『疲れない』ようになるブログ

やってみて、どうだったかの記録

【株】最近の日経平均上昇と、自分の投資状況について【どう動くべきか】

月足

力強いN字

テクニカルは信用していないが、N字は強いことが多いとされている。

・バフェットの日本株買い

・エヌビディアのAIバブル開始の狼煙(?)

このあたりで火がついた印象。

バブル弾けて以来の最高値となっており、”転換期”となる可能性があるポイントにさしかかったと感じている。

日銀総裁が黒田→植田に変わったことでの変化もあるのかもしれないが、その辺は難しすぎるので信頼するエコノミストの意見を参考にしたいと思っている。

 

とにかく、現状をみるとただPFを保有してなんとなく過ごすには無理がある。立ち回りを考えるべき時だと感じている。

短期的な加熱感があまりに強く、短期的天井(暴落)のおそれがあると同時に、乗らなければ乗りそこねた際の損失感が待っていると考えると、正直怖い。

自分の場合は指数銘柄は保有していないため日経は無視するというルール。

だが意識しないと感情が強く動いて余計なことをしてしまいかねないと強く感じているため、アウトプットして強く意識するためにブログを書くこととする。

 

日足

上昇トレンドに乗ったと見る動きでもある。

 

ここで注意点がある。

この日経平均上昇で、日本株全体が強く上昇している印象を受けるが、実際は違う

それは騰落レシオをみるとわかるのだが

この10日ほど、レシオは150からなんと104まで落ちた。

指数銘柄が上昇している裏で、他の銘柄の多くは下落したということがわかる。

 

ただ、幸いなことに自分の銘柄については、伸びてくれている。

バリュー投資をしているつもりなので、日経平均上昇してもそこまで上がってくれない覚悟はしていたが、今回はAI・半導体銘柄が上がってくれたことが大きく寄与した。

 

山洋電気

グレアムミックス係数 7.15

良好な決算から、旺盛な冷却ファン、モーター需要に加えて値上げによる業績良好の見通し。

更に大規模データーセンターへの期待(エヌビディア)が発表されたことで、週明けにまた伸びそう。

単価は高いが、今後の市況、最近の成長率、10年平均PERからの現状PERをみる限り下落リスクは低いと考えている。

 

○テラプローブ

グレアムミックス係数  8.8

半導体銘柄はPERが高い銘柄も多いが、ここはPER 8.8と割安圏内。PBRも低かったが最近の株価上昇で1まで上がった。

熊本で、世界的ファウンドリのtsmc(台湾)が関わり、そこが大きく期待されている。

台湾は「中国統一」を掲げる中国の軍事侵攻に備えて日本工場を建設、これはリスク分散の意味合いも強い。

テラプローブはTSMCのテストを受注することになり、日本のOSATは貴重。

 

○チャームケア

グレアムミックス係数 28.4

日経上昇なんて知らないと言わんばかりに動かない。

しかしこここそ自分の中のバリュー投資の本命銘柄。

右肩上がり(しかも成長率が下がらない)の業績と裏腹に、株価はここ1年半ヨコヨコで動いている。今集めないでいつ集めるのか。リスク負ってでも集中投資する価値があると考える。

ストーリーに陰りが見えない限り売る気はない。株価が動かないことによる機会損失はあるが、バリュー投資なのでそれは当然と考える。

ここは株価が下がっても心が全く動揺しないので、自信があるのだと思う。

→グレアム係数が、PBRが高い影響で22.5をオーバーしてしまっている。

 自信あると思っていたが、見落としていることないか再チェックする

 

○ランディックス

グレアムミックス係数 10.4

不動産銘柄。同分野の富裕層向け投資を扱うレーサムが先日、一瞬でツーバガーとなったのを横目に、同じことが起こらないかなあと指をくわえて見ていた。

S高を連発するという快挙、配当性向20%→40%を目指すという、株主への圧倒的アピール。増配はやはり強い、と思った。

それでもPER 7.6。不動産銘柄はPER低めであることが多いが、業種平均はそこまで低くない。レーサムはむしろまだ安いまである。

自分がこの暴騰の恩恵を受けられた可能性はあったのか、上がる前の状況から分析したい。

 

○ASTI

グレアムミックス係数 2.48

どう扱うべきか、考えるたびに結論が変わる。

一旦手放す、という考えは間違っていないと思うし、放置でもいい、という考えも間違っていないと思う。

この銘柄にかけている資金を、チャームケアに配分したいと思っている。

が、一旦下げたASTIのこの株価・PERは、これまでの10年平均PERからみて非常に安いことや、EV、半導体、自動車市況は有利に働く可能性が高いこと、などから、長期保有でも良いとも考えている。

正解はわからない。自分のPFは半導体が関連するものが多く、分散投資の意味合いもあり、100株のみ保有、ということにするのがベターと考える。

グレアム係数は、超割安。保有リスクは非常に低い。

 

 

○今後、どう動くべきか

まず、上がったら乗り換えるための銘柄を見つけ直す必要がある。

上がった銘柄を買うというのは自分の中で最大の愚行となるため、そこは徹底。というかそんなことはする気がないので、書くまでもない。

また、いくらまで上がったら売却、というシナリオは自分の中にはないため、割安さが今の銘柄よりも強い銘柄があったら、そちらに乗り換える、という手法を取りたい。

売り時を判断するのが難しすぎるため、この技は是非ものにしたい。

 

 

○今やるべきこと結論

四季報の読み直し

 上がったときにしっかり自信を持って売れるように、追加の割安銘柄探しを急ぐ。

・パフォーマンスランキングのブログから参考銘柄を探す

【10年平均PERの半分しかない株】ASTI 決算分析【来期予想は控えめ?】

5月15日、第4四半期決算

予想より良く着地。過去最高益。

そして24年通期予想は、少し減益〜横ばい(今回はここを検討)

 

決算短信より

・取引先の好調な業績で売上は前期比+10.4%

・営業利益は前期比+573.6%と過去最高だったが、原材料の高騰、急激な円安による製造原価上昇、流通網の混乱による一時的な空港貨物利用でのコスト増あり、売上高営業利益率は2.92%と低値だった

・経常利益は海外子会社の円安による為替差益が1.9億円あり、21億円(前期比+149%)

当期純利益は15億円(前期比+115%)

 

つまり、この一時的(コロナほぼ終了、ロシアウクライナ中国台湾の世界情勢次第、銅高騰は長引くかもしれない)なコスト増が改善し、売上利益率が3.5%くらいに戻れば、営業利益は22億円となり、24年も過去最高を更新する計算。非常に都合よく見積もればこのくらいになる。

純利益も18億円くらいで過去最高。EPSも、もちろん過去最高を更新する。

コスト高が戻らない場合も、四輪、二輪の売上予想的には、会社予想よりもう少し上がりそうだが…

 

売上も−2.9%と減少する見込みだが、ここの主な取引先と有価証券報告書に記載のあるスズキ、ヤマハ発動機の24年業績予想を見てみる。

 

スズキの5/15決算短信より

売上台数増加予想だが、今よりは円高に向かい原材料は高騰維持で、減益予想。

 

中期成長説明資料より

インドとアフリカ。人口増大予想の市場のシェアを取っているのが大きい。

 

ワイヤーハーネスを多く搭載するEVは

どんどん増える。

 

まだ皮算用だが、こんな予想となっている。

 

 

続いて、ヤマハ

経営成績の概況が記載なく、淡白な決算短信だが

自己株買。順調な証拠と捉える。

 

また、短信は蛋白だが説明資料が豊富で、そちらからいろいろ情報みていくと

過去最高益、二輪車需要堅調、生産台数増加、ロボットは半導体中国市場低迷

新興国二輪車需要は堅調予想、ロボットも下期から回復予想

 

総じて、悪くなさそうな印象を受ける。

 

新興国の状況をみてみると

出荷台数は東南アジアではインドネシア、タイ、フィリピンが前年比+

ベトナムでの出荷が72%と減少、在庫が余っている状況。

インドが101%と、以外と控えめであった。なぜ?

 

ASTIの前期の有価証券報告書より

おそらくこれの影響だろう

 

ここでちょっと単語説明を挟む

また、ROVはオフロード専用車のこと。

 

 

北米とアジアが増大、日本は減少。日本は二輪の市場としてはもう魅力が無い。

これらの変動がASTIにどの関わるか。

 

為替の影響の記載あり、参考にする

円安で、海外子会社での粗利益が(+)、販管費が(−)、輸出入では大きく(+)

輸出では強い。

 

 

スズキ、ヤマハとメイン取引先2社の今後の予想を見てみたが、結論としては

24年通期予想は、取引先の売上は堅調に伸びる見込み。

 

 

これらを踏まえてもう一度ASTIの24年予想をみてみる。

 

なぜ売上が下がる…?

車は売れる予想だ。

車載以外の影響が大きいのだろうか。

一度ASTIのセグメントを振り返る。

 

前回の第3四半期決算分析の記事も振り返りつつ

yama-maro.hatenablog.com

 

今回の第4四半期決算短信より

・車載電装品:各種電子制御ユニット、エアコン制御システム、コーナーセンサ)

・民生産業機器:洗濯機、食器洗浄機用の電子制御基盤、通信用スイッチユニット、産業用ロボットコントローラー基盤

・ワイヤーハーネス:四輪・二輪用ワイヤーハーネス、船舶用ワイヤーハーネス

 

車載電装品:売上181億円(新車は今後増え、車載電装品は増えそう)

民生産業機器:売上216億円(食洗機は増えているが、民生機器は国内は人口減少で今後厳しいのでは?営業利益大幅減、ここが嫌な予感がする

ワイヤーハーネス:売上250億円(四輪用及び船舶用ワイヤーの販売増とあるが…)

ワイヤーハーネスの割合は、3つのうち40%超と少なくはない。が、その他2種を足すと60%弱あり、ワイヤーハーネスを上回る。

車載も民生も重要だ。

 

そして、内訳だが、四輪、船舶のワイヤーが売れているが二輪の販売増という記載がない。

産業用ロボットも増えていそうだが、民生産業機器にこのロボットコントローラー売上増の記載がない。FA拡大の恩恵についての記載がほしい。

 

山洋電気の記事でも書いたが

yama-maro.hatenablog.com

FA拡大で、電動化がどんどん進んでいる。

電動化には、多くの場合、半導体基盤、モーターや冷却ファンが搭載される。

それに伴い、それらをつなぐワイヤーハーネスも増えてよさそうだが、どうだろう。

 

民生産業機器は、HPみるとこんな感じ



 

 

二輪について話を戻す。

スズキは四輪も強いが、ヤマハは二輪だ。

ヤマハの売上増の恩恵をあまり受けられていない?のか、たまたま今回決算短信に書かなかっただけ?なのか

インド銘柄とは名ばかりなのか?

 

前期の有価証券報告書より

ベドナムの事業、ヤマハの二輪はベトナムが前期比70%と減少していたが…

今期の売上が予想超えて着地したので、大丈夫なのだろう。

 

また、5月15日のIRではこれが追加された。

例のフィリピンの新工場、リスク分散で新設されたものだ。

 

更に

11年ぶりの、国内新工場稼働。バッテリー充電器という重要製品を生産する予定。

「将来の二輪車の電動化に向けた」、インバーターも開発予定と。

…遅い、のでは?まだ大丈夫なのか?

 

インバーターについて

b2b-ch.infomart.co.jp

電動エンジンの中核、インバーター。重要だ…。

 

 

また話が逸れた。二輪車のワイヤーハーネスの売上の記載がない懸念についてだが

 

もしかしたら、ASTIは二輪の影響が少ないのだろうか。「二輪」で検索

そんなことはなさそう。

日本、フィリピンの新工場どちらも二輪向けがある。

 

また、この有価証券報告書からは

・国内自動車メーカー向けに、電動二輪車用車載充電器を量産。

ベトナムがどうなるか、やや不安。中国とベトナムの分を、順調な拡大が見込まれるインドで挽回できるのか。

この辺が気になるところ。

 

まずは国内自動車メーカーの電動二輪に、充電器を買ってもらう予定。

電動車の充電器って、リチウムでは?

