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【凄くて安いのに誰も知らない】フロンティアインターナショナル(7050)【株】

決算書の読み解き方を勉強中。

気になっているこの銘柄で実践してみたが、多々わからないところがあり、認識違いで一気に解釈が変わりそうな部分があるが、その知識の整理も含めて、やってみた。

資料については、有価証券報告書および決算説明会資料から主に引用している。

 

フロンティアインターナショナル(7050)

総合プロモーション事業大手。各種イベント・キャンペーンや販売支援を手掛ける。サービス業。

 

○今期の業績について

 

超絶な伸び。

 

理由は、前期の2021年がコロナで伸び悩んだことによる、そこからのV字(J字)回復。

回復というより、急成長している。

なにが起きたのか?

 

 

店頭プロモーション、イベントプロモーション事業の伸びが大きい。

①配信を伴うリアルーオンラインのハイブリッド案件の増加

②国際的スポーツ案件の増加

BPO案件の増加

が、伸びの原因であるとしている。

 

特に、この①、配信を伴うリアルーオンラインのハイブリッド案件の増加が大きい。

コロナで大きく変わったこととして、リアルとオンラインを同時に行う、いわゆる配信付きイベント(ライブなど)が大きく増加した。

この配信付きライブは、消費者としての私の体感としても非常に数は増えていて、利用することも多かった。おそらく受注案件もかなり伸びているのだろうと推察。しかも単価が高い。

そしてこれは、コロナが終息しきらない現状、数は減らずにイベント体験手段として定着し、コロナが終息しても残ると思われる。

なぜなら、移動する必要がなく、家で手軽に、誰でも見れる、仕事の都合が合わず見逃してもアーカイブ配信がある、という行動経済学的にも非常に強い利点があるからだ。現地での体験の方が当然良さはまさるが、この圧倒的な参加ハードルの低さが、配信イベントへの参加率を上げている要因の一つだろう。

コロナが落ち着いてもしばらくは安定供給と予想。

 

国際的スポーツ案件に関しては、その年の受注数によって売上が大きく上下するだろう。実績が積まれており、今後も期待できると思っている。

次の国際的な大イベントは2025年の大阪万博になるか。

 

下記は、過去の国際イベント。

(非公式資料 ぴあ子会社ネクストより)

2021年はそんなに大イベントはなかったにもかかわらず業績が伸びているのは素晴らしい。やはりハイブリット配信イベントがでかいと思われる。

 

 

○今後、業績は伸びるのか?

今期の伸びが大きすぎるが故に、次期の成長率が下がる可能性は当然ある。

というか下がると思っていた方が良いだろう。

それをふまえた上で、PERを解釈しないといけない。(後述)

 

事業モデルは、こんな感じ。

イベントをやりたい企業から、企画〜運営など受注し、それを一貫で行うワンストップ体制で提供。

ニトリユニクロが自社で商品を作って運搬して店で売るような、制作〜小売までを自社一貫で行うスタイルに近い。(たぶん)

ただ、このプロモーション事業ではそれは別段特別なことではない印象。(競合企業は、丹青社東北新社

 

この、大型旅行代理店との取引、官公庁案件の入札開始、というのが気になる。

コロナで、世界の観光業の形は大きく変わった。映像バスツアーなんてのも出てきたりして、一時期話題になっていた。

観光を、今までと別の形で体験する、というのが増えてくるのかもしれない。

それこそ、VR関連に期待している。VRについては取り組んでいると資料にも記載があった。注目していこう。

 

官公庁案件は、シンプルに業績のプラスになるだろう。案件は年中募集しているとのことだ。(ただし、入札は最も安いものがゲットできるとのことで、利益率は低いと予想される。メリットは、公的案件の実績が積めることか)

 

まとめると、ハイブリッドイベント案件の実績とイベント数増加から今後の受注はまだ増加すると予想され、事業拡大に取り組んでいる一方で、新たな工場が必要になるというような業種でもないため投資に費用がかかりにくい。(今期の投資CFは△2億と、営業CFに対する比率は低い)

 

これらをふまえて、業績は増収増益になると予想。

成長率は、わからない。

 

 

