PER:Price Earnings Ratio
「株価収益率」のことで、株価と企業の“純利益”との関係を表している
◯計算方法
①PER=時価総額÷純利益
②PER=株価÷1株当たり純利益
◯純利益とは
企業が一決算期で稼いだ最終的な利益。損益計算書(PL)に記載。
◯割安の指標
PERの目安は15倍。
PERは株価に対してどれくらい利益が出せるのかという指標。
言い換えると、企業を買収(M&A)したときに、その企業の収益で買収額の元を取るためには何年かかるのか、という現時点での見込みだと捉えることもできる。
たとえばPERが15倍の企業であれば、買収額は15年で回収できるという予想が立てられる。
また、PERが高いというのは、その企業の将来性が期待されて投資が集まっていると考えることもできるため、安易に割高だからと投資対象から外すのはもったいない。
M&Aで見ると、高PERの銘柄は近い将来に増収、増益を見込むことができ、結果的に買収額をペイする期間が短くなる可能性も高いため。
また、EPSを使った考え方も大事。
EPSとは、「1株当たり純利益」で、会社の最終利益である純利益を、発行済み株式数で割ったもの。
たとえば、純利益が1000万円、発行済み株式数が10万株の場合、EPSは、1000万円÷10万株=100円となる。この会社の利益は1株当たりだと100円、ということ。
この会社の株価が現在、2000円だとする。EPSが100円だから、その20倍の値段がついている、ということになる。
この「20倍」がすなわちPERで、PERとは「今の株価が“1株当たりの純利益”の何倍なのか」(株価収益率)を示したものとなる(EPS×PER=株価)。
◯PERの使い方
業種によってその水準は大きく変わってくる。たとえば、IT関連企業はPERが高い傾向にある一方で、鉄鋼や石油関連の企業のPERは低めであることが多い。
そのため、PERに着目するときは、同業種のほかの企業の数値と比較するのが良い。
PBR:Price Book-value Ratio
「株価純資産倍率」のことであり、株価と企業の“純資産”との関係を表している
◯計算方法
①PBR=時価総額÷純資産
②PBR=株価÷1株当たり純資産
例えばA社の純資産が500万円で、株式発行数が5000株だとすると、純資産(BPS)は1,000円。A社の株価が5,000円で1株あたりの純資産(BPS)が1,000円だとすると…
5,000÷1,000=5 となり、
PBRは5倍、となる
◯純資産とは
企業の総資本から負債を引いた額。貸借対照表(BS)に記載
◯割安の指標
一般的に、PBRは1倍が底。
株価がその資産価値よりも低いまま放置されることは考えにくく、PBRが1倍を下回ったままの状況が続くのは異常(コロナ禍でPBR 1以下の銘柄が量産されている)
株価が割安とは言っても、PBRが1倍を割っている企業への投資は注意しなければならないが、M&Aという観点から見たとき、PBRが1倍を下回っている企業はお買い得。
つまり
PER → 純利益:一年間の企業活動の結果として今期に生み出された利益
PBR → 純資産:企業活動の結果として現在企業が保有している独自の資産
※純利益は、毎年の業績によって左右され、変化しやすい傾向がある
※つまりPERはその年の業績次第であっという間に変動し得る
参考