ワイヤーハーネスの銅も、充電器のリチウムも、生産国が、チリ。

大丈夫だろうか。懸念の一つである。すでに銅の高騰で甚大な影響を受けている。後述するが、銅の価格は20年のコロナ開始から現在で、なんと2倍になっている。

ただ、それも含めて増益しているので、高騰が収まれば、増益が見込める。もっと高騰すれば、つらい。そうなると値上げで凌ぐか、赤字になるかだ。世界的にはどこも値上げで対応している。世界的インフレ。

 

さて、二輪用の充電器についての記載が、4Qの決算短信にはなかった。

この二輪充電器事業、うまくいっていない可能性がある。

いや、5月に稼働したばかりだからか。そうか。

 

それか、二輪の影響が少ないのは、ワイヤーハーネス業界の中でのシェアが高くないからか。

 

ここで、ワイヤーハーネスのシェアについてみてみると

2017年のネット記事より

wireharness.jp

とある。

 

また、別の記事(2022年)では

newswitch.jp

営業利益率の低さが共通の課題だ。

 

 

ワイヤーハーネスで世界シェアの高い、矢崎総業住友電気工業古河電気工業の3社をみてみる。

 

まずは住友電工

どこも同じだが、中国の影響、原価高騰、円安。
円安は+に働き、売上高は過去最高。ここも過去最高か。

 

セグメント別

 

24年の見通し

自動車関連は売上高2兆3000億円予想で、前期比+24%(!)となる

前期の売上の詳細をみると

銅価格上昇、円安、原価高騰、物流混乱、半導体不足がキー。どこも一緒。

ワイヤーハーネスは、「銅価格上昇」がそのままダメージになる。そして、これに対して後述だが「アルミハーネスが」重要となってくる。

 

今後について

「アルミハーネス」。EVは軽量化必須だからだ。

今期も銅の不足、価格高騰。

 

 

さすが住友電工、色々と規模が違う。

 

重要なのは

・自動車関連が+24%にもなる予想

・銅価格上昇がおさまらない

・アルミハーネスへの転換

の3点。

 

 

続いて、矢崎総業、ワイヤーハーネス世界シェアトップクラスの企業はなんと、東証上場していない。

 

HPに、非常にわかりやすい資料があるので載せる

創業は古いが、非常に情熱を感じる。

 

 

続いて、古河電工

電線3強。ここまでの3社のことだろう。

 

売上増の要因として、アルミハーネスの販売強化、原材料増加に対する値上げ、ロックダウン時の緊急輸送費がなかったこと、が挙がっている。

電装材料事業では、下期は車載製品の需要減少があった。

 

アルミハーネス。

 

今後の見通し

世界経済、自動車・半導体市場の”年度後半”からの好転を前提とした売上増加、としている。

 

中長期的な戦略として

EV化の加速に伴う自動車軽量化ニーズ、新車種への搭載を拡大しているアルミハーネスの優位性を活かして収益拡大、さらに半導体需要の拡大が見込まれるため半導体製造用テープ量産のための新工場建設、と。

重要なのは

「EV自動車の軽量化ニーズに応えるのはアルミハーネス」

 

 

ここまでワイヤーハーネス3強をみたが、ポイントは

①自動車需要増加に伴う、車載製品の需要増加

②銅価格上昇がおさまらず原価高騰、値上げで対応

③EV自動車軽量化ニーズに応えるアルミハーネスの拡大

だろう。

 

特に②銅の価格上昇、③アルミハーネスの拡大、に関してASTIはどう対応しているのか。

銅の価格については

diamond.jp

 

しばらく、銅は安くならない可能性が高い。チリはリチウムを国有化し利益を守ることを宣言しており、胴もその懸念がある。

 

ちなみに、リチウムは

こんな感じで

電動自動車販売数世界一の中国は、バッテリーが強いという背景もある。

 

 

銅について、前期の有価証券報告書で見てみる

 

②③銅の価格上昇、アルミハーネスについて

研究開発の項より

 

前期で、開発中。

他社はすでに開発済で、すでに車に搭載している。遅い…。

企業の規模が違うとはいえ、これはあまりに痛い。シェアを圧倒的に取られてしまっている。

ただ、伸びしろがあるとも考えることはできるか?

 

製品的な魅力は、トップ3には劣る印象が強い。

株価の低評価、割安さで勝負になる。

果たして、割安なのか?

 

住友電工古河電工と、成長性や収益性を比較してみる。

 

住友電工

10年平均PER 16.9  現PBR 0.69  現PER 13.2

株価はレンジで、伸びしろがない印象

 

10年で売上2倍

 

ROE 5〜6 営業利益率 3.5〜4.5

 

 

古河電工

10年平均PER 20.2  現PBR 0.58  現PER 13.5

株価は底で横ばい、成長性があれば期待できる形はしているが…

平均PER高すぎる

 

10年で126%。低成長。シェアは強いが、PERほどの成長率は全くない。

 

ROE 3.5〜6.0 ROA 1.0~1.18 営業利益率 1.0~2.5 収益性低い

 

 

そして、ASTI

10年平均PER 14.2  現PBR 0.47  現PER 7.0

現PERの低さが光る。

10年で株価は2倍弱、年成長平均は単純計算で6−7%くらい。

PERは、妥当ではある。が、10年平均PERからみると、半額状態

業績は過去最高なのにPERは10年平均の半分というのが、この銘柄の最大の強みだ。

(ただし10年平均が高すぎる印象は、ある)

営業利益率 2.1~2.9 低い ROE 3.8~7.5 総資産回転率1.36~1.52と、以外と良い。ずっと高い数値をキープしている。

 

この3社を比較すると

成長性:住友>ASTI>>古河

収益性:住友>ASTI>>古河

割安さ:ASTI>>>住友>古河

となる。

 

自分の投資スタイルで最も重要なのは、ある程度収益性、成長が担保されている前提での「割安さ」なので、この中ではASTIが最も魅力的で、買うとするとASTIとなる。

強みは、下落リスクが低いことと、株価の上昇余地があること。

懸念としては、成長性の低さ。これは円安、原価高騰の影響が強い。

PERの立ち位置が素晴らしいため、成長性の低さとの天秤。

もっと良い銘柄があれば乗り換えるべきだと考える。

 

 

○まとめ(ストーリー)

ASTIは、車載電装品、民生産業機器、ワイヤーハーネスを扱う企業である。

業績は売上、経常益は過去最高を更新、EPSも過去最高に近く、配当は前期の40円から23年は90円と増配した。

一方、株価の割安さをみると、直近10年の平均PERが14で推移する中で、現在 7と、業績が好調の中で割安圏にある。ここが、この銘柄最大の強みである。

ワイヤーハーネスが主力の一つであるが、シェアは大手と比較し弱い。

今後EV車の増加に伴い需要が拡大すると予想される電動二輪車のバッテリー充電器、およびアルミハーネスの生産に関してもまだ開発段階にあり、大手より大きく遅れを取ってしまっている。

一方、売上は増加しており、国内には開発用の工場を新設、国外にはフィリピンに生産増大のための工場を新設、2023年5月から稼働となっている。

これらの製品が開発、生産され、売上に反映されれば、増益の余地がある。研究開発費には注意が必要のため決算短信はしっかり見ていく必要がある。

また、24年期予想では売上がわずかに減益予想であり、詳しい理由や前提条件は述べられていない。

個人的には、民生産業に懸念があるが、車載とワイヤーハーネスは伸びるのでトントン、という予想をしているが、民生の売上が落ちないのであれば、この予想は控えめな数字であると考える。

バッテリー、アルミハーネスが成功すればホールド確定、そうでなければストーリーが変わるのでそこまで、という予定。

 

 

 

5/18 追記

決算通過、株価は大きく下落した。

この時点でPER 0.59 PBR 0.43

割安に見えるが、成長率を見るとそうでもないというのは述べた通り。

ただし、10年平均PER14と比べると半分以下なので、この銘柄の歴史上では株価は安い位置にある。

ただし、エフテックやジーテクトなど、自動車部品会社の成長率は、業界全体が低い。

 

繰り返しだが、成長率は低い。

この点を深刻に捉えるべきであった。

 

個人的に、この直後の下落だけをみると、持ち越しは失敗であった。

(まだ一時的な下落なので持ち直す可能性はあるが)

 

ワイヤーハーネスだけでいうと、今後は期待できるはずなのだが、シェア率やアルミハーネスなどで遅れを取っているのは大きな懸念ではあった。なので、下落した際にホールドし続ける根拠が、自分の中で薄かった。

上だけをみていた感はある。大きく反省。

今後、株価を上げていく可能性は当然あるし、そう予想しているがちょっと根拠が弱い。

その前の記事でも同じことを書いたのに、持ち越してしまっていた。

ワイヤーハーネスの将来性と、平均PERに対する現PERの低さの2点が根拠であったが、成長率が低いため、下げた際に買い増す根拠と自信がなかった。

下がった際の対応をあまり考えていなかったのが原因。

 

結果論から言うと、成長率に根拠がない銘柄なので、決算前売っておくべきだった。

利確千人力、一攫千金を狙わない(そもそも狙える銘柄ではない)。

自分ルールをまた破った。

 

コツコツやりなさい。

 

 

 

さらに言うと、今回の決算短信の今後の予想(超重要)が

という。

改めて見ると根拠も前提も書かれておらず、リスクだけ書いて終わる適当さ。

車載がどうとか、民生がどうとか、ワイヤーハーネスがどうとかないの?

アルミハーネス開発は?取引先の状況とかフィリピン工場とか、ないの?

こんな予想出しておいて、1Qが予想よりもなんだか調子よくいけば上方修正のIR出すの?

そのときにまだストーリーが生きていれば買えばいいの?

 

控えめな予想だからきっと今後上方修正してくる!下がった今がチャンス!と考えることもできる。が、そこまでの自信と経験がない。

この銘柄は、自分は一旦引くべき。

高値掴みではなく市況は回復の見込みのため放置して期待でもいいが、一度下げるといつ上がるかも予想がつかず、売るに売れず資金効率低下が起こる可能性が高く、それなら他に枚数増やしたい銘柄がある。

売ってから上がったら、縁がなかったと諦める。最初に調べた自分が正しかったと思うこともできる。

沢山調べたこの経験は生きる。

 

 

2023.6.6 追記

 

平均PERの解釈が間違っていた。

13−17年は10−20くらいあるが、19年以降は4台もある。コロナで3.5まで落ちた。

その後は4−6くらいで、現在に至る。

微妙だ。やはり、過去のPERがそもそも高すぎると見たほうがいい。

この銘柄を平均PERと比べるのは、よくない。

グレアム係数は割安ではあるが…

【好業績割安株】チャーム・ケア・コーポレーション 6062【3Q決算分析】

チャームケアを保有するにあたって、決算の数字はまずここを押さえないとおけない。

不動産開発事業は、売上計上のタイミングに相違があり、前記は3Qにこれが加算されて特別利益として計上された。

こんな感じ。

この2022年3Qと比較されるので、当然、前期比が大きくマイナスになる。

今期の不動産利益は、4Qに計上されるので、4Qの経常利益は前期比でわけのわからない数字(4.8倍、26億円)が出てくる予定となっている。

 

株探のニュースには

とあり、進捗率が非常に悪いような書き方をしている。これに騙される(?)ホルダーがいるのかはわからないが、全く調べないで信用買などした一見さんは狼狽売りする可能性はある。

 

ちなみに、4Qに計上される金額は

この2件(29億円+7.5億円?)の、合計36.5億円?が計上される?

売上なのか経常利益なのか統一してほしい。

 

あとは、本業の介護事業の稼ぎが維持できているのかどうかを見れば良い。

稼ぎ柱の高水準入居率が維持できているかが、最大のポイント。

 

3月末時点で、既存ホームが94.9%、ライクのが94.4%。

問題なし。

ライクの改善が素晴らしい。さすがだ。

 

一番気になるポイントは問題ないことが確認できた。

あとは売上の数字等みていく

 

 

まず、柱の介護事業の売上は

介護事業 売上+17.7% 

人材派遣事業も+21.9%と伸びている。

そして不動産は、前記3Qは25億円計上されており、その分がマイナス。

なにげに、新規事業の売上が通期で15億円の予想となっている。利益は2000万円で、まだ大きな利益にはならない予定。AIのアレだろう。準備段階。

 

ライクの入居率と、売上の増加を比較すると、あることに気づく。

76.1%→92.0%と、16%改善した。

それに伴う売上の変化が、7億円→12.8億円と、+55%となる。

単純計算すると、ライクの部屋数であれば、入居率が1%上がると、売上は3.4%上がることになる。

入居率が10%下がると、売上は34%下がることになる。

(※部屋数が不変の場合)

ただ、既存ホームの部屋数はどんどん増えているため、単純計算ができない。

この計算はちょっと意味なかった。

 

 

部屋数をみてみる

合計、5673部屋。

95%入居しているとすると、5389部屋は入居、284部屋が空室。

あとはブランド別で価格が違い、計算するとなにかがわかる。

 

 

不動産の強みについて

特徴が、全て強い。特に、③の売れなくても自社で運営すればよい在庫リスク0が強い。

入居率の高さから経営の旨さは折り紙付き、在庫リスクがないどころか、そもそも売らなければ良いとすら思えるが、教育された従業員の数(質がどの程度高いのかは不明)の確保等、サービスの質の低下が起こらないようにしているのかもしれない。

アセットライト志向なので、収益源とともに、リスク管理の一つのようだ。

 

説明もされていた。はやり、運営の品質維持のため、自社運営ホームの開設を絞っているようだ。

ただ、良い土地をゲットしたり、付加価値の高い建物を建てたりができるノウハウがあるため、不動産が可能となり、実施している。

つまり、在庫リスクは0だが、もし売れないと、予定外の大量のスタッフ採用や教育研修などが費用としてかかることになる。

現状は問題ないため、そこまで不安視する必要はなさそう

 

 

大きな懸念、コロナ補助金について

3Q決算短信より

コロナ関連費用のほぼ同額を補助金として受給、本当だろうか。もっともらっているのでは?

