エフテック
PER 7.8
PBR 0.23(低すぎるのも効率悪く問題あり 後述)
最近の業績
チャート(月足)
底っぽさ。期待感よりも安心感
業績の伸びがなく、利益率も低い、成長性の魅力には大きく欠ける。
ではなぜこの銘柄を分析するのか?
・半導体不足からの取引先生産低下の影響を受けた株価がまだ継続されていること
・EVとインドが期待できること
・そしてそれを織り込んでいないように見える
EVについてはライバルも多いため、この企業の製品に魅力があるかを調べないといけない。
海外比率やメイン市場などは決算説明資料にわかりやすく記載あり
決算説明資料より
Teってテスラ?Sってスズキ?なぜ明記しないのか(信頼↓)
他の企業と比べてみる
B/S
エフテック PER 8.5 PBR 0.24
減価償却費 100億円
ジーテクト PER 8.2 PBR 0.39
減価償却費 150億円
純資産の比率はジーテクトの方が大きいにも関わらず
エフテックのPBRは0.24と異常に低い。低すぎる。
ジーテクト、純資産の比率がすごい。自己資本比率60%。負債が少ない。
この2社のモデルの違いが説明できないとこの分野の銘柄は買ってはいけない。
エフテックはROEもROAもが低そうであり、ジーテクトはそれより高そうである。
みてみる
エフテック
ジーテクト
ここ数年でみると、資産から利益を生む能力は、ジーテクトが圧勝。
ただ、コロナ前の2017年や2018年をみると、エフテックがジーテクトを上回っていた。
コロナになり、エフテックのROEは激減。売上も下がってはいるが、これはなぜかというと、おそらく守りの体制に入ったのだろう。純資産を増やして対応しようとしたのだと思われる。
純資産の推移を確認してみる。
エフテック
ジーテクト
違った。
エフテックは純利益が吹き飛んでしまったことでROEを大きく低下させていた。
ジーテクトが安定していた。
売上利益率をみても、ジーテクトが優位。
これは二社のPERの差としても表れている…と思ったが、PERは同率。
PERが同じで、売上利益率がジーテクトが4倍以上で、ROEも現在はジーテクトが何倍も高い。
これをみる限り、買うならジーテクトだが、エフテックはチャートの底っぽさが魅力的という点で魅力がある。
エフテック
ジーテクト
チャート…という感想。
過去の平均PERに対しても、現在が安いのはジーテクト。
パッと見ではエフテックだったが、分析してみるとジーテクトが魅力的だった。
一旦、エフテックをもう少し調べる。
前期の有価証券報告書をみていく
新規受注あり来年度以降の収益の貢献、と。
売上高について
北米の影響が大きく、半導体不足があまりにひどかったが、円安がありコロナ渦時並の売上高となった。営業損失は半導体不足がコロナ渦以上の影響で、308%減少
アジアはコロナによる工場停止影響の解消や円安がプラスプラスとなり12%増
利益については、外注費や輸送費の増加から17.6%減
半導体不足の影響が著明で業績が大きく落ち込んだ。
輸送費高騰も影響。
これを一時的を見るべきかどうかが焦点。
業績の予想修正は
コロナ前の2018年、売上高、最終益とも上方修正出し、更に上回って着地。
コロナは仕方ないとして、2022年は5月時点で営業益40億円、最終益10億円と予想も11月には営業益20億円へ下方修正、これはきつい。しかし最終益は15億円と上方修正。つまり、ドル円の影響を強く受けるが、それを予想するのが難しい。
エフテック製品の強みについて
サブフレームやサスペンションの大幅な軽量化、低コスト化、生産性向上と
EVは軽さ重要と思われる。
競合他社に圧倒的な軽量化とCostで差別化する、が研究開発の方針と。
実現していれば株価はこんなことにはならないと思うが、どうだろうか。
どのくらい投資しているのか、投資CFみてみよう。
営業CFがコロナと半導体不足で大打撃、しかし投資CFは多く投入続けている。
新工場など増やして生産量増加できているか
日本に1、北米に3、中国に1、工場を建てている。新機種立ち上げによる設備増強と。これは良い。
2023年3月(ちょうど今)新設が完了している予定となっている。
CFの内容をみてみる。
営業CFは棚卸資産が前年より60億円増えている。
売上債権が減っており、在庫となってしまったということだろうか。
投資CFは有形固形資産の取得が160億円、工場新設の費用だろう。
