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【株】ASTI 1Q決算短信【保守的すぎる予想からの予想通りの大幅増益】

今期の1Q経常利益は過去最高の11.8億円

 

前期の通期予想は

予想は通期で20億円。

つまり、1Qで進捗50%を超えた

(PTSは暴騰しているが、明日どうなるかはわからない)

 

 

通期予想があまりに低すぎると考察はしていたが、ここまでとは。

内容をみていく。

 

まずは、浜松工場、フィリピン工場が稼働した。

民生は予想通り減少し売上は前年同期日-6.4%(ワイヤーハーネスで挽回できなかったのか…後述)

売上が前期比マイナスとなった一方で、営業利益は大増益となった。

この増益は値上げによるもの。値上げ素晴らしい。

インドルピー高で、為替差益が5.2億円発生し、経常利益は11.8億円(+60%)となった。純利益 9.9億円(+90%)

 

 

利益剰余金が7.1億円増加。

自己資本比率46.1%(+0.6%)

背伸びせず、大幅増益。

 

そして1Qの結果を受けての通期予想は

 

為替の影響が強いため見通せず、前期予想を修正しない、と。

 

 

いや、修正する必要があると思う。

 

前期は円安で原価上昇していた。

2023年3月31日の有価証券報告書より

 

為替

為替換算調整勘定が+6億円。

 

取引時と決算時での為替の違いで発生する差額。

インドルピー高とのことなので、円安。海外で売れたあとに円安となって、受け取る際に円が増えた、でいいのか。

+6億円、純利益が通期15億円の企業で、6億円。

通期予想が出せなくなるくらいの割合ではある。

 

可能性の話をすると、為替の変動だけで、下手をすると -6億円になっていてもおかしくなったのだろうか。

為替差益がなければ、経常利益は6億円で、前期比マイナスとなる。

 

以前の分析でもそうだったが、為替一つで赤字になりうる企業ではある。

この企業に触れるということは、PBRの低さは魅力的ではあるが、現状の為替の動きを見る限りリスクは低くない。

PBRから見えるローリスクハイリターンさは、実はないのだろう。

仮にこの銘柄を買っていたとすると、ローリスクでハイリターンを得たのではなく、そこそこのリスクを取った結果、今回、結果的にハイリターンだっただけである、と考えるのが良さそう。

会社予想の低さは納得はいかなかったが、為替差益6億円がなければ経常利益の進捗は予定通り(?)25%だ。

 

 

とりあえずP/Lみていく

売上は10億円減ったが、売上原価が13.5億円減少し、売上総利益が+3.5億円。

販管費が0.7億円増加し、営業利益が+2.8億円となった。

販管費が増えている。

 

流動負債をみると

賞与引当金が3.2億円増えている。

 

 

賞与は間違いなくアップする予定で、それが計上されている。

業績が上がっていることからボーナスが出るのだろう。良いことだ。

これは販管費とは別になるのか?

この3.2億円のボーナス予定金は、負債として販管費で扱い。

つまりこの3.2億円に対して、2.5億円ほど前期よりもコスト削減などが生じたことになる。

前期(前前期?)は確か、コロナで中国とベトナム工場が封鎖されてその分の物流負担などでコストがかさんだ、というのがあった記憶がある。

 

yama-maro.hatenablog.com

 

あった。前期の前期の有価証券報告書なので、これはもうとっくに解決している。

 

最新の有価証券報告書

正常化している。

 

売上総利益が+3.5億円、販管費が0.7億円増加し、営業利益が+2.8億円。

今期1Qの売上に関わる為替差益(営業外収益)は、5.2億円で前期比 +1.2億円

これで経常が前期比+4億円

そのまま純利益が+4億円。

 

つまり、売上総利益の+3.5億円が企業の営業に関わる利益で、これはとても良い。

為替差益などでボーナスがアップしての賞与引当金3.2億円(販管費)だとすると、販管費は為替が悪くなると当然減る。

 

この賞与引当金が減少するとすると、販管費はマイナスとなり、コスト削減ができていることになる。

つまり、コスト削減ができている。

良い傾向、評価できるだろう。

 

 

セグメントでみてみる

 

前期

 

今期

 

セグメント売上をみると

     前期   今期

車載   42.6億円→49.4億円 +6.8億円

民生   55.9億円→43.5億円 -12.4億円

ワイヤー 61.8億円→56.9億円    -4.9億円

 

民生が下がり、車載、ワイヤーハーネスの売上が大きく伸びた

ワイヤーハーネスの売上が下がっている……?

 

売上ではなく、利益をみると

 

     前期   今期

車載  0.19億円→1.04億円 +0.85億円

民生  1.38億円→0.32億円 - 1.06億円

ワイヤー2.94億円→5.51億円   +2.47億円

 

ワイヤーハーネスは➕となる。

なぜ?

ここで工場の為替の影響が出ている?

 

ワイヤーハーネスを使うモノを売る企業の業績が軒並み過去最高なので、ワイヤーハーネスの売上も間違いなく伸びると思っていたのだが…

 

ここが読めないと、私はこの企業のことを何もわかっていないことになる。

車に使うワイヤーハーネスは、車載として計上される?

 

過去の為替差益がどの程度なのか たとえば2019年

 

まとめると

・為替次第で大きく業績はブレる。(0〜25〜50%)

・為替差益が6億円程あった。(純利益 9.9億円)

・値上げ、売上総利益、コスト削減でパフォーマンスは改善

・ワイヤーハーネスの売上は下がっている。

・円安がいいのか?円高がいいのか?収益の構造がなんだかよくわからない。理解が難しい

 

結論:高騰したところで売るが安心(よくわからない)

 

反省:自分としては為替に救われただけのラッキーパンチ