まあ、本当だから書いているのだろう。

マイナス分を補助金で埋めたのであれば、現在の利益がコロナ特需ではないと言える。

 

公認会計士の監査付き。大丈夫だろう。

 

今後の予想

2016年以降の、この成長性の高さ。

不動産が注目されやすいかもしれないが、本業は、安定した介護事業である。

 

そしてこの成長率に対して、このPERの低さ

2016年からの平均PER21.5現在、9.4。

 

PERは15あってもいいくらいだ。

成長率的には株価1.5倍、現時点で1500円が適正価格としてみても良いのではないか。

 

ホームを新設し、部屋数が増えればそれだけ売上が伸びる。今後も増えていく。

わかりやすいビジネスモデル。

どこかで、質の維持などの限界が来て入居率が維持できなくなるのかもしれないが、今はまだその気配はなく、ガッチリホールドで良いと思われる。

 

ストーリーに変化なし。割安。

継続。

 

 

 

追記 5.28

PBRの高さが気になるため、財務状況をチェック。

純利益に対する株価は安いが、純資産に対する株価は割高。これを説明できないといけない。

 

まずはバランスシート(22年の有価証券報告書より計算)

 

流動比率は105%、1年以内に現金化されるお金(流動資産)より、1年以内に返却しないといけないお金(流動負債)が、なんとかちょっとだけ少ない。ぎりぎり。

直近はどうなっているかというと

3Q決算短信より

流動比率、ちょっとオーバー。

 

資産、負債の内訳みていく。

22年有価証券報告書より

流動資産内訳

現金 69.0億円

売掛金 26.0億円

販売用不動産 5.8億円

開発用不動産 19.0億円

金銭の信託 44.3億円(金銭信託、なぜ??)

 

流動負債うちわけ

・買掛金 2.6億円

・短期借入金 21.4億円

・1年以内に返済予定の長期借入金 11.8億円

 →返済予定の借入金 33億円

・リース債務 0.9億円

・未払い法人税 15.1億円

・未払い金 16.4億円

・契約負債 88.7億円 これは?

 

22年の有価証券報告書で、「会計方針の変更」の項があることに気づいた。

こういうのに重大なリスクが潜んでいる可能性がある。例えば業績の悪化を隠したいときなど…。

 

記載されている変更点

①入居一時預り金額の全額を、平均入居期間にわたり均等に収益認識する方法へ変更

②「前受収益」、「長期前受収益」を「契約負債」として表示

③”固定資産”に表示していた「金銭の信託」を”流動資産”として表示する

 

つまり?

①入居一時預かり金が、一気に収益に反映されず、減価償却の逆のように数年で分けて入ってくるように変更された。これは別に良い。

つまり、1年分の入居利用料をまとめてもらうが、まだ1ヶ月しか経過していなければ残り11ヶ月分はサービスを提供していないので、負債として勘定されるということ。

それらをまとめて「契約負債」として記載することとなった。

①と②をあわせて、一気に増える減るではなく、段階的に、より平均的に表示することにしたと。

前受収益(契約負債)を平均的に表示するのに合わせて、入居時の預り金を平均的に表示されるようにし、トントンで直感的にわかりやすくした。

特に問題なさそう

③金銭の信託(投資信託のようなもの)が、固定資産から流動資産に含まれるようになった。流動資産に44億円上乗せ。つまり、流動資産が急に増えたように見える。

実質は信託の価値があるので、おそらく資産としての価値は減らずとも増える算段と思われるが、なぜ信託なぞやっているのかも不明。

重要なのは、この信託をすぐに現金化するとは思えないので、実際の流動比率が変わるということ。1年以内に現金化するから”流動”資産に移したのか?

 

と思ったが、収益認識会社基準等の適用、とあった。これは

こうしてくれ、と、この新制度が強制適用となったため、チャームもこうしただけだ。

邪な意図はなさそう。

 

GPTに聞いてみた

金銭の信託とは

固定資産→流動資産として記載されるようになった理由はわからなかった。「これに伴い」とは?

 

ちなみに、金銭の信託を固定資産にいれたままだと、流動比率は100%をそれなりに切る。

 

CFみておく

営業CFしっかりあり、フリーCFは確保できている。

 

これらより、負債が増えすぎないかの観察は必要だと考える。

キャッシュ減少がないかは、ちゃんと見ていく。

 

ここまで財務をみてきたが、いまのところ、財務上の重大なリスクはなさそうである。

 

 

PBRが高い理由について、なにかがわかったかというと、流動負債が多めであること。

借金しレバレッジをかけながら、業績を拡大している。

ROEの高さからくるPBRの低さとも取れる。

ROE高い。

 

そして自己資本比率は、実は昔と比べるとここ数年は上がっている。

10年前はだいぶ無茶をしていたが、最近は30%は保っている。剰余金も増やしている。

 

大丈夫そうである。

 

PBRが低くなる時は、借金をしなくなる時。つまり大きなお金を必要とするホーム新設をしなくなる時。

ホーム数が増えなければ、成長は止まる。

今はホームは増やしている真っ最中であり、PBRが低下していくことはないと思われる。

ただ、介護事業の需要が多く、需要>供給であり、更には駅近物件富裕層向けとなると更に需要>>供給となり、市況に対する立ち位置としては非常に良好である。

自社株買いをすればBPSは上がり、PBRは下がるが、自社株買いするくらいなら借金してホームを増やす、つまりお金の使い道として業績拡大を選びそう。

 

○PER、PBRの解釈まとめ

PERは成長率からみて低く、割安である。純利益、EPSは急激に伸ばしてきている。

PBRは高いが、これは流動負債の高さからくるものが大きい。借入金を使い、ホームを新設している。ROEが高く、レバレッジを効かせて業績を拡大している。

自己資本比率は10年前は10%台だったこともあったが、ここ数年30%以上をキープしており、財務状況は改善、安定化している。

PBRが高いことで割安さは減少するが、レバレッジをかけてうまく成長していると見ることもできる。EPSの上昇率の高さ、攻めの姿勢がPBRの高さに表れていると解釈する。純資産が減少しているわけではなく、悪いPBR高ではない。

 

○結論

問題ない

【割安株】山洋電気(6516) 4Q決算分析【次期の半導体の動向も含めて】

先日分析した山洋電気

yama-maro.hatenablog.com

 

4月27日、決算。

予想通り大きく増益で着地。

 

配当は

当期135円→次期140円の増配予定。

 

株価は(下のグラフは日足)

大きく伸長した。

純利益は会社予想よりもわずかに低かったが、2024年の予想数値が良いことや、増配もし、次の増配も予想されたためか、株価は伸びた。

あとは割高ではないというのが大きいだろう。これがPER 20だったら上がらないどころか、急落していた可能性が高い。

 

【低PERであることの重要さ】

発表される業績がバッチリ良くても、株価が高すぎれば何をやっても下がる。しかも多くの場合は下がり続け、長期間元に戻らない。高値掴みは株式投資にしろ投機にしろ、最悪のミスのひとつだ。

高PER株にはロマンもあるが、そういう恐ろしさがある。

低PER株も長い間株価が伸びず資金効率が悪くなることはあるが、暴落しての塩漬けよりは遥かにマシだ。

ただし、低PERでも業績が一気に悪化して(一時的な特需を読めていなかった場合など)急にPERが高くなることがある。そこは常に注意する必要はある。

 

 

【他の同種企業と比較】

表は左から売上、営業利益、経常利益、EPSの値

 

山洋電気

 

安川電機

 

オムロン

 

ミネベアミツミ

 

(ニデックはM&Aや750億円の構造改革などいろいろやっており比較が難しいため除外)

 

ここ8年で比較してみたが、売上、経常利益、EPSの伸びがとても良い。ミネベアミツミも良い)

2024年の通期予想も、売上の伸びはミネベアミツミに次いで高い8.5%。

一方、2024年の営業利益は軒並み1桁増益の予想に対し、山洋電気23.7%と非常に高い予想を出している。

この予想利益の高さについては、最も重要になるポイントの一つになるだろう。(後述)

 

にも関わらず、2023年4月28日現在でPER 6.5と、この中で唯一割安圏にある。

PBRも山洋電気だけ1未満だ。

他はPER 14〜28、PBR 1.7〜4.1と、指標的には割高。

 

【PERについて】

ピーター・リンチの考え方を参考にしている。

年成長が5%なのにPERが10なら割高だし、成長率が10%なのにPERが5なら割安。年成長率と同じくらいが妥当、というようなわかりやすい考え方。

PERの数学的、統計学的な強みとかはないかもしれないが、シンプルで大変に良い。

当然、大きな期待でPER50以上でも伸びていく企業はあるが、そんなものは除外する。自分にとってはリスクが高いので、無視。

なので自分の中でPERが20を超えるのは、成長率が20%以上である必要があるので、かなり限られてくる。だからこそ保有すべき銘柄が絞れて、良いあれこれ調べる時間もなければ、買う資金もない。

そして、成長率が高いそういった企業は、期待でPER 30〜50なのが当たり前にある。そしてそんな割高すぎる株価が、突如暴落し、ずるずる下がって半値以下になるものもコロナ渦、コロナ特需後でたくさん見てきた。

 

同業種で一番伸びている企業が、一番割安の指標を持っている。

今後の成長戦略が悪いわけでもない。

出来高が少なく、市場に気づかれていない

こういう株が一番好きだ。そんなのしか買いたくない。

 

 

【決算内容をみていく】

 

4Q決算短信より

主要なターゲット市場である、通信装置、ロボット、半導体製造装置などのFA市場の需要は堅調に推移。

 

日本:売上+18.1%、利益+24.8%

北米:売上+65.6%、利益+76.5%

欧州:売上+42.7%、利益+59.0%

東アジア:売上+5.8%、利益+1.0%

東南アジア:売上+33.4%、利益+7.4%

 

予想通り、中国が良くない。

北米では大きく伸長。

 

山洋電気全体のうちの中国、北米の売上はそれぞれ10%程度。

東南アジア20%、欧州3%だった。(2022年)

 

 

続いて、重要な事業部門別の営業概況

①クーリングシステム(サーモマネジメント:冷却ファンがメイン)

年度末にかけて需給調整あったが、EV用急速充電器、一部の電源装置(?)、5G基地局などの通信機器、半導体製造装置、サーバーやストレージなどの幅広い業界からの需要が堅調に推移。

売上+37.0%、受注高−19.6%、受注残高+6.3%

 

生産能力は工場への投資で拡大傾向だが、これが需要減少で在庫になると辛い。

年度末にかけて需要調整あったとのことなので、1Qの結果は重要。2024年の予想が果たして妥当なのかは、しっかり分析しないといけない。

 

※受注高、受注残高の違いについて

今後増える収益は受注高?受注残高?

期首と期末で考えないとわからないようだ。

受注高は、ある期間、たとえば3月1日(期首)から3月31日(期末)までの受注したが未納品のものの総額。

受注残高が面倒で、期首より前での受注残高と、期中の受注高を足して(期首前も含めて、期末時点での未納品のもの、つまり、期末時点から過去の未納品のもの全て)売上を引いた金額、つまり、今後増えるのはこの受注残高、ということ。

受注高は、次の期中に全て売上になれば良いが、持ち越す場合ばこの受注残高を使う。

 

つまり…?

 

期末(今回)の受注残高が、2024年期に売上になるとされる金額、で良いのか。

前期から引き継いだ受注残高に今期の受注高を足して、それが来期にいく。

今期の受注高が低かったということは、多くの製品がすぐ納品されて売上に変換された、ということ、でいいのか?

なので、来期にプラスされる金額は、受注残高?

 

ということにしておく…。

 

 

②パワーシステム(電源装置など)

ここは売上比率が7%と、そこまで大事ではない分野。半導体製造装置、医療向けが堅調だったと。再生エネルギー向けが低調。(太陽光などか)

売上+0.5%

受注高−11.0%

受注残高+6.3%

 

 

③サーボシステム

EV、リチウム電池の生産設備、ウェハ搬送ロボット向けの需要が増加。

射出成形機(型をつくる機械)、工作機械(木材や金属などを切ったり圧迫したりする機械)、ロボット向けも堅調に推移。

一方、半導体製造装置向けの需要が、年度末にかけて減衰。

クーリングやパワーシステムでは堅調と書いてあったが。

半導体製造装置に対しては、ファンや電源装置は売れたがモーターが売れなかった、のか、半導体装置自体の需要が減ったのか。それならファンやパワーシステムも減るはず。なので、モーターが売れなかった、または半導体製造装置に必要なモーターの数が減った、と見るべきか。

後者だと、とても良くない事態だ。

Chat GPTに聞いてみたら

半導体製造装置の進化とともに、必要なモーターは増える、と。

それが本当なら、モーターのシェアを他の企業に取られている、と判断する。

良くはない。確かに競争が激しい分野ではある。

それでも来期の増益予想が他より高いのは、なぜだろう。納得のいく説明が見つかるまで調べる必要がある。

 

それにあたり、まずは半導体製造装置を作って売っている企業の業績をみてみる。

 

東京エレクトロンアドバンテスト、SCREEN,キヤノンの決算内容を確認。

このうち、決算が出ているのもは、アドバンテストキヤノン、の2社なのでみていく

 

アドバンテスト

来期はSocテスタ(非メモリ)、メモリともに需要落ち込む予定。

非メモリも落ち込むの…?