○競合企業との比較

これが重要だ。

このフロンティアインターナショナルが、競合企業と比べてどういった優位性があるのか、業績の伸びなどはどうなのかをみていく。

競合としては、丹青社東北新社、博展を対象とした。

他社とは業務内容が異なること部分も多く、単純な比較では難しいが、とりあえず比較してみる。

FIと同じ業務のセグメントから計算するとよさそうではあるが、一旦おいて全体の成績を比較。

 

まず、2022年における営業利益率を比較してみた。

 

FIが特別高い訳ではなく、東北新社も8-10%で優秀。

似た業務内容の博展とは差がある。

FIは2021年で大きく下げたのを除けば、右肩上がりとなっているようだ。

 

こうなると、2021年で大きく下げた理由が気になる。

2021年の有価証券報告書を読んでみると

度重なる緊急事態宣言の延長によるイベント自粛が要因。予想通りではあるが、影響は大きかったようだ。

しかし、いち早く配信案件に対応したことで売上高は前年比+19.8%となっている。

売上の伸びが他社より圧倒的だ。

 

営業利益が下がった理由を調べてみると

休業による販管費人件費増大などで、販売費及び一般管理費が前期よりも11.5%(約2億円増加)したとある。この-2億円を経常利益に+2億円すると約11億円となり、減益ではあるが、前期の12億9000万円と比較し、前期比-11%程度となった。

つまり、計算上は緊急事態宣言により増大した販管費がそのまま営業利益からマイナスとなったと考えることができる。

 

また緊急事態宣言が起これば、同じように販管費が増大し利益は下げるかもしれないが、配信イベントの実績とノウハウを活かせば問題ないように思う。

そして、緊急事態宣言は、おそらく起こらない。

世界情勢をみてもコロナで経済を止める流れでは全くないからだ。

死亡率・重傷化率の低さ、実際の世間の雰囲気をみても、今のコロナ感染を気にしているのは病院や老人ホームなどの高齢者施設くらいで、基本的に街中は人でごったがえしている。

観光業や航空業の回復をみてもわかるように、イベントなどは大きく回復している。

 

ちなみに日本全体の広告費をみると、この年は前年比-11%と、9年ぶりのマイナスとなっている。

日本の広告費の成長と比較したFIの成長率はというと

 

売上は上がっている。

繰り返すが、配信イベントに素早く対応したのが大きいのだろう。

そして翌年となる今期、その配信イベントにしっかり対応し、大きく売上を上げている。

 

では、次期は?

 

店頭プロモーションに関しては2023年はさらに回復するはずだ。その点は安心。

配信イベントの数が頭打ちになるのか、さらに伸びるのかが、大きな焦点となるだろう。

 

配信イベントの動向を知る必要がある。

フロンティアインターナショナルの利益に直結するからだ。

 

(競合企業との比較はあまりできなかった…)

 

○配信イベントの現状と今後の予想

(「ちけっとぴあ」のぴあ株式会社HPより)

 

イベント大手の「ぴあ」の2022年第一四半期の決算は、コロナ前の2019年の売上を超えた、と記載されている。

理由は、インターネット経由でのチケット販売が好調だったこと。音楽イベントの全国ツアーや大規模フェス、スポーツ国際大会などが多かったこともあるとしている。

 

イベント数がコロナ前より少ないにも関わらず、コロナ前より売上が良いのだ。いかに配信イベントの効果が大きいかを示している。

開催する側にも大きなメリットがあり、参加者の7割も配信イベントを希望している。(後述)

配信イベントは当分廃れないだろう。

 

配信イベントに関する調査をしているサイトには、このように記載されている

mmdlabo.jp

・今後も参加したいと答えた人が71.8%
・配信イベントで払った金額は平均4900円(現地イベントは6500円)

 

イベントの種類としては、大型音楽イベント、いわゆるライブが最も多かった。

意外だったのは、美術館や博物館のオンラインイベントも参加者が多いということ。

FIに関わるのは、プロモーションなので多岐に渡ると思われる。

 

そして、今後のイベントの市場規模の予想がこちら

(ぴあ決算説明会資料より)

 

