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【好業績割安株】チャーム・ケア・コーポレーション 6062【3Q決算分析】

チャームケアを保有するにあたって、決算の数字はまずここを押さえないとおけない。

不動産開発事業は、売上計上のタイミングに相違があり、前記は3Qにこれが加算されて特別利益として計上された。

こんな感じ。

この2022年3Qと比較されるので、当然、前期比が大きくマイナスになる。

今期の不動産利益は、4Qに計上されるので、4Qの経常利益は前期比でわけのわからない数字(4.8倍、26億円)が出てくる予定となっている。

 

株探のニュースには

とあり、進捗率が非常に悪いような書き方をしている。これに騙される(?)ホルダーがいるのかはわからないが、全く調べないで信用買などした一見さんは狼狽売りする可能性はある。

 

ちなみに、4Qに計上される金額は

この2件(29億円+7.5億円?)の、合計36.5億円?が計上される?

売上なのか経常利益なのか統一してほしい。

 

あとは、本業の介護事業の稼ぎが維持できているのかどうかを見れば良い。

稼ぎ柱の高水準入居率が維持できているかが、最大のポイント。

 

3月末時点で、既存ホームが94.9%、ライクのが94.4%。

問題なし。

ライクの改善が素晴らしい。さすがだ。

 

一番気になるポイントは問題ないことが確認できた。

あとは売上の数字等みていく

 

 

まず、柱の介護事業の売上は

介護事業 売上+17.7% 

人材派遣事業も+21.9%と伸びている。

そして不動産は、前記3Qは25億円計上されており、その分がマイナス。

なにげに、新規事業の売上が通期で15億円の予想となっている。利益は2000万円で、まだ大きな利益にはならない予定。AIのアレだろう。準備段階。

 

ライクの入居率と、売上の増加を比較すると、あることに気づく。

76.1%→92.0%と、16%改善した。

それに伴う売上の変化が、7億円→12.8億円と、+55%となる。

単純計算すると、ライクの部屋数であれば、入居率が1%上がると、売上は3.4%上がることになる。

入居率が10%下がると、売上は34%下がることになる。

(※部屋数が不変の場合)

ただ、既存ホームの部屋数はどんどん増えているため、単純計算ができない。

この計算はちょっと意味なかった。

 

 

部屋数をみてみる

合計、5673部屋。

95%入居しているとすると、5389部屋は入居、284部屋が空室。

あとはブランド別で価格が違い、計算するとなにかがわかる。

 

 

不動産の強みについて

特徴が、全て強い。特に、③の売れなくても自社で運営すればよい在庫リスク0が強い。

入居率の高さから経営の旨さは折り紙付き、在庫リスクがないどころか、そもそも売らなければ良いとすら思えるが、教育された従業員の数(質がどの程度高いのかは不明)の確保等、サービスの質の低下が起こらないようにしているのかもしれない。

アセットライト志向なので、収益源とともに、リスク管理の一つのようだ。

 

説明もされていた。はやり、運営の品質維持のため、自社運営ホームの開設を絞っているようだ。

ただ、良い土地をゲットしたり、付加価値の高い建物を建てたりができるノウハウがあるため、不動産が可能となり、実施している。

つまり、在庫リスクは0だが、もし売れないと、予定外の大量のスタッフ採用や教育研修などが費用としてかかることになる。

現状は問題ないため、そこまで不安視する必要はなさそう

 

 

大きな懸念、コロナ補助金について

3Q決算短信より

コロナ関連費用のほぼ同額を補助金として受給、本当だろうか。もっともらっているのでは?

まあ、本当だから書いているのだろう。

マイナス分を補助金で埋めたのであれば、現在の利益がコロナ特需ではないと言える。

 

公認会計士の監査付き。大丈夫だろう。

 

今後の予想

2016年以降の、この成長性の高さ。

不動産が注目されやすいかもしれないが、本業は、安定した介護事業である。

 

そしてこの成長率に対して、このPERの低さ

2016年からの平均PER21.5現在、9.4。

 

PERは15あってもいいくらいだ。

成長率的には株価1.5倍、現時点で1500円が適正価格としてみても良いのではないか。

 

ホームを新設し、部屋数が増えればそれだけ売上が伸びる。今後も増えていく。

わかりやすいビジネスモデル。

どこかで、質の維持などの限界が来て入居率が維持できなくなるのかもしれないが、今はまだその気配はなく、ガッチリホールドで良いと思われる。

 

ストーリーに変化なし。割安。

継続。

 

 

 

追記 5.28

PBRの高さが気になるため、財務状況をチェック。

純利益に対する株価は安いが、純資産に対する株価は割高。これを説明できないといけない。

 

まずはバランスシート(22年の有価証券報告書より計算)

 

流動比率は105%、1年以内に現金化されるお金(流動資産)より、1年以内に返却しないといけないお金(流動負債)が、なんとかちょっとだけ少ない。ぎりぎり。

直近はどうなっているかというと

3Q決算短信より

流動比率、ちょっとオーバー。

 

資産、負債の内訳みていく。

22年有価証券報告書より

流動資産内訳

現金 69.0億円

売掛金 26.0億円

販売用不動産 5.8億円

開発用不動産 19.0億円

金銭の信託 44.3億円(金銭信託、なぜ??)