 

主要民生機器向け(おそらくメモリだろう)の減速は、在庫調整継続の予想。

一方、高性能半導体は増加する。

半導体検査(テスト)装置」と「半導体製造装置」は区別する必要がある。

アドバンテストは、テスト装置がメインだ。

 

HPより

 

前工程(ウエハテスト)、後工程(ファイナルテスト)ができる装置を作ることが、アドバンテストのコア事業。

テスタの世界シェア50%超えと、大手中の大手。

ここが、世界の半導体需要は短期的に減少、と予想しており、テスト装置需要減少で来期大幅減益予想?(高性能半導体は増加するが、カバーしきれるほどではない)

 

ともかく、テスト装置アドバンテストの決算的には、かなり厳しい見込みのようだ。

 

にもかかわらず山洋電気の2024年予想が良いのは、山洋電気は”製造装置”向けなので、対象はテスター装置に限らない。テスト装置以外の半導体製造装置の製造需要を見込んでいるのだろう。今の半導体は、短期的にメモリ関連、テスター需要は弱いが、その他の需要は堅調だ。

ウェハ搬送装置、クリーンベンチ、サーマルチャンバ、など、とにかく幅広く対象になっている。

あたりまえだが、全てのモーターやファンが半導体向けというわけでもないというのが大きいのだろう。

 

 

続いて、キヤノンをみてみる

 

2024年度1Q決算 もう出てるのか

コロナ特需を終えて、メモリは、弱い。それはもうどこの決算や予想をみても明らか。

一方、パワー半導体は堅調。これもまた、どこもそう。

非メモリは全体的に強い。

 

見通し

半導体工場の建設は旺盛な需要が継続すると想定。

山洋電気には、追い風。

 

 

続いてSCREEN社、4Qはまだ出ていないが、3Q決算をみてみる

半導体メモリメーカーの設備投資は縮小も、IoT、DX投資、EVなどでファウンドリ(半導体チップの製造:前工程)ロジックの設備投資は堅調。(3Qの話)

 

 

ここまで半導体製造装置の最近の動向を見てみたが、半導体試験(テスト)装置の需要は一服しており、また製品としてはメモリは弱いがロジックなどは強い。

試験する機器は、もう新規にはあまり売れない。多くのテスト企業が、すでに所持している段階だからだ。

だからといって半導体のテストそのものがなくなるわけではない。テスト企業(例えばテラプローブ)が所持するテスト装置が古くなったり、高性能化を求めて新規に購入するようになれば、アドバンテストの売上も戻ってくるという仕組み。

 

山洋電気に話を戻そう。

山洋電気の、メモリ向け関与が大きければ、業績はファン、モーターとも大きく落ちているはずなので、そうではないということは、伸びている半導体に関わっている部分が大きい。主にFAに関連しているので、メモリ云々はあまり関係がないのだろう。

半導体試験装置の需要は大きく減少する見込みだが、売上に対する半導体”試験”装置の割合は少ないのだと思われる。

 

半導体”製造”装置について、Chat GPTくんに聞いてみた

本当かどうかはおいておいて、概要を掴むのには本当に有能なAIだと思う。

「教えて」と言うと「ください」をつけろと毎回指摘されるのはなんなんだ。

こうみると、冷却ファン、モーターというのが、メモリを含む”半導体そのもの”の需要が増える限り装置が必要なので、冷却もモーターも種類を選ばず必要、というのが強みだ。

 

内閣府半導体資料(2021年)を参考にすると

半導体工場の新設・改修”国家事業”として主体的に進めていく。それには大胆な支援措置が必要。

日本半導体の命運をかけた、北海道のラピダスの始動もある。

今後は国内の半導体工場関連は、国策として需要が増える見込み。

 

短期的にはわからないが、FAは旺盛であり、半導体についても、取引先の需要低迷については心配無用、と考えて良いと思われる。

 

 

山洋電気の来期予想の根拠】

決算短信には特に書いていなかった。

対象市場は縮小しない、価格改定(値上げ)でも売上はそこまで減らず利益増、円安は続くという予想だろうか。

現状、FAの動きが減衰するとは思えないので、大きく下げることはなさそうだとは思っている。

 

【ストーリー まとめ】

ストーリーに変更なし。

 

山洋電気は、冷却ファン、産業用モーターを扱う製品会社である。

成長性は20年で売上や純利益が2倍と低成長であるが、省エネや耐年数の優れた冷却ファン、高性能モーターのメイン市場である半導体製造装置、FA(工場自動化)、ロボット、大規模データーセンター、EV充電器の需要拡大が更に期待される状況であり、円安も含め2023年の利益は大きく伸長した。今後も売上の成長が期待できる。

4Q決算後に株価は高騰したが、それでもPER 6.6倍、PBR 0.88と、割安圏に放置されている。(ここ10年の平均PER 14.5)

競争企業には、オムロンミネベアミツミ安川電機、ニデックなどの企業が挙げられるが、いずれも株価は評価されており、割安感はない。

懸念としては、売上の50%以上が日本であるが、現在の円安が為替利益を大きく生んでおり、この変動には注意が必要である。

 

 

 

売り上げよりも営業利益や純利益が大きく伸びる予想の理由については、また次回調べて考える。ここが大事。

・営業利益を損ねないのは原価高騰に対して値上げをしているためか

 売上予想は控えめなので、原価高騰が落ち着くと踏んでいるのか

・為替は営業外損益なので、掛け取引での変動は経常利益に反映される

・原材料をどこで仕入れているか(原価の円安影響の大きさ 国内 or 国外)

・為替損益の影響の予想(2Qは、増えた売上のうち、41%が為替での利益だった)

 例えば自動車部品業界は、円安がなければ赤字なところもある

【割安株】山洋電気(6516)分析【冷却ファンとモーターの需要は伸びる】

決算は4/27、もうすぐ。

 

冷却ファン、サーボモーター(いわゆる、モーター)が主軸。

 

今後の成長余地としては、冷却ファン、モーターとも、世界のデジタル自動化、ロボット化による需要増が予想される。

パッと思ったことと、少し調べたことを合わせて予想されるストーリをまとめてみる。

 

○ストーリー(需要増大するか)予想

冷却ファンを考えるにあたり、”半導体”との関連を考える。今後も間違いなく需要増大していく”半導体”の冷却には、熱に敏感なエレクトロニクス製品用に設計された高効率高性能の冷却ファンが使用される。冷却ファンは、半導体の温度を下げ、デバイスの信頼性や性能を向上させるために重要。(ちなみに、iPhoneには冷却ファンはついていない)

半導体技術は今後も急速に進歩していくし、より高密度でより高速なチップが必要になる。半導体の機能を維持するための排熱は常に付きまとう問題であろうことから、冷却ファンの需要は増加すると予想される。EVもそうだし、レストランの料理配達ロボットもファンを使う。

そして、冷却ファンは”大規模なデータセンター”や人工知能、IoT、モバイルデバイスなどの用途にも使用され、とにかく需要が多様化していることから、今後も需要供給は拡大すると考えられる。

データーセンターについても、現状は半導体のメモリ分野は”コロナ”でパソコンやスマホなどが爆売れしたことから”一服”しているが、これは”一時的”なものであり、今後の半導体はメモリも再度増加に向かうだろう。

 

これらの理由で、冷却ファン、モーターの需要は増大すると考える。

 

これを踏まえた上で、山洋電気をみていく。

 

①冷却ファン、モーターの売上は実際に伸びているのか

 商品の比率は(ファン、モーターなど)

 どんな製品に対してのファン、モーターを作っているのか

②新製品の開発、研究などの投資の程度は

③日本、海外どこが主市場

③シェアはどの程度か

⑥業績、割安さはどうか。PL、BS、CFから詳しく。ライバル企業との比較も

 

調べていく。

 

①冷却ファン、モーターの売上は実際に伸びているのか

 商品の比率は(ファン、モーターなど)

 どんな製品に対してファン、モーターを作っているのか

 

まずは決算説明資料、決算短信有価証券報告書から

 

製品概要

冷却ファン、電力供給装置、モーターの3つが主要製品

 

製品の使われ方

病院、半導体製造工場、EV充電、発電所、携帯電話基地局など

病院でのPCR検査特需に注意。この利益は今後なくなるものと考える。

 

2023年3Qの決算説明資料より

 

サーボシステム  55.4%

冷却ファン 31.2%

電力供給装置     7.3%

 

コロナ渦の去年と比較して、ファンとモーターは大きく売上増。

 

モーターでは、半導体装置、搬送ロボットの需要が大幅増大。5G、リチウム電池製造設備投資での使用が増えた。

「搬送ロボット」、「リチウム電池」と、旬なワードが散りばめられる。この分野は2020年台のキーになると思われる。

冷却ファンでは、通信装置、サーバー、急速充電装置で大幅増大。

通信装置、急速充電器、サーバー、全てコロナ特需になるのか?特需なのか?

 

コロナ渦で売上は増大したのかと言われると、そうではない。

2020年、2021年は売上は落ちている。ただし、思ったよりも大きな減少ではない。

PCとか通信機器あたりは特需だったけど、なぜ売上落ちている?

設備投資の需要大幅減、フィリピン工場の休業などが主な要因と。

PCよりも設備投資系が強みということがわかる。

電化製品に使うファンやモーターというよりは、大きな工場向けの製品。

ここは他企業と区別したい。

 

そして2023年は過去最高益を余裕で達成する見込み。(円安に注意)

 

そんな絶好調の中、チャートはどうかというと

過去最高は2018年の10000円。

上記グラフ内の平均PERが14.5であり、現在は6.3

平均PERと比較した感じは、かなりの割安。ただ、売上は2000年で約500億円、2022年で1000億円と、2倍になるのに20年かけている。成長性は、思ったよりもかなり低い。よくこれで平均PER 15だったな、と思う。

パッと思いつく理由としては、ライバル企業が多いのが原因だろうか。

これは他社との比較こそが重要になりそう。

 

そして、売上も右肩上がりで順調ではなく、売上が下がる年も多い。この辺の理由も調べる必要がある。

私が思っているよりも、この企業の業績は良くない可能性もあることは念頭にいれておく。

 

2022年で大きく売上を伸ばした理由を調べよう。この成長が続くなら良い。後述。

なお、EPSは順調。続くかどうかがポイント。

 

2023年3Q資料より

値上げを行う。それでいい。

本格的な効果が、今月末の決算でわかる。

 

業績予想

 

 

②新製品の開発、研究などの投資の程度は

2021年は48億円の投資。自動化へも投資しているため、今後利益率が上がっていくことが期待される。

自動化への投資はこんな具合

開発について

新工場も増えている。

先月あたりに、長野上田市とフィリピンに新設され、稼働している頃だろう。

合計37億円。

 

最新(2023年3Q)の決算説明資料

 

 

増配。

 

投資ばかりで危なくないかチェック。自己資本比率はどうだろう。

50−60%と、良好資金面は問題なし

もう少し投資しても良さそうではある。

PBRは0.84。悪くない。

 

従業員数について

 

2021年と2022年の従業員数の変化比較

日本は、長野県上田市にほぼ全て工場がある。そこでの従業員数は、減少。

神川工場(モーター製造)  279人→217人(−22%)

富士山工場(冷却ファン、電源装置、アンプ?製造)379人→241人(−36%)

 

子会社の山洋電気テクノ・サービスは

586人→709人(+21%)

と、増員。

この子会社、何をやっているのかというと

こんな感じ。

校正、リペア、物流、自動車整備などなので、おそらく自動化が難しい「人」が必要なところに分配しているのではないか。

 

製品が増える→修理や輸送も増える→人が必要→増員

製品の製造→自動化が可能→工場の人は削減

 

工場での人件費が減る分、利益が増えるが、これは自動化が進んで人材不要となり、その他、人が必要なところに割り振っている。

 

前期の有価証券報告書より

受注が大幅増加し、従業員の給与を増やした。平均年収620万円。

運送費も増えたが、それらをこなし大幅増益。

工場の人手が減っても、受注増加に耐えられている。問題ないのだろう。

これは良いコスト削減として見てよいだろう。

 

と思ったが、2023年3Q決算説明資料をみると

と、ある。

注文は来ているが、生産が追いついていない状況のようだ。

人手というより、工場の生産量が限界、フル稼働でも足りていない。嬉しい悲鳴だが、機会損失となってしまっている。

納期が遅れており、対策として、工場のアップデートに投資。

間に合うのか。

後述するが、この需要が一服して在庫が余る、ということはなさそうである。

まだ工場への投資は増やしても良いのではと思う。需要に対して供給が間に合っていない。機会損失が大きい。生産性upは必須。

PBR1倍以下なので、生産性改善にまだまだ投資してほしい。

 

 

③日本、海外どこが主市場

日本がメイン、58%!

次いで東南アジア、20% 東アジア、10%

北米、9%

ヨーロッパ、3%、少ない。

まず日本でのシェア、売上増加が重要になる。

次いで東南アジア、東アジア、北米。

 

ちなみに、2022年より前で最も好調だった2015年時のセグメントは、こう

日本 70%

東南アジア 1.6%

 

現在は、東南アジアの比率が大きく伸びている。

2Q資料より

日本ではFA(ファクトリーオートメーション:工場自動化)の需要が強い。

東南アジアは、発展が大きいため食品や医療も拡大の余地が大きいのだろう。+30%!