イベント数はコロナ前の頃程度に戻り、微増していく予想。

そして配信を行うイベントの数は、今後さらに増えていくだろう。

つまり、配信に関わる企業は従来のイベント数に応じた利益まで戻し、さらに配信の分がプラスとなると考えられ、大きく増益が見込まれる

参加人数はオンライン配信の方がはるかに大きいであろうことを考えると、やはりオンライン配信イベントは利益率が良いと考えられる。

現地イベントも再開し、そこに配信もつける。イベント市場で使われる金額は、もっと成長するような気がするのだが、ぴあの予想はこのようなものとなっている。

 

結論として、配信イベント数は伸びると予想するも頭打ちになる可能性はありつつ、現地イベントの再開もFIにとっては利益になるため、どのみち売上高の成長は大きく期待できる、と考える

少なくともこの業界ではトップクラスである。

 

 

○割安かどうか

最重要。

いかに良い企業だとしても、すでに株価が上がっていたら、絶対に買わない。

織り込み済みなど最悪だ。1年もかからずに50%以上株価を下げたメルカリやエムスリーなんかをみると目眩がする。エムスリーなんかは超絶に優秀な会社だ。

ただし、ものすごくいい企業でも、ぶっとんだPERや株価は非常にハイリスク。いい企業を探しているわけではない、いい企業なのに評価されていない、気づかれていない、という企業を探している。

 

割安かどうかの指標は、素直にPERを使う。

 

競合企業のPERは以下の通り(2022年9月1日)

FI    :? (2.34)

丹青社 :20.8(1.25)

東北新社:10.4(0.4)

博展  :12.7(4.01)

 

FIを分析してみる

PER=株価÷EPSなので、9/1現在だと

株価:3750円

EPS:468.9円(2022決算時)

で計算すると、PER=8.0 となる。

 

EPSは予測値を用いることが多く、FIは特別利益や特別損益が特にない。

 

よって、純粋に利益の増減でEPSも素直に連動して増減すると考える。

 

税金は以下の通り

私が投資をはじめてから純利益に対する税の割合なんて気にしたのがはじめてなので知らなかったが、31.7億の純利益で、税金が10.5億なので、30%も税金で取られているのか…。

前期は9.4億の純利益から4.2億なので、もっと酷い。45%も税金で取られている。

今期の税金の割合が低いのはなんだろう?前期がいつもより利益が低かったから?

この辺は勉強しないといけない。

 

次期の正確なEPSなぞわかるはずもないので、仮に算出してみる。

 

純利益が今期の21.2億円に

+5%増加したとして、22.3億円

+10%増加したとして、23.3億円

+30%増加したとして、27.6億円

+100%増加したとして、42.4億円

 

発行済株式数が変わらないとすると、46.2億株であり

EPS=純利益÷株式数

純利益+5%の場合  ESP=22.3億÷46.2億=482.6円

純利益+100%の場合 ESP=42.4億÷46.2億=917.7円

となる。

 

PER=株価÷EPSに

株価:3750円

ESP:482.6〜917.7円

で計算すると、PER=4.9〜7.7 となる。

 

要するに

純利益が+5%とあまり伸びなかった場合、PER(予想)は7.7

+100%と伸びた場合、PER(予想)は4.9となる。

ということだろうか。(あってる?)

 

現在の株価だと、どちらにしろ売上の伸び率に対して”明らかに割安”と言っていいのではないだろうか。(あってる?)

 

では、株価がいくらになったら予想PERは15くらいになるのだろう。

 

株価6000円の場合

 

ESPを482.6円とすると、PER=12.4

ESPを917.7円とすると、PER=6.53

 

6000円でもPER的にはそこまで高くない。

イベント配信による成長が続くと思われるプロモーション業界で、PERが一桁な時点でかなり割安だと言っていいのではないか。

厳しく見積もっても現在の株価は安いと言えるだろう(本当にあってるのか??)

 

○その他、重要な要素

 

機関投資家保有

国内個人 :400万株 88.33%(うち9万5000株の自己株式を含む)

外国法人 :68万7000株 1.45%

その他法人:230万株 5.00%

金融商品取引業者(銀行など):226万株 4.89%

金融機関:12万株 0.26%

 

金融機関というのはいわゆる「機関投資家」と考えてよいのだろうか?