財務CFは短期借入が130億円増加、工場新設分などの確保か
運送費と研究費について
運送費は22億円、前年より高くなった。
研究開発費は20億円程度かけている。
ドル円、為替の影響が
63億円。でっかい。
ここから、ジーテクトをみていく。
○新しい工場設営や新規市場開拓があるか(成長余地)
○メインの市場はどこか
○エフテックと比べて高い利益率はどこからくるのか
○他社との競争的優位性は何があるか
あたりをみてみる。
まずは決算説明資料でざっくりと概要を把握
主な取引先であるホンダの、生産台数は前期より減ったが、3Qの売上は41%増。
米ドルが111円→136円と、円安の影響か。
前期は為替差で321億円上乗せ
売上セグメント
車体部品:83.2%
型・設備:14.5%
トランスミッション部品:2.3%(ギア切り替えなどの装置)
車体部品が8割以上を占める。
取引先の割合
ホンダ:56%
トヨタ:23%
スバル: 7%
その他:14%程度(JLR、マツダ(親:フォード)、BMW)
日本での、業績
スバルの生産台数回復が大きい。ホンダは変わらず。
四季報春号のホンダを見ると、【堅調】とある。
4輪販売は25万台減の385万台(6%減)、24年3月期は生産台数上向くと。
ジーテクトをみると、営業益は回復基調、と。
中国の広州新工場が手続き停滞、稼働は23年4月予定だったが24年度中にずれこみ。
ホンダは、業績予想では売り上げ高が過去最高となる予想。
半導体次第だろう。
取引先の状況は、良いだろう。
半導体は、パワー・ロジック(メモリは完全に一服)半導体の需要が非常に多い。
北米の業績
ジーテクトは海外の売上が全体の84%であり、北米の比率が最も高い。
ここからが重要。
北米での生産が想定下回り、営業利益はマイナス。
(材料単価改定や為替影響で売上は上がったが、挽回しきれず)
テスラに部品供給を開始したと。
欧州での営業益は変わらず。
続いて、アジア(中国以外)
半導体影響は変わらずあるが、上海ロックダウンからは生産台数回復傾向。
続いて、中国
中国はろくなことになっていない。ホンダは大幅減少。
トヨタはさすがの生産管理なのか、増えている。扱う車種の問題なのか。
トータルでは材料価格改定や為替で、売上高は増収になった。営業益は減益。
○メインの市場はどこか
売上の割合
【売上】
3Qは、北米1090億円、中国750億円、日本580億円、その他アジア410億円、欧州260億円、南米170億円。
【営業益】
3Qは、北米−6.5億円、中国41.4億円、日本14.5億円、その他アジア12.1億円、欧州23億円、南米19億円。
北米、中国、日本、その他アジアでの売上がメインだが、利益は中国が圧倒的。
売上利益率は、北米が圧倒的に低く(売れても赤字)、日本も低い。中国は5%程度、欧州は10%以上ある
CF
新工場で有形固定資産130億円、減価償却も130億ある。純利益は114億円
減価償却進んでいるが、新しく新設もしているためまた増える。
配当は安定して増え続けている。
配当性向30%まで上がる予想。
決算説明資料は以上。
有価証券報告書みていく。
最高の営業益、経常益だった2019年、それ以降はコロナでやられた。
2023年3月予想は、その2019年と総資産回転率が同じだが、ROAは4.65と2.78と60%も下がる。純利益率(純利益/売上高)が下がる予想だからだ。それに伴い、ROEも8.74→4.78と、55%下がる。
ここからわかるのは、財務レバレッジに大きな差はなく、シンプルに利益率が下がるということ。
では利益率が下がっている要因は何か。知りたいのは、それは一時的な要因かどうかということ。
一時的であれば成長ストーリーに問題はなく、株価の上昇も期待できる。
一方、成長ストーリーに陰りが見えれば、当然買わずにスルー、買っていても撤退したほうがよいということになる。
探っていく。いろいろみていこう。
自己資本比率は50%以上を維持しつつ、ROEは8%以上を目指し資産効率化を重視しROA、ROICも向上を目指すと。
借金に頼りすぎずにROEは8%を目指す。優秀な目標。
強さもあり、健全さもある。良い。
(エフテックは健全だが、弱かった)
ホンダ生産減ったが他の新規受注が増えて、材料単価と為替で売上は12.9%増。
経常利益は為替差益などで増。
ホンダ、の生産台数の増減