 

 

③シェアはどの程度か

調べてみたが、不明。

価格も、よくわからない。

ライバル企業には、「ニデック」という企業があり、こちらは”車載”のモーターやファンが好調で、株価はすでに評価されすぎているくらい高い。PER 62 と、かなり割高。

決算説明資料を読んだが、M&Aを積極的にやっている。

自律成長+M&Aで業績の伸びが大きい。強い。

ただ、割安ではないので管轄外。

ここは決算説明資料の製品紹介もとても魅力的だ。

世界最小のモーター、これは売れるだろう。実際売れているようだ。

HDDが一服したことで売上が一時的に落ちているが、また戻してくるだろう。

そしてEV拡大に合わせて業績も伸ばすだろう。拡大すればだが。

EVはリチウム電池に必要なリチウムが不足し、チリが独占しようとしている動きもあり、動きが怪しくなってきている。

株価は、PER的にちょっと手が出せない…

平均PERの高さには納得。世界に誇れる日本企業のようだ。

 

山洋電気はどうなんだ。製品の魅力はHPを見てみよう。

 

冷却ファンの使用例 HPより

 

リバーシブルタイプ

サーバー向けなど

 

 

モーターの使用例 HPより

 

 

 

車載向けというのがない。

ファン、モーターともに静かさがウリのようだ。

モーターの小ささではニデックが圧勝。

スマホなど、超小型製品のニーズが増えると同時に、EVバッテリーや自動化設備など、大型製品のニーズも増大している。ニデックはどっちも強い。

 

今期2Qの資料より

産業用コンピューターでは静音ファンを使う。

製品には、業界トップの大風量、防水防塵機能付きというのもある。

通信基地局、急速充電などで使うようだ。

コロナ渦で伸びなかった、工場設備投資系の製品。

今後は自動化の波で、どんどん来るだろう。

 

2Qでは冷却ファンの伸びが大きかった

ファンは、EV充電器で使用される。今後伸びるだろう。

 

EV充電器についての、記事があった。

techcompass.sanyodenki.com

 

まとめると、

顧客からの要求

・屋外設置のため耐久性と信頼性が必要

・消費電力も大きいため、少しでも省エネしたい

・メンテナンスも大変なので、寿命も欲しい

山洋電気のファンなら叶うよ、という内容。

 

懸念としては、EV充電器が順調に普及してくれれば良いのだが。

チリの件が強い懸念材料。

 

ファンが好調の一方で、最大の比率であるサーボが低調。

 

いずれにしてもEV、半導体だ。

 

細かなところはこの分野の製品に詳しくないため、この程度しか把握できない。

静かなファンとモーターは、いいと思う。(小並感)

あのブゥーーン音がないのは、日常生活用品ではありがたい。

 

あとは、売れているか、売れるのかどうか、が重要だ。

企業用製品、日用家電、医療分野など、どの分野でよく売れているのか。

 

ファンは、通信装置(携帯やモデム、パソコンなど?)、サーバー、急速充電器向けの需要増加。半導体製造装置向けも伸びている。

パワーシステム(電源装置)は、官公庁(?)交通などの社会インフラ向け(電子パネルなどだろう)、半導体工場設備、製造装置向けが伸びた。

最も売上高比率の高いサーボシステム(モーターなど)は、半導体製造装置、ウェハ搬送ロボット向け需要大幅増。

 

ウェハ搬送ロボットというのは、こんなやつ

 

要は、半導体だ。

半導体製造過程で静かさがどれだけ重要かはわからないが、業界トップクラスの省エネ、そして長持ちするという信頼性は有用だろう。

そして振動が少ないというのは、ナノレベルの超精密部品を作るにあたって誤作動などを減らしてくれるのでは?ここにかなり強みがありそうだ。

半導体製造に詳しくないといけない。

 

というわけで、こんな本を買った。

半導体四季報でも最重要キーワードの一つとして、たくさん出てくるが、よくわからない。なのでこれを期にちょっと勉強しようと思った次第。

 

そして、今調べるとこんな本もあった。

今ほしいの、こっちじゃん。

 

とりあえず前者の方を読んでみたが、細かい工程がたくさんあることがわかった。

サーボシステムが、例えば工場のコンベアーなどで使われるが、ここは半導体製造に関わっている。高性能の証だろう。詳しくはわからないが、強みの証拠だと考える。

 

 

⑥業績、割安さはどうか。PL、BS、CFから詳しく

 ライバル企業との比較も

 

2022年のPLからみてみる

 

売上利益率 10%

EPS 744円 (来期966円へ増加予想)

EPS、大きく伸びる予定。

 

…これについて、たとえ伸びたあと伸び悩んで同じくらいで停滞したとしても、966円でしょ?

2021年の8000円のとき、EPS 400-500円で、PER 13くらい。

そこから株価は下がり続けて、PER 6まできた。

でも、EPSは過去最高の 966円を見込んでいる。

これは、過去のPER 13が高すぎたということか?

EPSが上がって、やっと妥当株価まできたと、そういうことなのか。

 

株価、これでいいのか?

工場の自動化、ロボット、半導体、この企業には追い風だろう。

半導体が不足して、半導体製造装置の不足までも招き、それが半導体そのものの不足を招く、という悪循環の現状があるが、そこから回復しつつあると考えると、来期は読めないが、今後はさらに需要が増えると考えてもよいだろう。

半導体産業のすべて」には、2023年後半から2024年度にかけては市況が大きく好転するだろうと予想されている。

また、EVなどの最先端の半導体が使用されるものは、もう少し先になるかもしれないとも。

 

楽天証券でのアナリスト予想では、2024年の売上伸びは鈍化、純利益は横ばいの予想。

四季報では売上は+16.7%、純利益+10%の予想。こうなれば上出来だろう。

為替の影響はどうだろう、と思ったが、売上比率は日本で大きいので、影響は少なそう。

 

第2Qの決算資料

と思ったが、為替の影響は、全然少なくない。

第1期+第2期分で、前期より+38億円となっている。

為替が+38億円となり、売上は前期比+91億円。そこに材料費が高騰して−54億円、結果、営業利益が66億円。

増えた売上のうち、41%が為替での利益だった。

 

材料費高騰には、値上げで対応。今は前年比+の要素が大きいか。

 

円安がこれ以上、異常に進行しないことを前提に考えた場合、今後、為替の分の利益は減っていくと考える。

そのため、前年比の数字にはそういう影響が出る。

それを踏まえて、決算ごとに数値を見る必要がある。

 

為替変動がとてもやっかいだが、ここまでの感じだと、数年先を見通して見た場合、割安なのでは?と思う。どの企業も値上げして対応している。製品が売れなくなることは考えにくい。受注残も多いので。

もう数年は為替で純利益が大きく変動する。前年比マイナスになる年もあるかもしれない。でも、その先は?中期的に見ると、製品の需要は増える一方と考えると…。

 

市場は追い風なのに、PERは低いまま。

もう少し、株価伸びても良いだろう。

 

そもそも低成長ではあり、PERは低くて妥当。

それでも、市場追い風の中、過去最高益、将来市場が狭まることもなさそう、と総合的に考えると、期待値はもっとあっても良さそうだが、どうだろう。

 

BS

流動比率流動資産と流動負債の割合)問題なし。流動資産>流動負債

 

流動資産の内訳

売掛金が228億円と大きく、現金ではないことは注意。

原材料も100億円あり、在庫リスクを考えるが、需要>>供給のため心配不要。

BS的には安全。

 

 

キャッシュ・フローについて

受注残高がすごい。納期間に合えば(納期は死守、と説明資料に記載あり)。

現状の需要の強さが表れている。

納期の遅れのリスクあり、ここは少し不安材料。

 

無形資産が、14億円ある。

調べてみると

研究開発費だった。

 

棚卸資産は2021年→2022年で44億円分多く仕入れている。

原材料費の高騰も影響しているか。

 

投資CFは、工場の分32億円、上記の研究費14億円

フリーCFしっかりある。

安定はしている。

 

 

○他企業との比較

ここまでのデータをみると、山洋電気は現在割安と考えられる。

更に他の企業と比較することで、その分野でどんな位置にいるのか、知ることができる。

冷却ファンと、サーボシステムを扱う上場企業を挙げてみる。

 

冷却ファン

オムロン (血圧計で有名、実は産業の自動化全般に強い)

ミネベアミツミ (極小ベアリングの世界シェア)

 

サーボシステム

安川電機 (サーボモーターとインバーターで世界トップ。産業用ロボも首位)

パナソニック (総合家電首位) 

三菱電機 (総合家電大手)

・ニデック (精密小型モーター大手。HDD用で世界首位。車載用など中大型にシフト。M&A積極的)

キーエンス (最強利益率 FA用センサーは強いが、モーターはそこまで種類ない)

・芝浦機械 

オムロン

 

こう見ると、気になるのは

冷却ファン  :ミネベアミツミオムロン

サーボシステム:ニデック、安川電機オムロン

それぞれ、みてみよう。

 

 

まずはミネベアミツミ

ベアリングの超有名企業。

 

2023年3Q決算説明資料

業績絶好調。

モーター事業はHDD市場調整あるがそれ以外は堅調、HDDは12月が底と。

 

このベアリング、山洋電気もここから調達してるのでは?

 

あとは、2月に自社株買もしていた。強気。いいね。

 

前期の有価証券報告書より

・データセンター向けのサーバー需要が堅調

・ファンモーター向けが好調(山洋電気も顧客?)

・車載向けも需要増。

・HDD用モーターなどが電子機器事業での主製品、3710億円の売上

モーターだけで3710億円×約70%=2600億円の売上がある。

また、おそらくだが山洋電気もここからベアリングを仕入れている。


モーターのジャンルが異なっている。山洋電気は、HDD用の小さなモーターは作っていない。

 

山洋電気は、産業用がメイン

よって、客は被らない。

 

ジャンルが違うので、単純に比較はできない。

山洋電気は、車載向けがないのが痛いとやはり感じる。参戦しないのか?

人命に関わる”車載部品”は、全て高性能なものが選ばれる。

高性能をうたうなら喜んで検討されるだろうに。難しいのだろうか。

車載向けを作るという発表があれば強烈な買いシグナルになるだろう。

…車載向け、作ってないよね?

 

業績は

最高益を更新するだろう。ROEROAは同程度

売上営業利益率は、最近は山洋電気が少し逆転した程度。

PER 13.9  PBR 1.651

割高感はないが、割安感もそこまでない。妥当、という感じ。

ベアリングなんて今後も自動化の波で伸びてきそうだが、すでに織り込まれているか。

 

過去最高益を更新しているが、株価は2021年後半が最高値。

この辺は折り込み済っぽい。

市場拡大に伴って業績は伸び続けると予想されるため、下がりはしなさそう。

じわじわ伸びてきそう。

 

個人的には、悪くないと思う。

詳しく調べていないが、市場や業績的に2000円を下回れば買っても良さそうに見える。

優良企業は株式市場にはたくさんある。

その中で大事なのは”割安さ”であり、このPERは、妥当なのだ。

よって、ミネベアミツミ山洋電気の魅力を比較すると、山洋電気が勝る。

 

 

続いて、オムロン

決算予定が26日、山洋電気の1日前。

ここの決算は参考になるだろう。チェック確定。

 

製品はこんな感じ

自動化に対しての製品がメイン。市場は似ている

モーターがある。ファンはどうだ?

 

今期3Q決算説明資料より

制御機器事業が高水準。4Qも好調に推移予想

 

業績絶好調。

なんだか、調べる企業どこもかしこも絶好調だな。

半導体、自動化系の企業はまさに右肩上がり。

 

制御機器、電子部品、モーターはどこに入るのか。

3Q決算短信より、制御機器は、設備投資とあるのでモーターなどはここに入るのだろう。

そして、製造業の設備投資動向は減速リスクと。本当にそうか!?

半導体製造装置は好調。二次電池(充電)向けも堅調。

 

気になるのは、設備投資動向の減速リスク。なぜ?

 

山洋電気の3Qの決算短信にはこう記載されている

冷却ファン:制御機器向けの需要増加

サーボシステム:設備投資増加(5G関連機器、リチウムイオン電池の製造のための設備)

電子機器:制御機器の販売増加

 

実際、受注残は増えている。

 

オムロンは、製造業の設備投資は減少傾向とのことであり

倉庫新設に伴う設備投資は停滞しているが、労働者不足から自動化投資は拡大と。

 

つまり、自動化の設備投資は増加しているが、通常の倉庫新設(自動化を伴わない倉庫拡大など?)は減っていると。

オムロンはそんな自動化を伴わない倉庫に何の製品を供給しているのか。

ちなみに、オムロンの制御機器の割合はとても高く、57%。

山洋電気のサーボシステムと同等。

 

 

 

物流に関しては、AI、5G、ロボット技術の獲得の加速、とある。

 

HPの製品をみると、こんな感じなので

自動化に関わる分野(まさにFAシステム、モーター、ロボットあたり)に注力し、一般的なスイッチとかは縮小、ということだろうか。

 

つまり、そんなモーターやFAシステムが使われる装置には半導体、強いては冷却ファンがついてくるわけであり、山洋電気の製品分野は、やはり拡大傾向であると思われる。縮小傾向ではないだろう。

 

製品の市場は一部被る、ライバル企業ではあるが、割安さはどうか

PER 23.3  PBR 2.12

すでに評価されている。

成長性は、低い。PERほどではない。割高。

 

ROEROAは悪くない、売上営業利益率は、最近は山洋電気と同程度。

 

チャートは

6000円だったのが、コロナで4000円前半まで下げて、その1年後9350円、さらに1年後には12000円まで高騰した。コロナと自動化は相性が良かったので、高騰したのか。詳しくは決算資料をみたいが、ひとまずこのときPER 35。成長率からみると、明らかに割高ではないか。

これらの数値からは、魅力は山洋電気>>オムロン

 

 

続いて、安川電機

 

過去最高益

4月7日に通期決算を出している!

