債権の魅力が薄いときは株式へ投資しようとするので、金利PERに影響を与える。金利が上がり、PERが下がった時はチャンスである。

 

○ストーリーを自問自答せよ

・株を買う前に、その会社の魅力、成長性、弱点について考えて、それを子供に理解してもらえるまでに理解ができていれば、その株に対する投資準備が万全と言えるだろう

 

・例えば、投資対象が低成長株なら、配当に留意したものになるだろう。「この会社は過去10年収益を伸ばしており、配当利回りも良く、不景気にかかわらず増配を続けてきた。また、電話事業をおこなっており、新しい携帯電話事業は成長性を大きく向上させるきっかけになるかもしれない」

 

・市況関連株なら、景気、在庫、市況を考慮する。「自動車産業は三年の不況を経てきたが、今年は状況が変わった。自動車販売が全面的に回復したことからも明らかである。新型車は売れ行きがよく、効率の悪い向上を5ヶ所閉鎖し、労働コストを20%削減し、収益は急上昇寸前である」

 

・資産株なら「その会社の株価は8ドルだが、ビデオカセット部門だけでも4ドルの価値があり、不動産の価値が7ドルあるので、時価8ドルの投資はその会社の残りの部分をマイナス3ドルで買うことになる。会社は安定している」

 

・業績回復株なら、変革に熱心であるか、その計画は十分に機能しているか「その会社は株価底付きの状態から立ち直りつつある。11あった事業を2つに絞り、採算の悪い会社を売却し、その資金を有望な事業に投入し、最も得意な包装食品の分野に特化した。加えて、自社株を買い戻している。マーケットシェアを7%から25%へ改善し、新製品を導入し、収益は急速に上昇している」

 

・優良株なら、PERが最も重要であり、すでに株価が上昇炭なのか、成長性増大の可能性があるのかなど「コカコーラの株価はこの2年間PERの下限のあたりにある。同社はいろいろな改善策を講じており、持株の映画株を手放し、ダイエット飲料の消費は前年日35%伸び、海外での売り上げは驚異的な好調ぶりである。コカコーラは人々が考えている以上に業績が改善するだろう

 

・急成長株なら、どの分野でどの程度まで今のスピードで成長し続けられるか「ラキンタはテキサスではじまったモーテルチェーンで、その他の地域でも成功を収めている。昨年は20%増のモーテルをつくり、収益は毎四半期増大している。将来かなり早い成長を見込んでおり、負債もさほど大きくない。モーテル業界は定成長産業であり、競争も激しいが、同社は特別な低価格で部屋を提供している。コストがかかる割に利益に貢献しないスペースを削ったのだ。キッチン、レストランを削り、その代わりにモーテルの隣に24時間営業のレストランを招致し、食事に関しては他人に任せるようにしたのだ。同社は年間50%という目覚ましい成長をしているにもかかわらず、株価はPER 10倍という低さでたいへん割安圏内に放置されている。そして、機関投資家保有比率が20%以下であり、良い」

 

・このようにストーリーを、詳しく知れば知るほどよい。私はこのストーリーの組み立てに数時間を費やす。

 

○年次報告書の読み方

・数分で読める

連結貸借対照表をみる

・資産と負債、流動性資産、現金、前年比較、負債の前年比較

・手元流動性から長期負債を引くと、ネットキャッシュ使用可能なキャッシュ、になる

・発行株数を比較、減っていれば自社株買い戻しで好材料

・ネットキャッシュをこの発行株式数で割ると、1株あたりのネットキャッシュがわかる。重要。

 

○知って役に立つ数字

・売上に対するその有力な商品の比率

・PER、成長率との比較 PERが成長率の2倍なら非常に危ない

・キャッシュポジション 1株あたりのネットキャッシュを、株価から引いた数値で、買うことになる。そこでPERを計算し直してみると…

・そのキャッシュで何をしようとしているのか、増配、自社株買い、買収など

・負債項目。平均は75%の資本と25%の負債。短期借入金(銀行から調達、最悪)、市場から調達した負債(よい負債)

・配当。配当がなければ下げ相場で無限に下げかねないが、それを支える効果がある。暴落に強い。

・ふくみ資産。土地やブランド、フランチャイズ権、特許など。

のれん代は今後償却されていく。のれん代を利益から償却するので、帳簿上の数字よりも事業はうまく行っていることになる。

キャッシュフロー。もし株価が2000円でフリーキャッシュフローが1000円もあるなら、家を担保に入れても買うべきだ。標準は10対1。設備投資にキャッシュをコンスタントに使うのはあまりよろしくない。フローキャッシュの多さが重要だ。 