であるとすると、たった0.26%。

1日の出来高が20万株未満のFIなので、機関は現在ほぼ関与していない。非常に大きなメリットだ。

さらに、外国の保有率も1.5%程度と、少ない。

海外指標のダウや上海が大きく下がったから連れ安、なんてことが起こりにくい。ちゃんと業績に反応してくれやすい、はずだ。

保有はほぼ国内個人で、出来高も極めて少なく、まだ市場に気づかれていない、最も良い状況と言える。

あとは気づかれるのを待つだけ。

 

・無借金であること

コロナ禍であるが無借金、しかも利益で赤字がない。キャッシュは豊富だ。

このキャッシュでどう事業へ投資していくのか。

 

・配当

1株90円と、良い。

 

 

 

○結論(買いか、否か)

 

買いだろう。

 

会社も四季報も時期予想がわからないため出していないが、現状の分析からは、まだ大きく増収していくと思われる。

時期の収益予想は明るく、そして株価は割安。

 

あとはテクニカルでタイミングをはかるが、このFI、短期で急激に下げたり戻したりと、かなり癖のある動きをしている。

 

日足

 

週足

 

月足

 

くせあるなあ。

高音から60%くらいまで下げて、また上げ出すような形。

2500円くらいまで下げてくれないだろうか。絶対買うから。倍買う。

とりあえずは急増してる出来高が落ち着いてからになるだろう。

 

テクニカルはただの参考だが、信用買いした場合、下げると死が待っている。

下がってもいつまでも手放さなくてよい現物で買って、下がっても戻るのを年単位で待てばいい。変なことが起こらない限り、損切りはしない方が得策である銘柄だと考えている。

 

すごいのに安くて、誰も知らない。

ピーター・リンチが欲しがっていた株、そのものじゃないか。

 

この企業に夢をかける。

 

 

 

 

 

追記 9月19日

 

決算の結果、S安からの連日暴落で30%以上下落

 

1Qの業績は経常利益前年比2倍と高発進だったが、2Qの予想がまさかの-40%、そしてその理由が特に記載されないという超絶糞ムーブでS安となり翌日も大暴落。

 

は??

 

通気決算は読めないので予想できませんとのこと。

 

こんなことってあるんだあ(白目)

 

 

頑張って企業調べ上げて投資した結果がこれだとさすがに落ち込む。

 

大事なのはここからの判断で、株を手放すか(痛すぎる損切り)、ホールドまたは買い増しするかだが、それも2Q予想の説明がないと何も動けない。

わざわざ予想をここまで低くしている以上、結果もその通りになる可能性が高いと思われるが…。

特需的な国策BPO案件がなければこの程度なのだとしたら、大変によろしくない。

競合企業に案件を全部もっていかれた?そんなことがあるか。

特需がないから?いや、特需がないとしてもあまりにひどい。

裏で不祥事でも起こしているのか?五輪KADOKAWAに噛んでるとかないだろうな。ないよね…?

ここから通期決算が出るまではホールドすると思うが、まったく予想していない結果になっている。

ひとまずは理由がわかるまで放置になるだろう。一時的な何かであれば買い増ししたいが、伸び止まる何かがあるのであればEPS、PERに応じては損切りも可能性が出てくる。

 

計算してみる。

 

株価が3000円と過程して、EPSは最悪240円になると仮定しよう。

PER=株価÷EPS=3000円÷240円=12.5

2400円まで株価が落ちたとして、PER=10

この企業は業績は後半の方が伸びるため、EPS240は超控えめ、最低限と予想しているが、300〜350円…320円くらいだとしよう。

株価は3000円だとすると、PER=9.3 

さすがにこれはない…。

 

株価4000円、EPS 320円だとして、PERは12.5。

成長率次第だが、株価は4000円の企業価値はあると思いたい。

 

あとは、同じく四季報から調べて投資している、チャームケア、ASTI、がんばってくれ。

君たちがだめだと私は自信を失くしてもうこの世界から足を洗いかねない。(その方が幸せかもしれない)