売上+16%だったと。

 

モーションコントロールは4Qは減少。これは山洋電気も似た結果になる可能性がある

4Qの業績は予想未達になる可能性も考慮。

それでも安いとは思うが。短期の下げは想定しておいたほうが良いだろう。

 

安川電機の3Q時の予想は、以下の通りだった

据え置きで、結果は若干低い程度、ほぼあたっていた。

 

3Q決算短信では、山洋電気の予想は以下の通りだった

10月には通期予想を上方修正していた。

 

そして、安川電機翌年予想は売上+4.3%純利益は横ばい程度予想。これは参考になるが、なぜその予想になるのか。

 

まずは今期の決算について

製造業全般での自動化の設備投資が継続と

あとは、需要に対しての部品不足が改善されて売上に繋げられた。

 

モーターはモーションコントロールに入るので、前年+10%の中にある。

ロボットが+25%と大幅増収。

 

リチウム電池関連の設備投資が拡大傾向

物流・食品・農機なども、自動化への投資が活発化。

 

ロボットが売れている。

小さなロボであれば、放熱板や冷却液を使用することもあるが、高度な動きを求められるもの、常時稼働するものは冷却ファンを使用する。らしい。(Chat GPTより)

 

ここからも、山洋電気の市場は拡大傾向と捉えてよさそう。

 

そして、この来期予想の根拠は

ロボットの伸び予想が売上+9.5%、営業益+30%と、強い。

モーションコントロールも、売上+5.1%、営業益+7.8%と、良好の予想。

 

営業利益予想について

モーションコントロールは、為替で−3億円予想。

今よりも少し円高に戻ると予想しているのだろう。

モーションコントロールの売上は、26.5億円の予想なので、影響は−11%程度。

多少参考になる。

安川電気の海外売上の比率は国内18%なので、山洋電気よりも影響が大きい。

 

 

モーションコントロールの中のモーターの比率は

有価証券報告書には書いていなかった。

モーターとインバーターの比率が知りたい。

とりあえず、為替の影響は−11%と予想しておく。

 

資料にわかりやすいのがあった

米ドル、中国元の影響がかなり大きい。

これはどのみち、これは先が読めない。


そんな安川電機のチャートは

過去最高益を更新し、株価も過去最高高値に達したところ。

評価は、妥当。現在のPERも平均PERと同じくらい。

18年の6000円時はPER 38、21年時はPER 77だった。

コロナで2000円台まで下げて、その後1年で6000円まで上昇。

ここで買った人は、なんとツーバガーだった。

どうしても、成長率に対してPERが高く見える。

それだけ期待されているのか。

 

良い企業だが、評価されており割安感はなく

株の買いたさは、山洋電気>>安川電機

 

 

ここまでの比較について、出来高でみる人気のなさ

ニデック:200−300万株/1日

安川電機:100万株/1日

山洋電気:10−20万株/1日 (4/24は26400株だった)

 

いいね。人気ない株大好き。

 

 

比較する最後の企業は、ニデック

決算が24日に出ている

 

株探のニュースより

売上は上がったが、純利益が前期比70%減( -900億円)となった。

理由があるようだが、

構造改革費用 757億円を計上していたこと、所得税が750億円あったことが影響していると。

 

セグメントは

・精密小型モータ

・家電・商業・産業用

の2つがモーターが関わっている

 

製品の売上について知りたい。

 

決算補足資料より

これだ。

家電・商業・産業用が大きく伸びてきている。

 

精密小型モーターについて(車載とは別)

4Qのモーターの売上は、前期比 −12%。通期は横ばい。

 

ただし、この精密小型モーターについて

 

HDDの市場が一服していることもあり、HHD用は売上は低下している。

その他小型モーターは為替の利益が乗りつつ、+6.4%の微増。

 

ただし、このモーター、小型なので、山洋電気とジャンルが大きく異なっている

 

モーター、でかいのもあるな。

 

あとはスマホのバイブレーションやタッチ時の振動のあれも、モーターだ。

 

 

ちなみに、冷却グッズは、ファンではなく放熱板を扱っている。

 

製品はこんな感じ。



小型モーターについては、市場成長がピークアウトしていると記載あり(重要)

ニデックはそれに対して、省電力関連や、サーマルマネジメント(排熱管理)、車載向けモーターに注力と。

HDD市場は前年比3割以上減少、2023年も減少は避けられない見通し。

一方で、画像や動画の高容量化やメタバースなどの背景で、データ需要は拡大していくと考えられる。サーバー用途でのHDD需要は成長する見込み。

大規模データベースは需要あり、その排熱で冷却ファンが使用される。

山洋電気には追い風。

 

世界の電力使用量の約半分はモーターが占めているらしい(重要)

そして、世界的な省エネ・省電力化の流れ。

山洋電気の省エネファン、モーター。

 

 

ただ、山洋電気と近いのは、家電・商業・産業用のモーターになるか。

家電・商業・産業用のモーターの売上は発電機事業での増収が大きく、為替益1400億円を含めて+16.2%と。

営業利益は構造改革費用があるため参考にしない。

 

良さそう。

 

来期予想については

小型モーター全体の売上は落ちる予想だが

・サーマルマネジメント(冷却ファン)が成長

・HDD用モーターはデータセンター向けの需要拡大

山洋電気の得意分野が強そう

 

 

産業用などは、来期は売上は落ちる予想。

25年には上がる目標。

世界のカーボン・ニュートラルの流れは国策にもなっている。省エネ志向になるため、やはり追い風になってくれそうではあるが、どうか。

 

家電と商業を一緒にしているのが良くない。

コロナで家電(清浄機など)は爆売れしたが、商業は設備投資を控えたため、全く別の動きをしている。

 

と思ったら、良い資料があった

 

 

M&Aについて

オムロン三菱重工の子会社?を買収している…。

 

チャートをみていく

14000円だったころは、PER70と割高もいいところだった。

今は6600円、先日の決算後、また下げているようだ。地合も良くはない。

現在PER  23.3 PBR 2.84と、割安さは全くない。

V字回復を謳ってはいるが、それが可能そうかまでは調べる余裕ないので、スルー。

 

製品ラインナップ的には、今後はEVが頼みの綱という感じだ。

小型モーターは市場落ち着いてしまっている。

 

割高に感じるため、山洋電気>>>ニデック

 

○ストーリー

山洋電気は、冷却ファン、産業用モーターを扱う製品会社である。

成長性は20年で売上や純利益が2倍と低成長であるが、省エネや耐年数の優れた冷却ファン、高性能モーターのメイン市場である半導体、FA(工場自動化)、ロボット、大規模データーセンター、EV充電器の需要拡大が更に期待される状況であり、売上の成長が期待できる一方で、PER 6.3倍、PBR 0.84と、割安圏に放置されている。(ここ10年の平均PER 14.5)

競争企業には、オムロンミネベアミツミ安川電機、ニデックなどの企業が挙げられるが、いずれも株価は評価されており、割安感はない。ミネベアミツミは割高さはないが株価は妥当な印象であり、買いの対象としては、いずれも山洋電気が勝る。

懸念としては、売上の50%以上が日本であるが、現在の円安が為替利益を大きく生んでおり、この変動には注意が必要である。

 

 

○結論

買う価値あり

【株】エフテック(7212)vs ジーテクト(5970)【車載部品企業 EV関連】

エフテック

 

 

PER 7.8

PBR 0.23(低すぎるのも効率悪く問題あり 後述)

 

最近の業績

 

チャート(月足)

底っぽさ。期待感よりも安心感

 

業績の伸びがなく、利益率も低い、成長性の魅力には大きく欠ける。

ではなぜこの銘柄を分析するのか?

 

半導体不足からの取引先生産低下の影響を受けた株価がまだ継続されていること

・EVとインドが期待できること

・そしてそれを織り込んでいないように見える

 

EVについてはライバルも多いため、この企業の製品に魅力があるかを調べないといけない。

海外比率やメイン市場などは決算説明資料にわかりやすく記載あり

 

決算説明資料より

Teってテスラ?Sってスズキ?なぜ明記しないのか(信頼↓)

 

 

他の企業と比べてみる

 

B/S

エフテック  PER 8.5  PBR 0.24

減価償却費 100億円

 

ジーテクト PER 8.2  PBR 0.39

減価償却費 150億円

 

純資産の比率はジーテクトの方が大きいにも関わらず

エフテックのPBRは0.24と異常に低い。低すぎる。

ジーテクト、純資産の比率がすごい。自己資本比率60%。負債が少ない。

この2社のモデルの違いが説明できないとこの分野の銘柄は買ってはいけない

 

エフテックはROEROAもが低そうであり、ジーテクトはそれより高そうである。

みてみる

 

エフテック

 

ジーテクト

 

ここ数年でみると、資産から利益を生む能力は、ジーテクトが圧勝。

ただ、コロナ前の2017年や2018年をみると、エフテックがジーテクトを上回っていた。

コロナになり、エフテックのROEは激減。売上も下がってはいるが、これはなぜかというと、おそらく守りの体制に入ったのだろう。純資産を増やして対応しようとしたのだと思われる。

純資産の推移を確認してみる。

 

エフテック

 

ジーテクト

 

違った。

エフテックは純利益が吹き飛んでしまったことでROEを大きく低下させていた。

ジーテクトが安定していた。

 

売上利益率をみても、ジーテクトが優位。

これは二社のPERの差としても表れている…と思ったが、PERは同率。

PERが同じで、売上利益率がジーテクトが4倍以上で、ROEも現在はジーテクトが何倍も高い。

これをみる限り、買うならジーテクトだが、エフテックはチャートの底っぽさが魅力的という点で魅力がある。

 

エフテック

 

ジーテクト

 

チャート…という感想。

過去の平均PERに対しても、現在が安いのはジーテクト。

 

パッと見ではエフテックだったが、分析してみるとジーテクトが魅力的だった。

 

一旦、エフテックをもう少し調べる。

前期の有価証券報告書をみていく

新規受注あり来年度以降の収益の貢献、と。

売上高について

北米の影響が大きく、半導体不足があまりにひどかったが、円安がありコロナ渦時並の売上高となった。営業損失は半導体不足がコロナ渦以上の影響で、308%減少

アジアはコロナによる工場停止影響の解消や円安がプラスプラスとなり12%増

利益については、外注費や輸送費の増加から17.6%減

 

半導体不足の影響が著明で業績が大きく落ち込んだ。

輸送費高騰も影響。

これを一時的を見るべきかどうかが焦点。

 

業績の予想修正は

コロナ前の2018年、売上高、最終益とも上方修正出し、更に上回って着地。

コロナは仕方ないとして、2022年は5月時点で営業益40億円、最終益10億円と予想も11月には営業益20億円へ下方修正、これはきつい。しかし最終益は15億円と上方修正。つまり、ドル円の影響を強く受けるが、それを予想するのが難しい。

 

エフテック製品の強みについて

サブフレームやサスペンションの大幅な軽量化、低コスト化、生産性向上と

EVは軽さ重要と思われる。

競合他社に圧倒的な軽量化とCostで差別化する、が研究開発の方針と。

実現していれば株価はこんなことにはならないと思うが、どうだろうか。

どのくらい投資しているのか、投資CFみてみよう。

営業CFがコロナと半導体不足で大打撃、しかし投資CFは多く投入続けている。

新工場など増やして生産量増加できているか

日本に1、北米に3、中国に1、工場を建てている。新機種立ち上げによる設備増強と。これは良い。

 

2023年3月(ちょうど今)新設が完了している予定となっている。

 

CFの内容をみてみる。

営業CFは棚卸資産が前年より60億円増えている。

売上債権が減っており、在庫となってしまったということだろうか。

投資CFは有形固形資産の取得が160億円、工場新設の費用だろう。

財務CFは短期借入が130億円増加、工場新設分などの確保か

 

運送費と研究費について

運送費は22億円、前年より高くなった。

研究開発費は20億円程度かけている。

 

ドル円、為替の影響が

63億円。でっかい。

 

 

ここから、ジーテクトをみていく。

○新しい工場設営や新規市場開拓があるか(成長余地)

○メインの市場はどこか

○エフテックと比べて高い利益率はどこからくるのか

○他社との競争的優位性は何があるか

あたりをみてみる。

 

まずは決算説明資料でざっくりと概要を把握

主な取引先であるホンダの、生産台数は前期より減ったが、3Qの売上は41%増。

米ドルが111円→136円と、円安の影響か。

 

前期は為替差で321億円上乗せ

 

 

 

売上セグメント

車体部品:83.2%

型・設備:14.5%

トランスミッション部品:2.3%(ギア切り替えなどの装置)

 

車体部品が8割以上を占める。

 

取引先の割合

ホンダ:56%

トヨタ:23%

スバル:  7%

その他:14%程度(JLR、マツダ(親:フォード)、BMW

 