・顧客を失うことなく毎年のように値上げができるビジネス(依存性があると強い)は、最高の投資物件である。AmazonAppleはこれに当たる。FacebookGoogleもそれにあたる!広告との連携。

・成長率10%でPER10倍と成長率20%でPER20倍なら、後者が良い。1株あたりの利益が、10年後には2倍になっている。

・長期に保有するなら利益率の高い会社を、業績回復株を狙うなら低い利益率の会社を。利益率が低い会社が回復すると、その業種内では変化率が最も高くなるから。

 

○ストーリーを再チェックする

・数ヶ月ごとに、会社に関するストーリーを再点検するとよい。四半期報告書を読むことで、利益が予想通りに保たれているかといった収益状況を調べる。

 

・成長過程には3段階ある。本業の発展をやり遂げる始動段階、新規事業へ進展していく急上昇段階、もうこれ以上の成長が難しい飽和状態の成熟段階。持株がどの段階かはチェックしておくこと。新製品の売り込み→第二段階、もう売る新規店がなくなる→第三段階。第三段階が近づきつつあるとき、新しい計画は何なのか、もう成長が止まるのかは確認しないといけない。

 

・シェア率が高すぎる会社も、市場を海外などに広げない限りそれ以上成長を続けられる可能性が低い。いずれ業績は落ち込むだろう。ビールなど。

 

マクドナルドは全国全世界に普及したあとは安定期に入ったが、株価は低迷した。しかし企画力、ドライブスルーによって爆発的に収益を伸ばした(売り上げの1/3を占めた)朝マックはその時間帯の売り上げをまるまま収益にプラスさせた。店舗拡大のペースが落ちるにつれて、新たな企画で成長を維持した。

 

・ケーブルテレビもそう。ディズニーチャンネルなどの有料サービス、手数料、そして莫大な利益となる有料広告など。収益は増大の一途をたどり、ストーリーは健全だ。

 

・とある会社の経営が、需給ではなく会社の問題で悪くなったら、その競争相手が得をする。競争相手の株を買うといい。

 

・これの調査を全て行うとして、1社につき2-3時間を費やすだけである。

 

○まとめ

・PERは当の会社としては高いか低いか。また、同業他社との比較においてはどうか

機関投資家の持ち株比率はどうか。低いほどよい

・インサイダー(内部者)が買っているか、あるいは自社株買があるか。どちらも良い傾向

・過去最高益はどのくらいか。利益の上昇は偶発的か、あるいは安定的か(利益が重要でなくなる唯一のケースは資産株である)

貸借対照表は、負債資本比率から見て健全かどうか

キャッシュフローはどうか。1株あたりの流動資産(総?フリー?キャッシュ/発行株式数)1000円なら、それを底値として株価はそれ以上には下がらない。

 

低成長株

・配当についてどうか

・収益の何%が配当に支払われているか。数値が高いと景気悪化時などにリスクがある

 

優良株

・PERはどうか

多角化ならぬ多悪化の可能性はないか

・長期的な成長率と同じ業状最近保っているか

・過去の不況や低迷をどう乗り切ったか

 

市況関連株

・在庫および需給関係について詳しくみる

・市場への新規参入会社がある場合は不利な状況となるので注意

・景気回復してもPERは下がりうる

・利益がピークに差し掛かっている場合、景気循環の最終期にさしかかっていると考える

・身近な市況商品について詳しく知っているなら、有利である。自動車は3-4年で下降と上昇を繰り返す。不景気で購入を先延ばししていた古い車の買い替えも一気に行われる。

・堅調な時期の長さは注意みておくこと。5年も続けば下降は近い

・狙いは、最悪の状況だ。その後は長く堅調な上昇となるからだ

 

急成長株

・利益をもたらす商品が、その会社にとって主要商品であるかどうか

・最近の収益成長率はどうか(20-25%が望ましい。50%はその後怖い)

・その成功した事業をさらに違う地域で拡大展開したとしたら、その戦略は有効かどうか

・まだ市場拡大の余地はあるか

・拡大のスピード(拡大率)が上がっているか、下降しているか。売り上げ低迷は致命的となる。

・PERは高すぎていないか

機関投資家保有比率は低いか

 

業績回復株

・現金がどれくらいあり、負債額はどうか。キャッシュ(流動資産)があれば良い。

・負債構成はどうなっていて、問題が起こった際に倒産せず赤字のままどのくらい持ちこたえられるか

・どのような方法で業績を回復させようとしているか

・特に不採算部門を整理することは収益に大きな変化をもたらす

・そのビジネスが活気を取り戻しつつあるか(ブーム再来など)

・経費削減を図っているか、程度はどうか

 