 

流動負債うちわけ

・買掛金 2.6億円

・短期借入金 21.4億円

・1年以内に返済予定の長期借入金 11.8億円

 →返済予定の借入金 33億円

・リース債務 0.9億円

・未払い法人税 15.1億円

・未払い金 16.4億円

・契約負債 88.7億円 これは?

 

22年の有価証券報告書で、「会計方針の変更」の項があることに気づいた。

こういうのに重大なリスクが潜んでいる可能性がある。例えば業績の悪化を隠したいときなど…。

 

記載されている変更点

①入居一時預り金額の全額を、平均入居期間にわたり均等に収益認識する方法へ変更

②「前受収益」、「長期前受収益」を「契約負債」として表示

③”固定資産”に表示していた「金銭の信託」を”流動資産”として表示する

 

つまり?

①入居一時預かり金が、一気に収益に反映されず、減価償却の逆のように数年で分けて入ってくるように変更された。これは別に良い。

つまり、1年分の入居利用料をまとめてもらうが、まだ1ヶ月しか経過していなければ残り11ヶ月分はサービスを提供していないので、負債として勘定されるということ。

それらをまとめて「契約負債」として記載することとなった。

①と②をあわせて、一気に増える減るではなく、段階的に、より平均的に表示することにしたと。

前受収益(契約負債)を平均的に表示するのに合わせて、入居時の預り金を平均的に表示されるようにし、トントンで直感的にわかりやすくした。

特に問題なさそう

③金銭の信託(投資信託のようなもの)が、固定資産から流動資産に含まれるようになった。流動資産に44億円上乗せ。つまり、流動資産が急に増えたように見える。

実質は信託の価値があるので、おそらく資産としての価値は減らずとも増える算段と思われるが、なぜ信託なぞやっているのかも不明。

重要なのは、この信託をすぐに現金化するとは思えないので、実際の流動比率が変わるということ。1年以内に現金化するから”流動”資産に移したのか?

 

と思ったが、収益認識会社基準等の適用、とあった。これは

こうしてくれ、と、この新制度が強制適用となったため、チャームもこうしただけだ。

邪な意図はなさそう。

 

GPTに聞いてみた

金銭の信託とは

固定資産→流動資産として記載されるようになった理由はわからなかった。「これに伴い」とは?

 

ちなみに、金銭の信託を固定資産にいれたままだと、流動比率は100%をそれなりに切る。

 

CFみておく

営業CFしっかりあり、フリーCFは確保できている。

 

これらより、負債が増えすぎないかの観察は必要だと考える。

キャッシュ減少がないかは、ちゃんと見ていく。

 

ここまで財務をみてきたが、いまのところ、財務上の重大なリスクはなさそうである。

 

 

PBRが高い理由について、なにかがわかったかというと、流動負債が多めであること。

借金しレバレッジをかけながら、業績を拡大している。

ROEの高さからくるPBRの低さとも取れる。

ROE高い。

 

そして自己資本比率は、実は昔と比べるとここ数年は上がっている。

10年前はだいぶ無茶をしていたが、最近は30%は保っている。剰余金も増やしている。

 

大丈夫そうである。

 

PBRが低くなる時は、借金をしなくなる時。つまり大きなお金を必要とするホーム新設をしなくなる時。

ホーム数が増えなければ、成長は止まる。

今はホームは増やしている真っ最中であり、PBRが低下していくことはないと思われる。

ただ、介護事業の需要が多く、需要>供給であり、更には駅近物件富裕層向けとなると更に需要>>供給となり、市況に対する立ち位置としては非常に良好である。

自社株買いをすればBPSは上がり、PBRは下がるが、自社株買いするくらいなら借金してホームを増やす、つまりお金の使い道として業績拡大を選びそう。

 

○PER、PBRの解釈まとめ

PERは成長率からみて低く、割安である。純利益、EPSは急激に伸ばしてきている。

PBRは高いが、これは流動負債の高さからくるものが大きい。借入金を使い、ホームを新設している。ROEが高く、レバレッジを効かせて業績を拡大している。

自己資本比率は10年前は10%台だったこともあったが、ここ数年30%以上をキープしており、財務状況は改善、安定化している。

PBRが高いことで割安さは減少するが、レバレッジをかけてうまく成長していると見ることもできる。EPSの上昇率の高さ、攻めの姿勢がPBRの高さに表れていると解釈する。純資産が減少しているわけではなく、悪いPBR高ではない。

 

○結論

問題ない