日本での、業績

スバルの生産台数回復が大きい。ホンダは変わらず。

四季報春号のホンダを見ると、【堅調】とある。

4輪販売は25万台減の385万台(6%減)、24年3月期は生産台数上向くと。

ジーテクトをみると、営業益は回復基調、と。

中国の広州新工場が手続き停滞、稼働は23年4月予定だったが24年度中にずれこみ。

 

ホンダは、業績予想では売り上げ高が過去最高となる予想。

半導体次第だろう。

取引先の状況は、良いだろう。

半導体は、パワー・ロジック(メモリは完全に一服)半導体の需要が非常に多い。

 

北米の業績

ジーテクトは海外の売上が全体の84%であり、北米の比率が最も高い。

ここからが重要。

北米での生産が想定下回り、営業利益はマイナス。

(材料単価改定や為替影響で売上は上がったが、挽回しきれず)

 

テスラに部品供給を開始したと。

欧州での営業益は変わらず。

 

続いて、アジア(中国以外)

半導体影響は変わらずあるが、上海ロックダウンからは生産台数回復傾向。

 

続いて、中国

中国はろくなことになっていない。ホンダは大幅減少。

トヨタはさすがの生産管理なのか、増えている。扱う車種の問題なのか。

トータルでは材料価格改定や為替で、売上高は増収になった。営業益は減益。

 

○メインの市場はどこか

売上の割合

【売上】

3Qは、北米1090億円、中国750億円、日本580億円、その他アジア410億円、欧州260億円、南米170億円。

【営業益】

3Qは、北米−6.5億円、中国41.4億円、日本14.5億円、その他アジア12.1億円、欧州23億円、南米19億円。

 

北米、中国、日本、その他アジアでの売上がメインだが、利益は中国が圧倒的。

 

売上利益率は、北米が圧倒的に低く(売れても赤字)、日本も低い。中国は5%程度、欧州は10%以上ある

 

CF

新工場で有形固定資産130億円、減価償却も130億ある。純利益は114億円

 

減価償却進んでいるが、新しく新設もしているためまた増える。

 

配当は安定して増え続けている。

配当性向30%まで上がる予想。

 

決算説明資料は以上。

有価証券報告書みていく。

 

最高の営業益、経常益だった2019年、それ以降はコロナでやられた。

2023年3月予想は、その2019年と総資産回転率が同じだが、ROAは4.65と2.78と60%も下がる。純利益率(純利益/売上高)が下がる予想だからだ。それに伴い、ROEも8.74→4.78と、55%下がる。

ここからわかるのは、財務レバレッジに大きな差はなく、シンプルに利益率が下がるということ。

 

では利益率が下がっている要因は何か。知りたいのは、それは一時的な要因かどうかということ。

一時的であれば成長ストーリーに問題はなく、株価の上昇も期待できる。

一方、成長ストーリーに陰りが見えれば、当然買わずにスルー、買っていても撤退したほうがよいということになる。

 

探っていく。いろいろみていこう。

自己資本比率は50%以上を維持しつつ、ROEは8%以上を目指し資産効率化を重視しROA、ROICも向上を目指すと。

借金に頼りすぎずにROEは8%を目指す。優秀な目標。

強さもあり、健全さもある。良い。

(エフテックは健全だが、弱かった)

 

ホンダ生産減ったが他の新規受注が増えて、材料単価と為替で売上は12.9%増。

経常利益は為替差益などで増。

ホンダ、の生産台数の増減

さっきの決算説明資料は3Qのもので、これは前期の有価証券報告書

自分で作業しておいてなんだが、混乱する。

 

今は、前期の有価証券報告書の内容をみている。

欧州ではホンダが半減したが、トヨタBMWが堅調で売上増加

 

EVについて

 

○新しい工場設営や新規市場開拓があるか(成長余地)

新設の工場

生産能力増強を日本で1、北米で2、増設

新規車種生産設備を北米で3,中国で3,その他アジアで1、増設

EV関連施設を日本で1、増設

順調なのだろう。

 

PL

特別損益などは特になし。

法人税金分で−20億円されつつ、前期費+13億円。

 

からの

為替換算調整勘定で+25億円

 

キャッシュフロー

営業CFは売上債権増えてが現金は前期より-60億円、棚卸資産が増えて-30億円、仕入債務が増えて+35億円(今後の出費になる)

投資CFは定期預金を増やし、有形固定資産は同程度。

財務CFは短期借入金が増えている。短期借金55億円。長期が大きく増えて、前期70億円から180億円となった。返済を85億円し、合計で前期−170億円から+125億円と大きく増加。

ざっとみると230億円借りて、85億円返済して、その他調整して借金125億円。

現金は260億円(期首残高)あったのが360億円(期末残高)になった。+100億円。

125億円借金で増えているので、借金分よりも現金が25億円分増えた。

 

営業CF+140億円

投資CF-190億円

財務+125億円

 

書いててわけわからなくなってきた

 

だらだらと点ばかりみて線のつながらない分析になってしまっている。

 

○エフテックと比べて高い利益率はどこからくるのか

を調べたい。

 

PLからひとつずつみてみよう。

Excelに入力して図で比較する

 

ジーテクト

 

エフテック

 

図で見ると一目瞭然だが、どちらも売上利益率は低いがエフテックは輪をかけて低い。

エフテックの純利益はもはや見えなくなってしまう。

こうみると、利益性はジーテクト>エフテックというのがわかる。

 

売上減価率は

エフテック:  8.2%

ジーテクト:10.0%

 

そしてエフテックは販管費で利益がほぼ消えてしまう。

販管費の内訳をみてみる

 

エフテック

 

ジーテクト

 

ジーテクトの方が従業員数が多く年収も多いのに給料及び手当が10億円以上も少ない???

ジーテクトの方が、従業員1151人×平均年収622万円=71.6億円と、記載の33.3億円とかけ離れている。何だ?有価証券報告書の読み方をどこかで間違えている。

…一旦、スルーしよう。

 

そして、この年のエフテックの販管費には、21億円の「研究費」が含まれている

この研究費がなかった場合のPLをみてみると

すこし見えるようになった。

それでも、P/Lを見る分にはジーテクトが優秀と思われる。

 

ここまで比較してきたが、「J-MAX」という企業も比較したほうが良さそうだ。

 

一旦ここまで。

私はなぜこのホンダ系車載部品にここまでこだわっているのだろう。

わからなくなってきた。

 

…そうだ、EVとインドだ。

EVが増えるとして、数年後に売上増加が間違いないのに、株価が反応していない企業として注目していたのだった。

 

比較はしたが、違いがいまいちわからなかった。

製品に独占性があれば面白いのだが。

 

次は、ジーテクト vs J-MAX を調べてみる。

 

一旦ここまで。

 

 

4/18 

J-MAX(3422)とジーテクトを比較していく

 

JMAX

ここ数年、ROEがめっぽう高い。

財務レバレッジがかなりかかっていそう。

しかし、2023年は突然6.56と激減の予想。何があったかみていく。

 

決算説明資料より

2017年からは財務CFが大きくマイナス。20億円程度返済していている。

2021年には67億円を返済!この年、営業益は44億円。現預金は元気だろうか。

→62億円。

 

2018年は自己資本比率20.1%と、ぎりぎりの綱渡りをしていた。

攻めの姿勢だが、過剰投資でリスクが高い状況であった。

それを改善していき、現在は42.3%と問題ないレベルまで改善。

それに伴いROEも落ち着いた。

 

ROEが高ければいいわけではないという、いい例だろう。

来期はROE 6.56、ROA 2.76の予想。

 

ジーテクトはROE 4.78、ROA 2.78の予想。

ROAが同じ。ということは?

 

資産全体から生み出される利益の割合は同じということ。

2社の違いは、JMAXは借金を使いつつ効率的に利益を生み出し、ジーテクトは借金せずやや非効率的に利益を生み出している。

今のJMAXの自己資本比率は40%なので、財務状況が悪いという状況は脱し、効率的になったと言ってもよいだろう。

利益性を生み出す力は、JMAXに軍配が上がる。

 

では、成長性はどうか。

【株】アイロムグループ 2372 第3四半期決算から分析【買いと判断した理由】

四季報赤付箋、アイロムグループをみていく

 

事業内容

一言で言うと、新薬の治験をサポートする企業。

業績は、案件の大きさでブレる。大型案件受注すれば大きく伸長する一方、それがないと伸びが鈍化する。要注意。

 

 

PER 9.8 PBR 2.07 PBRのお徳感はない

四季報だとPER 7.0 

かなり違うが何が違うんだ?現時点のEPS使ってなくて予想PERか?

 

信用倍率 84.8倍!

出来高は1日5〜10万株程度 買残が100万株。決算で25万株くらい信用買が増えた。

これは売り圧力になるため調整に日柄が必要。

少し待って需要と供給バランスが整理されるのを待つのが吉。

 

それとチャートに癖があり、出来高とともに大きく上がる、下がるタイミングがちょうど6ヶ月。

日にちをみると決算短信のたびに大きく動いている。

そして信用買も増える、のか?

こんなの絶対期限あり信用取引したら終わる。数年、株価に大きく連動せずレンジで動いている。

買うなら現物または制度信用無期限で買って、下がっても日柄待てるようにしないと。

 

コロナワクチン関係は、ネイビーのグラフになる。

特需であり、今後は減るだろうが、もともと比率が小さく業績への影響は小さい。

主力のSMO(病院の治験サポート)、CRO(製薬会社のサポート)は伸長。

SMO、CROの成長がカギ。

特にSMOは利益率が非常に高い。

ここが伸びなくなるとストーリー的には手放す時。

 

最近のニュース

業績が上方修正されたのに第3四半期の減益に反応して?下げたらしい。

文字通り受け取ると、完全に狙い目。

上方修正というキラキラ情報を企業が教えてくれたのにもかかわらず、一時的な減益で投げる信用買い勢が多かったのか。上方修正も織り込んでいた?

 

このときの実績と決算短信の説明は以下の通り

この純利益が第2四半期 9.1億円 → 第3四半期 2.5億円の減益を嫌気した??

第1四半期が良すぎたか。

もともと純利益は安定していないため、よくわからない。

この減益は原価が上がったことによる影響はあるか?

1→2Qの売上48.5億円 

2→3Qの売上42.5億円 

 

1→2Qと比べると6億円下げて、営業利益で3.5億円差、経常で6億円差、そのまま純利益で6億円差となった。

 

それに加えて

コロナワクチン等の研究開発経費 1億円

海外事業の体制整備の経費 0.7億円

 

などがあるが、結局はP/Lからはとくに何もないように見える。

2→3Qの純利益6億円減少は単純に売り上げの差。

 

四季報によると香港販売開始とのことで、海外展開が本格始動、とある。

一時的すぎる、本当にこんなので投げたのか。

 

むしろ海外展開への期待であげてもいいくらい。

第4四半期で経常利益8億円となれば上方修正した通期予想達成となる。

Qごとの規則性はわからない。

 

セグメント別の記載

SMOは大型案件の進捗など順調で業績に大きく寄与。

このように大型案件の有無で大きく変動する銘柄は要注意。

(フロンティアインターナショナルでの失敗)

ただ、ちゃんと通期予想を出しているため、FIとは根本的に姿勢が違う。

 

新規試験の受託は堅調、海外企業からも新規に受託あり

海外事業は体制整備に費用がかかっていると。

 

 

投資CFチェック

 

通期のキャッシュフロー

安定していなくて、個人的に好きではない。

ただ、ここ5年は営業CFプラス、投資CFマイナス続いており、好き。

業績は安定してきてはいる。上場は2003年。

利益が出てそれを投資に使っている。いい循環に入っているように見える。

ただ、何の投資?上記の海外整備や施設造設ならとても良い。これは有価証券報告書でチェック。

CROで8.6億円の建物付属設備投資

金武町ホテルに係る建物、19億円投資。

治験施設は、オーストラリアと、千代田区のものもそうか?本社機能ってなに。

 

ホテルというのはこれのことだろう

CROとここで、合計27億円、投資CFと概ね一致。

従業員1?2?ホテル担当者として割り当てているということか。

あくまでホテルは売却というか、不動産事業的な感じなのか。

 

このホテル事業よくわからないが比率的には大きくはないが、小さすぎることもない。

このクリニックモールの開設に係るものと思われる。

 

そしてこれが重要

30億円で研究開発センターを新設。2022年12月には完了している予定だったが?どうなった?