資産株

・資産の価値はどれくらいか。含み資産はあるか

・資産から引かれる負債はどの程度あるか

・会社が新しく負債を抱え込んで資産価値を小さくしていないか

 

ポートフォリオを作る

・”ほどほど”の利益を得ながらいくつかの優良株を上手に出し入れする

・25%、30%取れる株などは5回転させれば3ー4倍株に近い成果となる。

・業績が伸び続けており、ビジネスも拡大し続けていて、障害になるものがない限り、その株は保有し続ける

・2つの優良株を持っているなら、一方が50%も上昇したなら株価が下がり気味または変わらないがストーリーは良好な方へ投資を増やす

・ひとつしか有望株がないから、そこに一点がけし、痛い目を見る。2バガーになったらいくら資産が増えるか、などは想像すると強気にしかならないためやらない方がいい。

・基本的には業績回復株でもファンダメンタルが悪くなりそうなところは手放したい

・よい株をナンピンせずその下がった値で売るのは悲劇だ

・相場の下げは、将来有望だがパフォーマンスの悪いものを買い増しする絶好のチャンスである

・「株価が25%下がったら押し目買いする」とうい決心ができずに「25%下げたら売ってしまおう」という致命的に誤った考えを捨てることができないようなら、株で利益を得るなど不可能だろう

ロスカットは私は嫌っている。10%押したところで設定すれば、確かにそれ以上の損失は抑えられるが、しょっちゅうカットされてしまうことだろう。損を防ぐというよりは、損確定を保証する要素が強いように感じられる。

・また、上限を決めることも良くない。ストーリーがまだ納得のいくものでありさらなる拡大の予想が立つならば、ストップ高でも保有することはある。何年か後には、驚くほどの成果を手に入れていることだろう。

 

○売買のベストタイミング

・年末の、税金対策のための売りが出る時期。10〜12月にかけてみられるキツい下げは偶然ではない。(米国の話)

機関投資家は期末には来るべき評価に備えて損失を一掃しようとする。特に低位株では顕著だ。6ドル以下は信用取引の担保にならないからである。こうして売りが売りを呼び、いかによい株でもとんでもない水準まで下げてしまう。

・もし株価が下げたら保有したいという銘柄があるなら、年末は買いの絶好の時期だろう

・数年に一度の暴落などは、相場のくしゃみにようなものだ。あなたの胃が売りと言ったとしても、勇気と理性で買い思い直すことができれば、絶好のチャンスとなるだろう。

・上げを全て失うような、数ヶ月にわたる下げがあったとき、実社会では好調で収益もよい会社は決して痛手を受けておらず、それらの会社は素早く反発する。

・1600円まで下がった銘柄の1株あたりのキャッシュが1500円もあるならば、それのいったいどこにリスクがあるというのか。

・株価が上がってなおそれを持ち続けるのは、得てして下がった株を信じ続けるよりも難しいことだ。

・業界で収益が10番目の会社が、2番目の会社よりもよいストーリーであるならば、2番の会社を売るし、とくにその2番のかいのストーリーが現実的でなさそうに見えてきたら、完全に売りである

・なぜその株を買ったのかを知っていれば、いつ手放したら良いかも自動的にわかるだろう。

 

低成長株を売るとき

・成長していないので、目立った売りサインをみつけるのは難しい。30%も値上がりすれば売るか、株価が安くなってもファンダメンタルズが悪化すれば売るのがよい

・マーケットシェア率を下げている

・新製品の開発がなく、研究開発費を切り詰めて過去の栄光にしがみついてる

配当利回りすらない

 

優良株を売るとき

・このカテゴリーではよく株から株へ乗り換える。株価が利益ラインを超えたり、PERが通常範囲を超えて上がったらそれを売り、また株価が下がったときに買い戻すか、他の株に乗り換える

・最近の商品の評価がいまいちである

・同業他社PERが12倍なのにその会社のPERが15倍になった

・前年、役員が自社株を買っていない

・利益の25%を占める主力部門が経済指標によって影響を受ける会社(住宅着工件数、石油採掘量など)

 

市況関連株を売るとき

・最良のタイミングはそのサイクルの終了時であるが、そんなものは予想できない

・明らかなサインは、在庫が積み増しされていて会社がそれを捌けないとき。これは値下げと収益圧迫を意味する

・石油や鉄鋼などの市況は、収益悪化が現れる数ヶ月前には悪化しているものだ

・あなたが市況関連株の買い時がわかる内部事情者などの立場であったなら、とても有利だ

・競争の激化は悪いサインである。新規参入者は価格を切り詰めても顧客を得なければならないし、他社にとっても値下げの圧力となり、全企業の収益は悪化する

・旧工場を低コストで近代化するのではなく、設備投資予算を倍増して新工場を建てようとしている

・コスト削減の努力はしているが、外国製品との価格競争に太刀打ちできない

 

