「いい質問」が人を動かす 著者:谷原誠
を読んだ。
仕事や日常で使えることがあったので行動に移している。それらについてまとめる。
◯はじめに
「質問されると ①思考し、②答えてしまう」というのが、質問の本質。
自分に質問すれば、より思考を深めることができる。しかしネガティブな質問をするとネガティブに、ポジティブな質問をすればポジティブに考えるため、なんでも質問すればいいというわけでない。良い質問、悪い質問の仕方がある。
◯「なぜなぜ攻撃」は人にするな
なぜ?なぜ?と質問を繰り返していくことは、自分の思考を掘り下げるのに有効だが、人に使うときは注意が必要。
「なぜ相談しなかった?」
「なぜそんなに怒っているの?」
「なぜそんなことができない?」
「なぜ結婚記念日を忘れたの?」
自分に使えば論理的に答えようとして深く考えることができるが、人に使うと、苦痛を感じさせて、嫌になってしまう。
また、これらは「ノー・アンサー・クエスチョン」といって、質問なのに答えを求めていない質問にもなる。「なぜ結婚記念日を忘れたの?」はただの叱責であり、答えを知りたいわけではなく相手に謝罪させるために使う質問形式になる。要は感情をぶつけたいだけであり、個人的に大嫌いな質問方法だ。これを使われると相手への敬意度をワンランク下げざるを得ない(何様)
なので建設的に論理的な話をしたい場合、人に対しては「なぜ」は使わないようにしなければならない。
「なぜ」を使わないためには、「なぜ」の代わりに「何を」や「どうやったら」に置き換えるとよい。
例えば「なぜそんなに怒っているの?」だと
「 ”何が” 気に入らないの?」
「 ”いつのことを” 怒っているの?」
「 ”どうすれば” 怒りが収まるの?」
等、 ”5W1H” に変換すると良い。
ただ、なぜ?を繰り返すと非常に論理的に突き詰めて考えることができるため、なぜなぜ「攻撃」をせずに、つまり、相手を責めてる雰囲気を出さずに質問する場合は、有効となる。
◯ダメな質問「ネガティブ・クエスチョン」
否定的な質問をすると、相手に否定的な考えを強制してしまう。
上司が部下に「どうしてこんなことができないんだ?」と質問をすると、「なぜだろう…能力がないからだろうか」と、「できない理由」について考えて、できない理由を答えなければならない。
これに対し、「どうすればできたかな?」と質問すれば、部下の思考は「どうやったらできたか」というポジティブな思考に切り替わる。どちらが良いかは言うまでもないだろう。
自分に問いかけるときも、常に意識しておきたいテクニックの1つだ。
✕「なぜできない?」
◯「どうやったらできるようになる?」
これをポジティブ・クエスチョンという
◯良い質問「ポジティブ・クエスチョン」
ネガティブ・クエスチョンでは「私がこれだけ言っているのになんで言うことを聞かないの? なんでできるようにならないの?」と、相手の立場に立たず、自分の立場から発言してしまっている。これでは相手に罪悪感を与えるばかりであり、こうなると人は能力を発揮できなくなる。
あくまで相手の立場で、どうすればいいかを一緒に考えていく、ポジティブな方向で思考できるようになるのが、ポジティブ・クエスチョンだ。
✕「なぜできない?」
◯「どうやったらできるようになる?」
◯「どうすれば今後ミスを防げるかな」
◯「できるようになるために、手伝えることはある?」
✕「なんで締め切りを守れないの?」
◯「どうしたら、締め切りを守れたと思う?」
◯「締め切りを守るために、どんな工夫をした?」
なぜ、という失敗の理由を考えさせる質問ではなく、どうしたらいいかという、今後とるべき行動を考えさせるのがポイント。
今後とるべき行動を考える際に、なぜ失敗したかは相手が自分で勝手に考えるため責められた気持ちにならず、自尊心の低下に繋がらない。
そして何より、今後とるべき行動をその場で考えるため、問題の解決に繋がる。意味のある質問となる。
これらのテクニックは、明日から仕事でも、家族にも、友人にも使える。
人に不快感を与えず、行動を促すことができるため、普段の基本的な言葉選びとしてポジティブ・クエスチョンが使えるようになると、とても良い。
いい印象がある人というのは、このあたりがしっかりできている。
◯まとめ
・なぜなぜ攻撃はするな
・ポジティブ・クエスチョンは人を不快にさせず、行動を促せる
◯この本を読んで、実際に行動に移したこと
・後輩指導の際に、失敗に対して「なぜ?」と聞かなくなった
・「どうしたらいいと思う?」「どう考える?」をよく使うようになった