ベクター製造施設とのことで、ウイルスの研究で使われるもののようだ。

iPS細胞絡みでの、規模拡大が期待されるのか。

ここの「先端医療」セグメントに関わる。

 

ウイルスベクターで検索してみた

これを新設したということは、この業務がうまくいくかどうかで今後の売上は大きく変わってくるか

 

先端医療事業は、コロナワクチンもあるが、再生医療研究支援がメインのようだ。

再生医療は今後も研究の市場は大きくなるだろう。

ほんとか?調べてみた。

経済産業省のデータによると、市場拡大はかなり大きいと予想されている。

市場規模としては期待OK。会社があるオーストラリアも結構多いのがポイント。

経済産業省のデータからこちらも抜粋

 

現在の売上の規模は

日本124億円、オーストラリア32億円 

日本80%、オーストラリア20%

 

 

営業益は過去最高

財務CFが+26億円と、結構ある。借入金チェック。

短期借入金は合計66億円程度。

長期が86億円。

自己資本比率は負債200億、純資産110億円なので33%くらい。

良くはないが、そこまで悪くもないだろう。

 

ROEROAに関しては最近は文句なしの数字。

ライバル企業よりも良好で、借入金も使いながら、十分な利益を出していると言える。

 

アイロム

シミック

売上利益率も、ROEROAも最近はアイロムが良好。

売上利益率グラフにすると面白そうだが

アイロムは2020年10%→2022年17%と成長してきている。23年予想は20%を超える。

シミックは2020年3.4%→2022年11%と成長、23年予想は5.2%としている。

 

アイロムが優勢。何が違うのか。これを調べるのが大事。

 

治験の大手、シミックをみていく。

 

続いて前臨床試験受託で首位の新日本科学

 

5月の通期決算短信より

ここはSMO(病院の手伝い)は行わず、CROが主力と。
売上239億円、利益は63億円。売上営業利益率は26.5%、高い。

今期は有価証券評価損13.6億円出しており、特別損失となり純利益が大きく減少した。これがなければ最高益だった。つまり本業は順調。

 

比較

アイロム 

 

シミック

 

新日本科学

アイロムは、成長率が売上<営業利益<純利益 と高くなりEPSは上昇。

新日本科学は、その逆となる。この違いは重要。

なぜこうなるのか。

新日本科学の4Q決算短信より

営業利益減少は、米国ナスダックに上場している連結子会社化の影響。

経常利益減少は、上記営業利益の減益に加えて、2022年にあった15億円の為替差益を2023年は見込んでいないことが要因と。

そして純利益は、この上記2つの為替差益、特別損益を除く場合、59.8億円となる予定。2022年の純利益に、やや満たない程度。

主力の業績は順調の予定と。

丁寧なIRで、とても好感がもてる。株価水準が適正以下であれば検討したいが、バリュー的にお得ではない。比較対処に留める。

 

 

ROEROA比較

アイロム

 

シミック

 

新日本科学

 

ここまでみて、ここ数年はアイロムの成長率が勝る。

ROEなど収益性はアイロム、新日本科学。

ただし、新日本科学はPER 20と、すでに評価されている。

が!純利益は特別損失などで大きく減少しており、これは一時的と考えると、今後純利益が回復した際に、株価が同じならPERはその分下げることになる。

ここから15%、PERを下げると21.5×0.85=18.2 妥当か。

 

割安感はなく、新日本科学は除外。

ただし、業績内容の比較としては強い企業なので、アイロムを購入したいなら調べる必要がある。

 

「SMO 治験 大手」で検索して出てきたHPでイメージをつかむ

(従業員数なので参考程度)

契約施設数はアイロム3位、シミックもしっかり大手。

 

アイロムをみていく

前年度の決算説明資料がわかりやすかったので抜粋

「大型案件」要注意

大型案件がなくなったとたんに、利益が激減する可能性がある。

特にSMOは主力セグメントなので、ここは次期かなり低めに見積もっておくほうが安全。

 

オーストラリアの業績成長が大きいと。日本との割合は80%と20%だったが。

ワンストップがよい。

 

研究費があるため、売上はあっても利益はマイナス。

特許が気になるが、専門的すぎてわからない。

あとはiPS細胞を化粧品に使ったものがあると。

まだ売上の比率としては大きくない分野。今後に期待。

 

クリニックモールは堅調らしい。売上10〜20億円、営業利益は2〜3億円。

純利益が10億円前後の企業でのこれは小さくはない。(むしろ思ったより大きかった)

売上の比率としては、小さめではあるが。

 

アイロムの、低迷していた2012年〜2016年になにがあったのか調べてみる。

それぞれの年の有価証券報告書を見るのがよいだろう。

それと、リスク大型案件があるかないかで業績が相当変わりそうだが、まずは有価証券報告書記載のものを把握する。

 

もし今後この成長率が続くようであれば(市場規模拡大にともなう治験需要増大、施設新設などあれば!)このPERは全然安い。まだ織り込まれていない。

ただし、景気悪化、リセッションに注意。米国、中国のバブルは弾けつつある。

追記:日経が2023年5月から絶好調、PBR1倍以下の企業数の多さ、バフェット効果か

 

アイロム月足

株価変動が非常に荒い。

2-3年で、一気に上げて、下げるのを繰り返している。

繰り返すことを期待はしてはいけないが、1500円まで下げて、3500円まで上げるのか?とちょっとした期待もしてしまう。上がる前提で予想はしてはいけないが。

業績が、今のところ過去最高益を更新し、来期も予想は良好で順調なのは安心材料、それでいてスッ高値ではないのが、安全域。

 

PBRは2倍だが、純資産はこんな感じ

利益剰余金は67億円。2022年の純利益は19億円。

不動産や製造業のように、固定資産だったり、販売するためのモノを棚卸資産としてたくさん持っているわけではない?ので、この企業の株価を資産で比べるのは難しい。のか?

 

と思ったが、先端医療のところにこんな記載

この「Ctyo Tune-iPS」というのが素晴らしいらしい。

特許をとっており、iPS細胞をたくさん作るためのキット

なるほど。そして市場規模拡大に合わせて売上も増えている。

 

順調そのものだが、第3Qでなぜ株価が下がったのだろう。

たぶん、期待が大きすぎたのではないか。1Qから異常なほどの絶好調スタート(大型案件効果)だった。

別にPER高いわけでもないし、業績見込みは悪くないので、今回の下落は株価が割安になっただけと思う。来期以降で売上が落ちればPERは上がってしまうが。

 

PER10倍が割安かどうかは今後の成長次第だが、成長期待できるので割安と言って良いだろう。景気的なリスクも織り込んでいるのだろうか。

新日本科学をみると、元気ではあるが。

 

あとはやはり、2012年〜2016年を調べないといけない。

2009年の最終益マイナス11.3億円をまず調べてみたが

当時の有価証券報告書より

借倒引当金が67.7億円!債務保証損失引当金11億円!

世界経済の低迷から、取引先が倒産したり、経営破綻しそうなときに計上されるものなので、そういうことが起きていたようだ。

このときの日経平均

なるほど、このとき日経平均7000円割っていたのか…。

ただ、売上は絶好調。

売上はすごいが、売上利益率は低い。

このあたりで、不採算事業を手放している。業務改善の結果が最近の業績につながっているのか。

 

最近はこう

 

このチャートをみると、2012年〜2016年も日経的にはかなり厳しい状況だったことが伺える。

2012年の有価証券報告書をみてみる

2011年は東日本大震災があった。医療費増加抑制政策などの影響が出たと。

2012年は特別損失での純利益低下だけでなく、営業利益がマイナスとなっている。

売上の減少が大きい。

 

京都大学の山本教授がiPS細胞でノーベル賞をとったのが2012年。

そこから数年して、iPS関連で売上がまた伸びてきたか?

 

 

さて、色々見てきたが、果たして魅力的だろうか。

SMOとCROは連続性がある。CROの治験も、新薬というのは病院が関わるので、そこでシナジーが起こるのは企業側としてもやりやすいだろう。

ここに、シミックや新日本科学にはない、大きな強みがあると見ている。

SMOとCROの相互作用。

 

ストーリをまとめる

この企業は、がんや難病などの治験をメインの業務としており、ここ数年売上やEPSが20%を超える成長が期待できる優良株であるが、景気に左右される市況関連株の要素も含む。

売上利益率やROEなどの利益性が高く、来季は売上、純利益、EPSも最高を更新する見込みとなっている一方で、ここ7年の平均PERが35程度である状況で、現PERは8倍と割安圏内であり、ライバルの新日本科学よりもEPSが高く、こちらはPER 20と評価されている。

シミック、新日本科学といったライバル企業と比べて売上規模は劣るが、病院治験(SMO)と製薬企業治験(CRO)とのシナジーがあり、他企業にはない強みがある。

主力セグメントであるSMOの売上利益率は50%と非常に高い数値である。

業績が順調であると見られる一方で、PERはここ10年以上で最も低い。(2022年までは1桁になったことがない)

短期的な注意点としては、信用倍率が100倍と高く、1日の出来高の10〜20倍程度信用買いが溜まっているため、日柄をおいて需給の整理が進むのを待つことが懸命と思われる。が、すでに買ってしまってよい価格と思われる。

治験の主戦場である再生医療、iPS細胞市場は今後大きく拡大していく見込みであり、治験の需要は大きく増えることが予想される。ただし、コロナ金融政策やITバブル崩壊のからの巨大なインフレによる景気後退には注意が必要である。一方、日経平均はバブル以降ついに最高値を更新し、これまでの割安さから海外からの買いが大きく生まれている。

治験市場の拡大の期待と世界的インフレによる景気後退(デフレ続きの日本のインフレは良い方向に向かう期待も)のリスクを天秤にかける必要があるが、iPS細胞研究が更に熱を帯びる現状、治験の需要が大きくなる可能性が高いと考える。

懸念としては、SMOに関わる大学病院は限りがあり、契約していない大学が残り少なくなるとSMOの成長が打ち止めとなることである。が、現時点ではその傾向はみられていない。

以上のような理由により、アイロムグループは今後も大きな成長が期待できる企業であり、PER 10倍は割安と判断できる。

 

結論:買ってもいい

保有銘柄を利確したり、ここよりも他に良い銘柄がなければ、乗り換える候補の一つ。

 

 

2023.6.4 追記

通期決算と次期予想が5月に出た。

アカデミアからの受託拡大とともに、”海外”製薬企業の日本国内開発における業務受託等、業務範囲拡大、とある。ips細胞の研究費が8.6億円かかったが、ips細胞培養の液を原液に使用した化粧品販売とOEM事業(他社ブランドの製品製造受託)で利益確保し、営業損失を抑えた。

SMO、CROの伸長により、二期連続過去最高益を更新。

 

PERは15〜30くらいを動いているが、2023年はPER 10を切り、なお下げ続けている。

過去最高益となったが株価は上がらず、PERは低下。

ここ6年では平均PER 20

 

これを踏まえた上で

 

●SMO事業(病院手助け)

アンメット・メディカル・ニーズ:治療法がない疾患に対する治療ニーズ

また、がんや難病だけでなく、プライマリー領域(総合医療:内科や外科など全般)での受託も推進しこの大型案件が大きく寄与した。

 

●CRO事業(製薬会社手助け)

海外の臨床試験や申請業務を新規受託。一方で海外事業の体制整備に費用がかかり営業利益は減少した。

⇨この体制整備は投資なので、今後海外事業が軌道に乗れば利益は拡大するもの。

 この海外事業の進捗は、決算ごとにチェックしていく。(記載があれば)

 

●先端医療

形を刻々と変えるCOVID−19のワクチンを研究する価値はあるのだろうか。免疫的には一緒なのかもしれない。詳しく調べる必要がある。

既知の厚生労働省のデータ捏造(接種日不明を未接種としてデータ発表など)などあり、これまでのコロナワクチンに関しては非常に懐疑的に見ている。

だからこそ国産の経鼻接種ワクチンに価値があるのか?

研究費から、2.7億円の営業損失が出ている。

これが成功する見込みで、来期の通期予想が出ているのだとしたら怖いが、これに関しては今後の見通しに記載あり後述。

 

●メディカルサポート事業

例の不動産事業、クリニックモール開設。ここで開業する医師に開業支援をしており、その後に臨床試験を紹介するというシナジー。1.2億円の営業利益であり、結構大きい。

うまくいっているようだ。

 

 

続いて、キャッシュフロー

有形固定資産、おそらくクリニックモールだろう。研究施設新設ではない。

メディカルサポートで19.7億円、これが大きい。

 

 

そして、今後の見通し

SMO:売上112億円、営業利益53億円 

CRO:売上63億円、営業利益0.5億円 オーストラリア事業拡大を

先端医療:売上22億円、営業利益0.2億円 センダイウイルスベクター

メディサポ:売上14億円、営業利益0.3億円 の見込み。

営業利益のほとんどがSMOで占める。

 

「各事業とも、現時点で契約しているもの、契約交渉が進んでいるもののうち、過去の経験上受注が見込める案件・材料をベースに見通しを立てている」

テキトーなIRではなく、適当なIR。安心感がある。

 

ウイルスベクターについては、勉強してもよくわからない。専門性が高すぎる。

なので収益性など、自分が理解できるところだけしっかり理解できればよいとする。

論文にはこうある

 

今後の業績拡大について

SMOが拡大するのに必要なこと

①がんセンターなどの専門医療機関や大学病院と提携数が増える

②研究数が増える

③単価が増える(値上げ)

 

①については、がんセンターや大学病院には限りがあり、いつか限界がくる。現在どの程度提携しているのか不明。海外事業の拡大で、市場拡大は見込めるかも知れない。が、まだ打ち止め感はない。決算ごとにチェックしていけば良いだろう。

 

②研究数は今後ますます伸びていくだろう。ここは市場が利益を後押ししている。がんや難病だけでなくプライマリな領域に拡大もしており、その分裾野は広がった。これは良い材料。下がるPERと業務内容が逆行している。良い傾向と考える。

 

③値上げについて、現時点であまり考えられないか。特に記載もない

 

○結論

ストーリーは順調