急成長株の売りどき

・10倍株の候補を失わないようにすることが肝心

・重要なのは、急成長の第二段階を見極めることである。

・サイクルの終わりにPERが低くなる市況関連株と違い、成長企業の場合はPERは大抵高くなる。50倍や100倍と、行き過ぎで非論理的な次元になってしまう。

・四半期業績で売り上げが3パーセント落ちた

・新店舗の売り上げがいまいちだった

・今後2年間、楽観的な予測でもPERが15-20倍のところ、30倍まで買われている

 

業績回復株の売りどき

・業績が転換期を超えた時点で売るのが一番良い。困難な問題は過去のものとなり、以前のような成長会社に戻り、心配がいらなくなったら、もう業績回復株ではないので、改めて新しい分類が必要になるだろう

・借入金が突然増える

・在庫増加率が売り上げ伸び率の2倍に達した

・収益予想に対してPERが高すぎる

 

資産株のうりどき

・乗っ取り屋を待つ、ということに尽きる

・資産株の価値が実現するには、時間がかかる

多角化のために増資を発表した

機関投資家の比率が急上昇した

 

 

○最後に、気をつけたいこと

・株価が底値に来たら、それとわかる、ということはない。落ちるナイフを掴むな。ナイフが地面に突き刺さり、しばらく「揺れ動いた」後、しっかり止まってから掴むのが正しいやり方である。

・業績回復株なら、株価がずいぶん下がったからだけでなく、もっと確かな理由づけが必要かである。業績が上向いているとか、市場を拡大してきたとか、シェア率を上げてきたとか、キャッシュだけで1000円の価値があるのに株価は1400円しかないとか。それでも底値で買えるとは思ってはいけない。上昇基調に乗る前には必ず揺れ動くものだからだ。それが落ち着くまでに通常2-3年かかるが、もっとかかることもある。

・逆に、それ以上上がることはない、ということもない。ストーリーが正しければ収益は改善し続けるし、ファンダメンタル好きに変化がないから「これ以上上がらない」というのは知ったかぶりの恐ろしい言い訳である。これでは10倍株などをみすみす捨ててしまうことになる。

空売りのプロは、天井ではなくむしろ底値近くで売ることの方が多い。500円や800円とかの値段で、一体誰に売っているのか、考えてみてほしい。「これ以上下がることはない、失ってもたかが知れている」などと呟く不幸な投資家たちにである。

・1000円以下に下げてしまって、1000円に戻ったら売る、という売り方をすると、1000円に戻ることはないことに5-10年かかる。このような時、その株は買い増しするほど良いと思うか?と自問自答し、答えがノーだったら損を確定するとしてもただちに売り払った方がいい。

・何かが起こるにはもう時間がたちすぎている、ということは誤りである。9年間動かなかった株価が、次の1年で4倍になることもある。ストーリーをチェックし続け、魅力がある点が変わらないのであれば、それは遅かれ早かれ報われる可能性はとても高い。利益が上伸しているのに株価は冴えない、のやはりチャンスなのだ。そこで買って、保有しておく忍耐力が大事で、上がるまで4-8年かかることも多い。

・持ってなかったために儲け損なった金額を計算して、悩む人がいる。同様のことは家電や家についても見られる。そういった考え方はノイローゼ患者を生むだけだ。日経平均が800円も上昇したとする。そして「10万円儲け損なった」とつぶやく。その儲け損なったのを取り戻そうと買うべきでない株を買ってしまうことがあるが、それこそ悲劇である。

・「次の◯◯株」は滅多に見つからない。多くの場合、割安の「次の◯◯」に飛びつくよりは、他のジャンルをあたったほうがよいのである。

・株価が上がったらからよい投資だった、下がったから間違っていた、という考え方は間違っていると断言できる。買った株が上がるとその買いが正しいと証明されたかのようにほっとすることが多い。事実は違う。高い株価は投資価値のあることを示しているのだと思い込むと、株価が下がって投資価値がないとわかるまでそれを保有し続けてしまう。特に短期で騒ぎまくるのはナンセンスの極みだ。

・良い銘柄を保有する限り、どんな市場にも対処することができる。暴落時の損失は、損切りした人にとってのみ損失であり、それは長期投資家とは言えない。

・小口投資家は、多勢の連中と争う必要はない。売りが殺到したあとにゆっくり買いに行き、買いが混み合っている時に売って出ていけばいいのである。

・20-30%は株価が上がるだろうという安定株を複数見つけられれば、かなり儲かる

・大きな結果を得るには1年はかかる。数ヶ月ではない。