さっきの決算説明資料は3Qのもので、これは前期の有価証券報告書。
自分で作業しておいてなんだが、混乱する。
今は、前期の有価証券報告書の内容をみている。
EVについて
○新しい工場設営や新規市場開拓があるか(成長余地)
新設の工場
生産能力増強を日本で1、北米で2、増設
新規車種生産設備を北米で3,中国で3,その他アジアで1、増設
EV関連施設を日本で1、増設
順調なのだろう。
PL
特別損益などは特になし。
法人税金分で−20億円されつつ、前期費+13億円。
からの
為替換算調整勘定で+25億円
営業CFは売上債権増えてが現金は前期より-60億円、棚卸資産が増えて-30億円、仕入債務が増えて+35億円(今後の出費になる)
投資CFは定期預金を増やし、有形固定資産は同程度。
財務CFは短期借入金が増えている。短期借金55億円。長期が大きく増えて、前期70億円から180億円となった。返済を85億円し、合計で前期−170億円から+125億円と大きく増加。
ざっとみると230億円借りて、85億円返済して、その他調整して借金125億円。
現金は260億円(期首残高)あったのが360億円(期末残高)になった。+100億円。
125億円借金で増えているので、借金分よりも現金が25億円分増えた。
営業CF+140億円
投資CF-190億円
財務+125億円
書いててわけわからなくなってきた
だらだらと点ばかりみて線のつながらない分析になってしまっている。
○エフテックと比べて高い利益率はどこからくるのか
を調べたい。
PLからひとつずつみてみよう。
Excelに入力して図で比較する
ジーテクト
エフテック
図で見ると一目瞭然だが、どちらも売上利益率は低いがエフテックは輪をかけて低い。
エフテックの純利益はもはや見えなくなってしまう。
こうみると、利益性はジーテクト>エフテックというのがわかる。
売上減価率は
エフテック: 8.2%
ジーテクト:10.0%
そしてエフテックは販管費で利益がほぼ消えてしまう。
販管費の内訳をみてみる
エフテック
ジーテクト
ジーテクトの方が従業員数が多く年収も多いのに給料及び手当が10億円以上も少ない???
ジーテクトの方が、従業員1151人×平均年収622万円=71.6億円と、記載の33.3億円とかけ離れている。何だ?有価証券報告書の読み方をどこかで間違えている。
…一旦、スルーしよう。
そして、この年のエフテックの販管費には、21億円の「研究費」が含まれている
この研究費がなかった場合のPLをみてみると
すこし見えるようになった。
それでも、P/Lを見る分にはジーテクトが優秀と思われる。
ここまで比較してきたが、「J-MAX」という企業も比較したほうが良さそうだ。
一旦ここまで。
私はなぜこのホンダ系車載部品にここまでこだわっているのだろう。
わからなくなってきた。
…そうだ、EVとインドだ。
EVが増えるとして、数年後に売上増加が間違いないのに、株価が反応していない企業として注目していたのだった。
比較はしたが、違いがいまいちわからなかった。
製品に独占性があれば面白いのだが。
次は、ジーテクト vs J-MAX を調べてみる。
一旦ここまで。
4/18
J-MAX(3422)とジーテクトを比較していく
JMAX
ここ数年、ROEがめっぽう高い。
財務レバレッジがかなりかかっていそう。
しかし、2023年は突然6.56と激減の予想。何があったかみていく。
決算説明資料より
2017年からは財務CFが大きくマイナス。20億円程度返済していている。
2021年には67億円を返済!この年、営業益は44億円。現預金は元気だろうか。
→62億円。
2018年は自己資本比率20.1%と、ぎりぎりの綱渡りをしていた。
攻めの姿勢だが、過剰投資でリスクが高い状況であった。
それを改善していき、現在は42.3%と問題ないレベルまで改善。
それに伴いROEも落ち着いた。
ROEが高ければいいわけではないという、いい例だろう。
ROAが同じ。ということは?
資産全体から生み出される利益の割合は同じということ。
2社の違いは、JMAXは借金を使いつつ効率的に利益を生み出し、ジーテクトは借金せずやや非効率的に利益を生み出している。
今のJMAXの自己資本比率は40%なので、財務状況が悪いという状況は脱し、効率的になったと言ってもよいだろう。
利益性を生み出す力は、JMAXに軍配が上がる。
では、成長性はどうか。