『疲れない』ようになるブログ

やってみて、どうだったかの記録

頭痛の文献を読んでみた

頭痛について文献で調べてみた。面白かった情報をまとめてみる。

 

氏家ら 器質性病変のない慢性頭痛 2020

 

・一次性頭痛(原因不明)には片頭痛、緊張型頭痛がある

片頭痛、緊張型頭痛の原因を検討した研究は数多くあるが、統一的な見解で頭痛のメカニズムを説明できるものはまだない

・頭蓋内に痛覚繊維が存在する箇所は限られており、頭痛は硬膜か血管に分布している痛覚神経の刺激によって生じる

脳神経外科で開頭手術をした患者は台風等の低気圧、または天候不順等によって頭痛を訴えるようになる

・1000hPaの台風が来たとすると大気圧より13hPa低下し、これはおよそ10mmHgの大気圧の低下を意味する。大気圧低下により皮膚表層に位置する静脈圧の低下、眼圧の低下、鼓膜の膨張が起こり、続いて脳圧の低下が起こる。そして硬膜への圧変化は頭痛を引き起こす

・低気圧が来た際に結膜下出血を生じる患者が急増するのも静脈圧の低下が原因である

・脳底部の主幹動脈から大脳皮質表面の軟膜動脈および硬膜血管には、三叉神経節由来の無髄神経線維が分布し頭蓋内の痛覚を中枢へ伝える働きをしている

片頭痛発作では何らかの刺激が硬膜の血管周囲に存在する三叉神経終末に作用し、神経終末から神経ペプチドの放出がおこると考えられている。その結果、硬膜周辺では血管透過性の充進や血管拡張などの神経原性炎症が惹起され疼痛が生じる

片頭痛の比較的長く持続する頭痛は炎症によって引き起こされていると考えられる

片頭痛の50%近くが低気圧によって引き起こされる

・低気圧から来ることから片頭痛発症のメカニズムに硬膜が関与しているのは間違いない

・いわゆる拍動性の頭痛とは動脈の収縮拡張によって引き起こされているのではなく、硬膜動脈の炎症そしてその炎症血管に血流が流れ込むときに拍動性の痛覚として捉えられると考えられる

・緊張型頭痛は一次性頭痛の中で最も多い頭痛の一つであるが、その発生機序、病態生理は十分に理解されていない

・トリガーポイントへの指圧は緊張型頭痛の症状の緩解に役立つことは経験で知られている。筋攣縮が持続すると血流が障害され虚血状態となり発痛物質が蓄積し、痛覚線維が興奮し痛みが生じると思われる

・この際生じる頭痛は、これらの筋肉の体性痛が引き起こした関連痛、または神経痛と考えられるが、これら筋の圧痛点では炎症性メディエーターの増加は見られないという報告もあり,緊張型頭痛は筋・筋膜症候群のみでは証明できない

 

 

野村 頭痛の診かたQ&A 2016

 

・眼科的疾患を有する患者が頭痛を訴える場合には2パターンが考えられる

・眼の異常や視機能障害が関連痛として頭痛の原因となっている場合、および、眼局所の疾痛が放散痛として頭痛を自覚する場合である

・屈折異常やこれに伴う調節反応、斜視などの眼位異常は眼精疲労の原因となる。眼精疲労関連痛として頭痛を惹起する

 

 

◯読んでみての感想

やはりというか、血管の炎症が関わっている可能性が挙がってくる。脳内の炎症なんてどうしようもない。ここ数年で脳内の炎症というワードを健康系の本でよく見かけるようになった。特に食事関連で多い。カビとか飽和脂肪酸とか糖とか。

頭痛の原因が炎症だったら対処はどうするんだ。クーリングとして頸動脈を冷やして血液の温度下げれば炎症も収まるし疼痛閾値下がって鎮痛効果がある?

私の場合は眼を「温める」と改善するので、炎症ではないと考えるのが妥当だろう。

長い時間緊張したあとに出やすいことを考えると、気圧が原因でもなさそう。でも気圧原因説はあると思っている。低気圧で頭痛症状を訴える人が実際にまわりに多いから。

 

 

 

「頭痛とドライアイは関係あるのか?」や「目は頭痛の交差点」等、まだ読みたい文献をいくつかみつけたけど、今日はここまで。

 

偏頭痛は何らかの刺激が硬膜の血管に作用すると起こるらしいけど、何らかの刺激って何。